「アイうた」吉浦康裕監督、「ムーンプリンセス」は「スピンオフとして作りたい」

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アニメ映画「アイの歌声を聴かせて」の公開記念舞台挨拶が、本日11月21日に東京・新宿ピカデリーで開催され、監督を務めた吉浦康裕と、劇中アニメ「ムーンプリンセス」に登場するプリンセス・ムーン役の咲妃みゆが登壇した。

アニメ映画「アイの歌声を聴かせて」公開記念舞台挨拶より。左から咲妃みゆ、吉浦康裕監督。

アニメ映画「アイの歌声を聴かせて」公開記念舞台挨拶より。左から咲妃みゆ、吉浦康裕監督。

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「アイの歌声を聴かせて」本ビジュアル

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公開中の「アイの歌声を聴かせて」は、AIのシオンがその正体を隠して景部高等学校に転入し、クラスで孤立しているサトミの前で歌い出したことから展開されていくハートフルストーリー。シオン役を土屋太鳳、サトミ役を福原遥、サトミの幼なじみであるトウマ役を工藤阿須加が演じているほか、興津和幸小松未可子日野聡大原さやか浜田賢二津田健次郎らが出演している。

「ムーンプリンセス」はサトミとシオンにとって重要な意味を持つ作品。吉浦監督は「子供の頃に観た素敵なアニメーション作品やミュージカル作品、“心の1本”と言えるような作品がどんな人にもあると思うんですけど、この劇中アニメはそういう作品の象徴として作りました」と思いを明かす。さらに「『竹取物語』をベースにしたファンタジーのミュージカル映画という設定で、映像も作り込みました。またサトミとシオンのルーツになっているミュージカル作品ですし、『本当にこういう作品があったんだ』と思ってもらうためにも歌声に説得力が必要だったので、プリンセス・ムーン役は本物の歌が歌える人にお願いできないかなと強く思っていました。この作品が映像スタッフや咲妃さんの歌唱のおかげで本当にあるような作品に仕上がったことは、『アイの歌声を聴かせて』全体にとってもすごく大事なことでした」と「ムーンプリンセス」の重要性を強調した。

咲妃みゆ

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咲妃はオファーをもらったときの気持ちについて「アニメ作品に携われる機会があったらいいなとは思っていたんですけど、本当にそうなる日が来ようとは夢にも思っていなかったので、歌を必死に練習して収録に挑みました。音階の移動が大きい楽曲だったので、難しかったです」とコメント。そしてここで咲妃が歌う「フィール ザ ムーンライト ~愛の歌声を聴かせて~」のミュージックビデオが、劇場のスクリーンで上映される。この上映は吉浦監督が発案したそうで、ミュージックビデオを観終わった後も「ぜひ個人的に聴きたかったんです。なぜサトミがあそこまで『ムーンプリンセス』に思いを寄せていたのか納得できる説得力がありました」と感動の様子だった。

また「フィール ザ ムーンライト ~愛の歌声を聴かせて~」の収録時は吉浦監督も立ち会っていたそうで、「完全に客でしたね。もう何も言うことなどないなという感じで、ひたすら『すごい……』と思いながら聴いていました」と振り返る。褒められた咲妃は「いやいやいやいや!」と照れつつ、「ブースの外からスタッフの皆さんに見守られていたらプレッシャーを感じてしまって、『一度カーテンを閉めさせてください』とお願いして(笑)。結局閉めっぱなしで収録していました(笑)」と裏話を披露。吉浦監督も「完成した楽曲は制作中の助けになっていました。聴きながら作業したり、作業が終わった後の締めに聴いたりして。本当に素敵な曲で、自分の想像を飛び越えたものにしていただけたので……僕はもう、この曲に関してはただのファンでしたね」と明かした。

吉浦康裕監督

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収録前にプリンセス・ムーンのキャラクターを把握していたかという司会の質問には、咲妃が「『ムーンプリンセス』の映像は拝見させていただいて、イメージを膨らませたうえで収録に臨みました」と回答。「きっと争いごとを好まない女性であり、この世界にいられる時間に限りがあるとわかっているから、その覚悟を持って一瞬一瞬を大切に生きているキャラクターでもあるのかなと。強さと儚さを併せ持ったのがムーンさんなのかなと思いましたが、いかがでしょうか?」と咲妃が尋ねると、吉浦監督は「まさに儚さと強さを持った方です。僕は何も伝えていなかったんですけど、バッチリですね」と笑顔を見せた。続けて司会からも吉浦監督に向けて、「この『ムーンプリンセス』については今後、何かしらの展開があるのでしょうか」という質問が。吉浦監督が「うまくいけば、『アイの歌声を聴かせて』のスピンオフ作品として作りたいですね」と答えると、客席からは大きな拍手が湧き起こった。

イベントの終盤には2人からメッセージが送られる。咲妃は「『アイの歌声を聴かせて』でこれからもたくさんの方々にたくさんの優しい心をお届けできたらと思っています」、吉浦は「この作品、2回目はまた違った感情で観られると巷ではもっぱらの噂になっております(笑)。本日が初見で気に入ったという方は、ぜひ2回、3回と観ていただけるとうれしいです」とそれぞれ挨拶し、イベントは閉幕した。

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アニメ映画「アイの歌声を聴かせて」

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スタッフ

原作・脚本・監督:吉浦康裕
共同脚本:大河内一楼
キャラクター原案:紀伊カンナ
総作画監督・キャラクターデザイン:島村秀一
メカデザイン:明貴美加
プロップデザイン:吉垣誠、伊東葉子
色彩設定:店橋真弓
美術監督:金子雄司(青写真)
撮影監督:大河内喜夫
音響監督:岩浪美和
音楽:高橋諒
作詞:松井洋平
アニメーション制作:J.C.STAFF
配給:松竹
歌:土屋太鳳

キャスト

土屋太鳳、福原遥工藤阿須加興津和幸小松未可子日野聡大原さやか浜田賢二津田健次郎咲妃みゆ、カズレーザー(メイプル超合金)

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(c)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会

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椿原 敦一郎 @teamokuyama

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