最初に観たノーラン作品は「ダークナイト」だという岩田は、「『この人の頭の中を見てみたいな』って思うナンバーワンな人です(笑)」とノーランについてコメント。そして本作に関しては当初「なんでまたこの題材でやろうと思ったんだろう」と感じていたそうだが、「最初の10分から本当に圧巻でした。普通の映画だったらあれがクライマックスですよ、あれが2時間ずっと続く映画ってないです」と感想を述べた。
「うれしいという感情しかないです!」と、本作の日本でのPR担当となったことを喜ぶ岩田は、「映画に出してくれなんて懇願しちゃおうかな、なんて思ってますけど(笑)。そういう監督の生の声を聞けるチャンスって本当にないと思うんですよね」と、ノーランとの初対面を予定している来日記者会見への期待を膨らませる。なお、岩田が出演したテレビスポット映像がYouTubeにて公開中だ。
「ダンケルク」は、第2次世界大戦時、フランス・ダンケルクでドイツ軍に包囲された連合軍の兵士40万人以上を救出する撤退作戦を描いた作品。9月9日より全国でロードショー。
岩田剛典 コメント
クリストファー・ノーランのファンとなった作品
最初に「ダークナイト」を観て、あの作品自体、僕は本当に好きで。脚本も素晴らしいですし、俳優さんのお芝居も素晴らしくて、かつ、撮り方や映像の1つひとつの画の強さもすごかったです。監督の名前を調べた作品ってなかなかないんですが、それがきっかけで調べて、そこから日本でもヒットした「インセプション」と「インターステラー」を観て、それでもう完全にノーランファンになりましたね。
ファンになったきっかけ
「どうやって撮ったんだろう」と思うところです。シナリオが緻密に組まれているので、「この人の頭の中を見てみたいな」って思うナンバーワンな人です(笑)。本当に才能があふれているというか、人ができないことをやっている監督なんじゃないのかなと思いますし、そんな中今期待されている最新作なわけで。この間海外のプレミアがありましたが、その評判も日本の僕の耳に入ってくるくらいすごいと伺っているので、きっと今回の作品でまたノーランが新境地を開拓するんでしょうね。僕はすでに「ダンケルク」を観ているので、次回作がどんな感じでくるのか楽しみな気持ちです。
ノーランの監督作を観て影響を受けたこと
感情移入させるのが上手な監督だと思います。例えばパニックシーンだったら、本当にお客さんがパニック状態に陥った心理になるように、撮る手法であったりとか。僕は監督業はやっていないですけども、こういうお仕事をさせていただいていて、シーンを1つひとつ撮ったりする上で、俳優も監督の気持ちや欲しい画に寄り添って、そこにフィットさせていく努力というものは大切だなということに、ノーラン作品を観ると気付かされます。お客さんに届けるときに、このシーン1つをどういうふうに感情移入させて積み上げていくのかというのを、監督だけじゃなくて演者も考えるべきだし、そういった部分が根本というか、映画ってきっとそういうエンタテインメントなので、観る人に感動してもらえるように、僕もものづくりに関わっていきたいなって思います。
ノーランが実話を題材にした作品を撮ると聞いたときの気持ち
どうなるんだろうって思いました。そういうの好きじゃないんだろうなって僕は思っていたので、逆に言うと意外でした。不思議と言うか、今までとまったく違うので。なんでまたこの題材でやろうと思ったんだろう、とか。でも、僕が思っていたこの作品の印象と、観終わったあとの印象が全然違ったので、こういう題材をテーマに勝負したかったんだろうなとか。絶対にこれが撮りたいんだという監督の欲がすごく伝わってきました。飛行機が着水するシーンもそうでしたし、海と炎のコントラストも、絶対にこれがやりたかったからこのシーンを入れたんでしょ、とかそういった監督としてのプライドみたいなところもすごく感じました。とにかく、張り詰めた緊張感や緊迫感、臨場感みたいなところで映画を楽しんでもらいたいという気持ちが込められていたんじゃないのかなって気がします。戦争の映画なのに政治要素が意外と取り除かれているので、そういう意味では、戦争だからって食わず嫌いになっちゃうような人も観やすいですよね。主人公ないし登場人物の数日間の話なので、だからこそ、こういう描き方になるんだなと意外でした。やっぱり映像美というか映像手腕ということで、さすがだなと至るところで思わされました。
観客はなぜ本作に引き込まれると思うか
僕は、シンプルに画の強さと音かなと思いました。最初の10分から本当に圧巻でした。普通の映画だったらあれがクライマックスですよ、あれが2時間ずっと続く映画ってないです。ずっと緊迫した中でストーリーが進んでいく話なので、そのつかみとして、冒頭の緊張感が……。特に、今回主演のフィン・ホワイトヘッドは大抜擢じゃないですか。スクリーンに映ったときに、日本人はみんな顔がわからないわけですから、画力という意味でいうと、その人がきてワクワクするとかいうことはないわけで。そんな中で、10分間で、一気にあの主人公の心情に引き込まれるというのは、映像手腕でしかなくてすごいなと思いました。砂浜で、空爆が徐々に主人公の方に近付いてくる演出だったりとか、何テイクやったらあれが撮れるのかわからないけれども、普通に考えて大変な撮影ですから。ああいうのが全シーン、頭からですもんね。走っていって、主人公以外全員背中から撃たれてバタバタ倒れていくさまとか、あれはめちゃくちゃ緊張感が煽られましたし、一瞬にして引き込まれましたよね。
99分間の上映中、安心できる瞬間がないことについて
1回も無かったですね。終わってからやっと息つけた、という。なかなかないですよね、そういう映画って。山場を作る上でも、普通はどこかに入れるわけだから。ある意味、最初から山場でずっと山場だった、みたいな感じでした。
クリストファー・ノーラン監督作品に関わることになった感想
いやもう、うれしいという感情しかないです! 僕は作品に出演しているわけでもなんでもないのですが、いちファンとして、つまり、映画ファンとして、クリストファー・ノーランファンとして、最新作の日本でのPRを担当させてもらえるというのは、シンプルにうれしいですし、逆に言うと、僕みたいなただのファンが宣伝する言葉ってリアルなんです(笑)。なので、余計な感情を一切抜きにして、僕は自分の言葉で感動を伝えられるという自信があるので、すごく光栄ですし、今日を封切りとして、初号を観させていただいてというお仕事ですけれども、この先、ノーランと対談も用意していただいたということで……楽しみすぎます。映画に出してくれなんて懇願しちゃおうかな、なんて思ってますけど(笑)。そういう監督の生の声を聞けるチャンスって本当にないと思うんですよね。これだけ人気の監督ですし、これから先世界中を飛び回るんだろうし。そういう作品を作れる力のある監督とこういう形で接点を持てるというのは、幸せに思います。
ノーランと対面した際、初めに何を聞くか
どうしようかな。次何撮りますか、とかですかね(笑)。
最後に一言
「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督が描く最新作、史上最大の救出作戦「ダンケルク」。さきほど、自分も観させていただきましたが、とにかく息もつかせないような99分間で、極限の緊張感が味わえる、これこそ絶対に劇場で観ていただきたい作品となっております。9月9日公開となっておりますので、ノーランファンの皆さんはもちろんのこと、映画ファン全員に観ていただきたい最新作となっておりますので、ぜひとも劇場に足を運んでいただけたらうれしく思います。
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