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種田陽平が映画美術を語る「タランティーノは増村保造の大ファン」

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種田陽平によるトークショーの様子。

種田陽平によるトークショーの様子。

東京・角川シネマ新宿で開催中の上映企画「溝口健二増村保造映画祭 変貌する女たち」にて、本日1月8日に美術監督・種田陽平のトークショーが行われた。

岩井俊二や三谷幸喜らの邦画だけでなく、クエンティン・タランティーノやチャン・イーモウの監督作にも携わってきた種田。本イベントの冒頭では、溝口健二が1954年に発表した「山椒大夫」を参考に、種田が映画制作における美術の仕事について説明した。

「山椒大夫」や「雨月物語」の時代と今を比べて、種田は「一番違うのは、『山椒大夫』では森の中もセットで作っていること。今ではティム・バートンのような監督でないと森のセットは作りませんが、当時はスタジオの中に森や湖を作ることをしていました。この映画の中で、野宿をしている部分はセットです。当時の映画は白黒ですので、ロケでは真っ暗になってしまいます」と解説する。

溝口作品の助監督を務めた増村保造について、種田は「大映の若手助監督のトップみたいな方でした」と証言する。溝口と増村の作品の違いに関しては「増村さんは溝口さんと違うスタイルを目指していて、横長のシネマスコープで撮っていましたから、美術があまり目立たないんです。溝口さんのほうは奥行きがありますが、増村さんの作品は密閉感がある。壁が多いんです。若尾文子さんの後ろは壁なんです(笑)」と話す。また「増村さんは現場に入ると自分で雑巾を持って必死に壁を磨いていたらしいんです。汚したりね。役者と壁との両方が自分の映画だと思っていたんでしょうね。誰かが増村さんを大道具さんだと思ったくらい」という裏話も明かした。

種田が参加した「ヘイトフル・エイト」の監督であるタランティーノは、増村の大ファンだそう。種田は「大好きらしいんですよ。似ているんですよね。『絵になるような広いセットはいりません』と言うし、『役者のアップから始めてくれ』と言う。『ヘイトフル・エイト』でも広く作らないでくれ、壁は丹念に磨いてくれと言いましたからね、今でも増村はいるんだなと思いました」と振り返った。

「溝口健二&増村保造映画祭 変貌する女たち」は、1月26日まで開催中。「山椒大夫」「西鶴一代女」といった溝口健二の監督作が14本、「清作の妻」「妻は告白する」など増村保造の監督作が28本スクリーンにかけられる。

溝口健二&増村保造映画祭 変貌する女たち

開催中~2017年1月26日(木)東京都 角川シネマ新宿ほか
料金:一般 1600円 / シニア 1100円 / 学生 1000円
※親子で来場すると親子割で1人1000円
<上映作品>
山椒大夫
西鶴一代女
「近松物語」
「刺青」
「痴人の愛」
妻は告白する
清作の妻」ほか

(c)KADOKAWA

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