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「009 RE:CYBORG」試写会に永井豪ら著名マンガ家集結

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石ノ森章太郎「サイボーグ009」を原作としたアニメ映画「009 RE:CYBORG」の完成披露試写会が、去る10月18日、東京・新宿バルト9にて開催された。

本編上映前に行われた舞台挨拶には、Production I.Gの石井朋彦プロデューサーと、監督を務めた神山健治が登壇。神山は「ちょうど1年前『サイボーグ009』を映画として作らせていただくという発表をしたときは、非常に意外だという意見が多かった」としながらも、「僕らの世代には骨の髄まで石ノ森先生のヒーロー像が染み込んでいる。この混沌とした現代では、石ノ森先生が描いてきたテーマというものがシンプルかつ多くの人に届くのではないかと思い、原作をお借りした」と映画化に至るまでの思いを明かす。

また脚本が完成した後に東日本大震災が発生し、一時は「このままこの作品を作り続けることができるだろうか」と悩んだという神山。「『全人類共通の正義とは何か』と問い続けてきた石ノ森先生の思いを引き継いでいる作品だという自負があったので、震災後も1年をかけて、歯を食いしばって作ってきた」と明かした。

続いて1979年に放送されたTVアニメ「サイボーグ009」の主題歌「誰がために」を担当していた成田賢が登場。「33年前に歌わせていただいた歌がいまだに愛されていて、非常に光栄に思っています」としみじみとコメントする。今回の映画に合わせ「誰がために」を新たに録音したと言う成田。「あと33年間この復活版を歌い続けていこう。そうするとちょうど100歳になるので、そのときにまた復活したらかっこいいかな」と意欲を見せ、「誰がために -2012ver.-」を生披露した。

この日はゲストとしてマンガ家・イラストレーター150名、アニメ関係者100名を含む約700名が来場。富野由悠季、水野英子鈴木伸一永井豪、角盈男、キャイ~ンの天野ひろゆきが、上映終了後に行われた囲み取材に応じた。

富野は「この絵柄でやられたらやだなとすごい抵抗感があったんだけれども、それを乗り越えているという意味ではスタッフさんはとてもよくやったなと思う。ただ100点満点をつける気はないし、つけても59.99999……点」と辛口評価も交えつつ、「自分には絶対作れないカット割りを見せてくれた気持ちよさがあった。勉強させてもらった」と感想を語った。

続いて、石ノ森と同じく「トキワ荘」出身の水野、鈴木が姿を見せる。水野は映画を観た感想を「今の絵柄になってて、石ノ森さんの柔らかな叙情性がちょっと消えてしまっていたかなと思ったが、これはこれでまた新しい『009』で良かったのでは」とコメント。また鈴木は「もう少しユーモアが混じるとよかったかな」とこぼしながらも、「大ヒット祈願!!」の一言を添えた描き下ろしイラストを披露した。

「サイボーグ009」連載時代に石ノ森のアシスタントを務めていた永井は、「たくさん背景を描きました」と当時を懐かしむ。もし石ノ森がこの作品を観たらどう思うか、と訪ねられると「喜んだんじゃないか」と笑顔で語った。また「イヤーなつかしい!009がよみがえったネ」というメッセージとともに、ジョーを描いたイラストも残している。

最後に登場した天野は興奮冷めやらぬ様子で「ずっとアトラクションに乗っていたくらいの浮遊感。まだホワホワとしていて、すごく楽しかった」と絶賛。原作とは違う雰囲気のキャラクターデザインについても「映画を見たら一切気にならない」と太鼓判を押した。

「009 RE:CYBORG」は10月27日に全国ロードショー。「攻殻機動隊 S.A.C.」「東のエデン」で知られる神山健治が監督・脚本を手がけ、2013年を舞台にサイボーグ戦士たちの新たなストーリーが紡がれる。

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