「神山祭 in TAAF 2017」と銘打った上映イベントが3月11日に東京・シネマサンシャイン池袋にて開催され、
神山の最新作「
まずは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の第1話を上映。押井守による映画版でも主人公・草薙素子に声を当てた田中敦子について、神山が「実はテレビシリーズの素子は、田中敦子さんじゃなくなる可能性があったんです。オーディションで別の方に決めて、事務所にまで話を通していたんですが、石川さんが『やっぱり田中さんで行こう』と。今思っても田中さんでよかったですね」と裏話を明かす。
また露出度の高い素子のビジュアルに関して、石川が「どの人も素子の尻や股間に目が行ってしまうと思うのですが……(笑)」と言うと、神山は「“視線誘導”です(笑)。最初のつかみのために、おかしいと言われてもこれで行こうと思った」と答える。さらに本作の関係者試写はスタジオジブリの試写室で行ったそうだが、そのときに観に来ていた同スタジオプロデューサーの鈴木敏夫にも「なんで尻が出てるんだろうな」と言われたとのこと。神山は「しめた! 鈴木敏夫さんも釘付けになった!と思いましたね(笑)」と当時を振り返る。
続いての「精霊の守り人」に関しては、安藤麻吹ら声優陣の演技を神山が絶賛。「アフレコは皆さんでいっぺんに録るんですが、回を重ねるごとにだんだん誰も失敗しなくなって。間違えることでやり直しになって、集中が途切れるのが嫌だったんだと思います。確か最終話は、みんなアフレコを極めていて、NGテイクが1度もなかったんです」と話して観客を驚かせる。
そして「東のエデン」では、第1話に盛り込まれた「タクシードライバー」と「ボーン」シリーズへのオマージュに言及。神山は、滝沢朗が鏡に拳銃を向けるシーンを観て「『タクシードライバー』のまんまですね。大好きで、すごく影響を受けています」と話す。さらに滝沢のジャケットは当時神山が着ていたものがモデルになっているそうで、「おかげで着れなくなったんですよ。『コスプレしてるんですか?』って言われるから!(笑)」と嘆いていた。
そして最後には、「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」のスピンオフ「エンシェンと魔法のタブレット ~もうひとつのひるね姫~」をお披露目。こちらは現在Huluにて前半のみ配信中だが、フル尺で上映されるのはこのイベントが初となった。神山は同作について「『ひるね姫』は夢の世界と現実の世界を行き来して冒険する話。このスピンオフは、夢の世界がどういう設定なのかを説明する物語です」と解説した。
すべての上映が終わると、神山が「ずいぶん作品を作ってきたんだなと思いました。でも、がんばってくれたスタッフのことや、当時自分が何を考えていたかが、昨日のことのように思い出されます。当時ほとんど監督もしていなかった自分に、石川さんが『攻殻機動隊』というビッグタイトルをやってみないか?と言ってくれたことも、バッと思い出しました。がんばってやってきてよかった」と感想を語り、イベントは幕を閉じた。
「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」は3月18日より全国ロードショー。
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