モフセン・マフマルバフ、「独裁者と小さな孫」試写会で河瀬直美とトーク

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10月20日、「独裁者と小さな孫」のトークショー付き試写会が東京・アキバシアターで行われ、モフセン・マフマルバフ河瀬直美が登壇した。

「独裁者と小さな孫」トークショー付き試写会に登壇した、モフセン・マフマルバフ(右)と河瀬直美(左)。

「独裁者と小さな孫」トークショー付き試写会に登壇した、モフセン・マフマルバフ(右)と河瀬直美(左)。

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モフセン・マフマルバフ

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本作は、「カンダハール」「パンと植木鉢」などで知られるマフマルバフがメガホンを取ったロードムービー。架空の国で起きたクーデターをきっかけに、逃亡の旅に出た独裁者と彼の幼い孫がたどる運命を描く。

河瀬直美

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マフマルバフは「独裁者と小さな孫」を制作したきっかけについて、「9年前アフガニスタンにいたとき、この映画の着想を得ました」と説明。「当初はアフガニスタンの独裁者を描こうと思っていたのですが、少し時間が経ってから、この物語はどの国の人にとっても普遍的なものなのではないかということに気付いたのです。実際、映画が完成したあといろんな国に行ってみると、ロシアでも香港でも『私たちの人生や物語が描かれている』という感想を聞きました。もしかすると日本でも同じような感想を持つ方がいるかもしれません」と述べる。

左からモフセン・マフマルバフ、河瀬直美。

左からモフセン・マフマルバフ、河瀬直美。[拡大]

河瀬は「60歳近いお歳でこんな作品を作ってしまう情熱を尊敬します。自分がその年齢になったときに、これだけの作品を作れるだろうかと感じました」とコメント。「絶対に作らなければいけないという切実な気持ちや情熱というものが、今の日本には少し欠けているのかなと思っています」とも。

今回が6回目の来日となったマフマルバフは、最後に「自分の映画が公開されるたびいろんな国に行きますが、日本の方々は一番誠実で信用できる人たちです。いつも日本人を尊敬しています。黒澤明監督や小津安二郎監督、溝口健二監督は、世界の映画界に大きな影響を与えました。ですから私は日本が大好きなのですが、今回来日してみて少しがっかりしました。70年間平和を守ってきた国が、なぜ今戦争に走るのですか?」と疑問を呈し、「先々週、映画祭の審査委員長を務めるためイスラエルに行ったのですが、現地の方々が留学などで若者を国外に出しているということを聞きました。理由を聞くと、『この国にいれば、子供たちはいずれ殺す立場か殺される立場に追い込まれるから』と言うのです。日本がそのような国にならないよう、心からお祈りをしています」と語った。

「独裁者と小さな孫」は、12月12日より東京・新宿武蔵野館ほかにて全国公開。

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