まめごはんによる映画弁当。

今日のランチは映画弁当!「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ミツバチのささやき」「TENET テネット」をテーマにお弁当作り

“映画ごはん”は食べる二次創作

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“映画ごはん”は食べる二次創作!まめごはんにインタビュー

まめごはん

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──まずは映画を好きになったきっかけを教えていただきたいです。

子供の頃は頻繁に映画館へ行くというより、「金曜ロードショー」で映画を観ていました。「いい映画の日は夜更かししてもいい」という母のルールがあって、「サウンド・オブ・ミュージック」のような長い映画でも、最後まで見させてくれました。あとは勉強が終わって深夜にリビングに行くと、BSでニッチな映画を放送する番組がやっていて。「金曜ロードショー」で観るようなキラキラした作品だけじゃなくて、いろんな映画があるんだなと知りました。大学生になってからは、大学のイメージライブラリーやTSUTAYAで映画を借りて、どんどん自分で開拓するようになりました。映画館に通うようになったのは、マーベルを好きになったことが大きいです。

──それは何歳くらいでしたか?

自分のお金で映画を観に行けるようになった、23歳頃ですね。「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」がソフト化して、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が公開されているときでした。

──まめごはんさんは、マーベルのような作風の作品だけでなくアートフィルムもお好きですよね。

そうなんですよ。「ミチバチのささやき」「落下の王国」なども大好きです。どちらかというと自分の肌感覚に合っているのは穏やかで雰囲気のいい映画だと思います。世の中にはいろんな映画があって、どれもこれも面白いなと少しずつ知っていった感じです。

まめごはん

まめごはん

──まめごはんさんはケータリングのお店でお仕事をしながら、月に一度「映画ご飯会」を主催していますが、どのようなきっかけでスタートしたのでしょうか?

学生時代の友達が映画の上映活動をするチームに所属していて、メンバーと仲良くなったことがきっかけです。そのチームのイベントで、上映作品をテーマにしたごはんを作ってくれないかと依頼があり、やってみたら面白かったんです。だんだん、劇中に登場する食事の再現ではなく、作品をテーマにレシピを考えるようになっていきました。味で映画の素晴らしさを思い出したり共有することができるのは楽しいなと感じて、「映画ご飯会」を始めました。徐々に月1ペースになった感じです。

──劇中に登場する食事の再現ではなく、映画をテーマにレシピを考えるというのは面白い試みですよね。

レシピを考えていると、映画への理解が深まる気がするんです。例えば洋画の場合、まずは物語の舞台になっている国から調べるんです。今回の「ミツバチのささやき」だったら、スペインのお弁当ってどんなだろう?とか、トルティージャはボカディージョに挟むだけじゃなく単品でも食べるのか……とスペイン料理について調べました。その国の気温、匂い、街の色からアプローチして料理のイメージを作り上げるので、映画の世界をより知っていける感じがします。

1月に開催された「レオン」をテーマにした「映画ご飯会」より、「スモーキー・ハンディ・チキン」。仕事道具がきれいに収納された主人公・レオンの仕事カバンをイメージした燻製の手羽先 (参加者による撮影)。

1月に開催された「レオン」をテーマにした「映画ご飯会」より、「スモーキー・ハンディ・チキン」。仕事道具がきれいに収納された主人公・レオンの仕事カバンをイメージした燻製の手羽先 (参加者による撮影)。

──料理にすることで映画の理解が深まるだけではなく、好きな気持ちの表現にもなるのでしょうか?

そうですね。私は、映画ごはんを“食べる二次創作”だと思ってます(笑)。ファンアートとかよく見かけますけど、私は絵がそんなに上手じゃないので、どうやってこの愛を表現したらいいんだろう?というところからたどり着きました。食べれば自分の血肉になるっていうのも、うれしいポイント。おいしいとかまずいって、みんなで共有するのが楽しいし、作ったものがおなかに収まって終わるのも始末がいいなと思うんです。

──やっぱり、おいしい料理が出てくる作品は創作意欲が湧くものですか?

台湾映画やインド映画はおいしそうな料理を食べるシーンが多いので、もちろん「いいな」と思いますが、実はそれよりも、おいしくなさそうなごはんが出てくるほうが、そそられるんですよ(笑)。例えば「チャーリーとチョコレート工場」だったら、きれいなチョコレートじゃなくて、貧しいチャーリーの家族が食べているキャベツだけのスープとか。逆にあの味が超気になる。彼らにとってはこれが日常食なんだよな……とか考えるんです。登場人物が映画の中で食べているものを、同じように食べてみたい気持ちがあるんだと思います。

まめごはん

まめごはん

──映画ごはんを作る際に、大切にしていることを教えてください。

劇中に登場する料理を再現するときは、なるべく現地で使われている調味料や食材をそろえるようにしています。また映画をイメージした料理を作るときは、どんなビジュアルでも味はおいしくするように心がけていますね。あとは、最近だとお客さんに提供することも多いのですが、食べやすさよりも、自分の中のイメージを具現化することを優先しています。あえて野菜をでっかく置いてみたり。そっちのほうが映画のイメージに合うと思ったら、その気持ちを大事にしています。

──こだわりが詰まった映画ごはんなんですね。今回は「映画弁当」を作っていただきましたが、今後作ってみたいなと思う作品はありますか?

最近だとアリーチェ・ロルヴァケルの「墓泥棒と失われた女神」がよかったです。食べ物のシーンはあまりないので難しそうですが、イタリアの雰囲気がビシバシ伝わる作品なので形にできたらいいなと思いました。あとはルカ・グァダニーノの「チャレンジャーズ」も面白かった! お弁当にするとしたらどうなるんだろう……。メインキャストの3人をイメージして、3つに分けて作るのもいいなと想像しています。

まめごはん

1991年生まれ、福島県出身。ケータリングや卸を中心に料理関係の仕事をしている。無類の映画好きで、月に一度「映画ご飯会」を開催中。
まめごはん / yuka endo (mame__gohan) | Instagram

今回お弁当になった映画について

マッドマックス 怒りのデス・ロード

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」場面写真(写真提供:The Hollywood Archive / Hollywood Archive / Avalon / ゼータ イメージ)

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」場面写真(写真提供:The Hollywood Archive / Hollywood Archive / Avalon / ゼータ イメージ)

「マッドマックス サンダードーム」から約30年ぶり、2015年に発表された「マッドマックス」シリーズ4作目。資源の枯渇した近未来を舞台に、凶悪なイモータン・ジョー軍団に捕らえられた元警官マックスが、反乱を計画する女戦士フュリオサらと力を合わせ、自由を求め奮闘するさまが描かれる。監督・脚本はジョージ・ミラー。主人公マックスをトム・ハーディ、フュリオサをシャーリーズ・セロンが演じた。

ミツバチのささやき

「ミツバチのささやき」場面写真 (c) 2005 Video Mercury Films S.A.(発売元・販売元:アイ・ヴィ―・シー / Blu-ray:税込5280円 / DVD:税込4180円)

「ミツバチのささやき」場面写真 (c) 2005 Video Mercury Films S.A.(発売元・販売元:アイ・ヴィ―・シー / Blu-ray:税込5280円 / DVD:税込4180円)

1985年に日本公開された、ビクトル・エリセの長編第1作。巡回映画で「フランケンシュタイン」を観た6歳の少女アナの空想と現実の世界が描かれる。舞台は1940年頃のスペイン中部の小さな村。アナ・トレントイザベル・テリェリアフェルナンド・フェルナン・ゴメスらがキャストに名を連ねる。

TENET テネット

「TENET」場面写真(写真提供:Melinda Sue Gordon / Hollywood Archive / Avalon / ゼータ イメージ)

「TENET」場面写真(写真提供:Melinda Sue Gordon / Hollywood Archive / Avalon / ゼータ イメージ)

2020年に公開されたクリストファー・ノーランによるサスペンスアクション。特殊部隊に所属する名もなき男が、未来からやって来る敵と戦い、核戦争以上の脅威となる事態の回避を命じられることから物語が展開する。ジョン・デヴィッド・ワシントンが主演を務め、第93回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞した。

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浅井🐏 @as1tks_

尾崎南さん????
べつの尾崎南さんですよね? https://t.co/jy7AUxyVEJ https://t.co/rn81Ag2kOg

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