舞台挨拶には岸辺露伴役の
高橋と同じく約6年にわたり泉を演じてきた飯豊は、本作で初挑戦したことを聞かれ「イタリア語」と回答。「セリフ以外の日常会話なども勉強して、カフェに行ったときにイタリア語で注文してみました」と続け、イタリア語での自己紹介を披露する。渡辺監督は全編をイタリアのヴェネツィアで撮影したことについて、「去年の4月に初めてロケハンに行ったんですが、どこを見ても画になる場所ばかりで。イマジネーションを強くかき立てられたので、これはもう全部ヴェネツィアで撮るしかないと決めました」と語った。
演じるうえでのこだわりを尋ねられた戸次は、「その前に、お詫びと訂正をさせていただきたい」と切り出す。「先日の先行上映会で『ソトバは強烈なビジュアルだけど、どう思ったか』と司会の方に聞かれて、『自分から言うのもなんですけど、僕ってちょっとカッコいいじゃないですか』と答えたんです。本当はその後に『一生さんと新さんのおふたりに比べれば全然ですけどね』と言いたかったんですが、『おふたりに比べれば』と言った瞬間にお客さんから拍手が起きてしまって、最後まで言えなかった。なので、本当はそんなふうに思ってませんという訂正とお詫びをさせていただきたい……!」と必死に頭を下げる。大笑いする高橋と井浦を見て安心し、スッキリした様子の戸次。本題への答えは「原作をリスペクトしているので、なるべく原作通りにというのを意識しました」と短いコメントで片づけた。
ここからは「岸辺露伴」シリーズ史上最大スケールと謳われる本作にかけ、撮影中にどんな“史上最大”があったか、どんなことを“史上最大”だと感じたかという話題に。高橋は「観てくださった方には伝わると思うんですが、この『懺悔室』が史上最大で“露伴”していたんじゃないかと思います」と述べ、その“露伴する”の意味について「自分の矜持を貫いていること」と解説する。飯豊は「この撮影で史上最大に胸が熱くなったのはラストのシーン。撮影期間自体も後半に入っていて、早朝に行ったんです。ヴェネツィアの街自体が眠っていて、これから目覚めていく時間帯。心地よく、ほんのり緊張感もあり、泉くんの格好をしてこの場に立つことは2度とないんだなと、幸福な瞬間を噛み締めながら演じていました。それに、『岸辺露伴』史上最長の長回しだったようにも感じます」と話した。
最後に、主演の高橋が締めの挨拶。「『懺悔室』の宣伝活動をする中で、いろんな方から『岸辺露伴』や『ジョジョ』がずっと好きだったと声をかけていただきます。僕が『そうなんですね』と返すと、『露伴が変人だから好きなんです』と言われることが多くて、そのたびに僕は烏滸がましいんですが、自分のことのようにうれしくなるんです。今の社会って、整っていてわかりやすく、短くて合理的なものを求める傾向があると思います。でもそうした話を聞くと、変人の露伴に魅力を感じてくださる方がいるのは『自分で作った枠の外を覗いてみたい』という、どこか憧れの気持ちがあるからなんじゃないかと。『ジョジョ』風に言うと、『おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる! あこがれるゥ!』ですね(笑)。そういう気持ちは、僕も少しわかる気がします。そもそも人間は合理的に設計された生き物ではなく、正しいか間違っているかを迷いながらも、正しさを追い求めて生きている。僕は、それを露伴から感じるんです」と述べる。さらに、「今日ここに来てくださった方々、そして中継をご覧の皆さんは、“整っていない”登場人物たちが織りなす物語を楽しみにしてくださっていたんじゃないかと思います。それが、僕にとって何よりの幸福です」と締めくくった。
映画「岸辺露伴は動かない」の原作は、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズに登場するマンガ家・岸辺露伴の、取材先で見聞きした奇妙な体験を描く連作読み切り。映画では、そのシリーズ1作目となる「懺悔室」にオリジナルエピソードを加えた物語が描かれる。
「岸辺露伴は動かない 懺悔室」
公開中
スタッフ
原作:
監督:
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫
製作:「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会
制作プロダクション: NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
キャスト
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上映後に行われた舞台挨拶が記事になってた😊 #岸辺露伴は動かない懺悔室
戸次さんのお詫びと訂正は思わず笑ってしまった😆 https://t.co/dc3mI5GQKn