村上虹郎がグザヴィエ・ドランを語る「感情が本物なら演出方法は嘘でもいい」

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俳優の村上虹郎と映画解説者の中井圭によるトークイベント「カルチャーシーンのゲームチェンジャー、グザヴィエ・ドランとは?」が5月1日に東京・下北沢のB&Bにて行われた。

村上虹郎

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左から中井圭、村上虹郎。

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このイベントは、グザヴィエ・ドランが監督を手がけた「Mommy/マミー」の公開を記念して、彼のデビュー作「マイ・マザー」から最新作までを順番に辿り、ドラン作品の魅力を紐といていくもの。

「2つ目の窓」で鮮烈なデビューを飾った村上は、2014年のカンヌ国際映画祭でドラン本人に遭遇し、作品のファンであることを伝えたという。また偶然にも、ドランの出身地モントリオールへの留学経験も。「胸騒ぎの恋人」のワンシーンで印象的に使われているマシュマロに言及して「同じものを食べていた!」と懐かしそうに当時のエピソードを披露するなど、終始和やかにトークは展開していった。

そしてドランの作品に多用される撮影の手法、クローズアップの話になると、村上は「目が強い人はクローズアップだと感情を伝えやすい」と言い「彼の映画の登場人物は、まばたきの回数からも心情が伝わってくる」と俳優ならではの視点から演出の魅力を語る場面も。

さらに中井が「わたしはロランス」を例に挙げて「感情を発露させるときに、言葉の代わりに大量の洋服を降らせるのがすごい。ドランの作品では、演出や衣装などすべてがキャラクターの気持ちを表現するためにある。だから映画の中の言語がわからなくても、描こうとする感情がストレートに伝わってくる」と熱く語ると、村上は「キャラクターの心に生まれた感情が本物であれば、演出の手法は嘘でもいい」と共感の意を表した。

「Mommy/マミー」ポスタービジュアル Photo credit : Shayne Laverdière / (c) 2014 une filiale de Metafilms inc.

「Mommy/マミー」ポスタービジュアル Photo credit : Shayne Laverdière / (c) 2014 une filiale de Metafilms inc.[拡大]

話題は最新作「Mommy/マミー」へ。この作品をドランに遭遇したカンヌ国際映画祭で観たという村上は、本編が終わってすぐに「1人で勝手にスタンディングオベーションをしていた」と明かす。またキャラクターの感情が爆発する瞬間の表現方法に触れ、「ドランの映画を観ると、この人は常に映画のこと考えてるんだなっていうのが伝わってくる。役者としてはいつか彼に撮られてみたい」と展望を語った。

最後に中井が「虹郎には日本のドランを目指して欲しい!」と口にすると、村上は「いつになるやら」とほほえみながらも「役者として日本映画界を面白くするためにがんばっていきたい」と力強く語り、イベントは終了した。

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