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「キン肉マン」40周年、ゆでたまご嶋田は「もう一度アニメ化まではやめられない」

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本日発売された「キン肉マン」関連作品の表紙パネルを持つ、ゆでたまごの中井義則(左)と嶋田隆司(右)。

本日発売された「キン肉マン」関連作品の表紙パネルを持つ、ゆでたまごの中井義則(左)と嶋田隆司(右)。

ゆでたまご「キン肉マン」の69巻と、同作をテーマにしたムック「キン肉マンジャンプ vol.3 キン肉マン超人総選挙2019 TOP10超人を振り返る」「キン肉マン 290 クイズブック」の3冊が、本日11月29日に発売された。

これらの発売を記念した会見が本日、東京・帝国ホテル東京にて実施され、ゆでたまごの原作担当である嶋田隆司、作画担当の中井義則が登壇。両名から3冊についての内容解説が行われた。なお本日は29日の金曜日であるため、日本記念日協会の制定する「キン肉マン」の日。さらに語呂合わせでも「いい肉の日」となることから、「キン肉マン」40周年の集大成として、3冊の発売日に選ばれたという。

「キン肉マン」69巻では、表紙に登場しているキン肉マンソルジャーが活躍。人気投票企画「キン肉マン超人総選挙2019」で1位になった人気キャラであるソルジャーがどのような超人か問われると、嶋田は「次男のキン肉マンを陰ながら見ていて、困ったときは助けてくれる理想のお兄さんかな。あとこの(コスチュームの)カモフラ柄が読者に受けたんだと思う。(カモフラージュ柄で有名なファッションブランドの)A BATHING APEのNIGOさんもソルジャーが大好きだっておっしゃってましたし。カモフラブームの火付け役はソルジャーじゃないかなって(笑)」と持論を展開した。中井はソルジャーについて「作画の立場で言わせていただくと、弟以上の貫禄や、目の奥にある慈愛のこもった優しさをいかに出すかが難しい。あとこのカモフラは(描くのに)時間がかかりますね。時代によってソルジャーのカモフラがどう変化しているかも見てもらえれば面白いかと思います」とコメントした。

5月にはこのソルジャーとキン肉マンが、週刊プレイボーイ22号の表紙を飾ったことも話題となった。これを振り返った嶋田は「兄弟愛が感じられる表紙ですね。それに週プレの50年の歴史の中で、マンガのキャラが表紙になるのが初めてでしたし、今年の週プレで一番売れたとも聞きました」と笑顔を見せる。中井は表紙イラストについて「週刊プレイボーイの表紙なので、(女性タレントの水着グラビアと同じく、ほぼ)裸だというのがテーマです(笑)」とコメントし、集まったマスコミを笑わせた。

3号目となる「キン肉マンジャンプ」には「キン肉マン超人総選挙2019」でベスト10になった超人の登場エピソードのほか、単行本1巻に収録されたテリーマンの初登場回のリメイク版が収められている。このリメイクについて最初は中井から「キン肉マンとウォーズマンが戦う回をリメイクしたい」という話もあったが、嶋田との協議の結果「キン肉マンに初めて友達ができた回にしよう」という結論になったとのことだ。

「キン肉マンジャンプvol.3」にはさらに嶋田と甲本ヒロトザ・クロマニヨンズ)の対談を収録。普段から交流があるという甲本について嶋田は「彼は3つ歳下なんですけど、僕は悩みがあったら彼に打ち明けるんですよ。そしたらパッと腑に落ちるように答えてくれるので、向こうのほうがお兄さんだなって」とその印象を明かした。一方の中井は「キン肉マンジャンプvol.3」で、お笑いコンビ・ナイツと鼎談している。普段から食事に行く仲だというナイツについて、中井は「『キン肉マン』を隅々まで読んでくれるのを感じます。面白いところをしっかりと見てくれてるし、『そういう視点もあるのか』と教えられる部分もある」と語った。なおナイツによる「キン肉マン漫才」の新作が、本日よりYouTubeにて公開中だ。

続いて司会が「キン肉マン 290 クイズブック」を紹介するため、実際に載っているクイズをゆでたまごの2人に出題。「第20回超人オリンピックで選手宣誓をしたのは誰?」という問題には、嶋田がなぜか「スフィンクスマン?」とマイナー超人の名前を解答。中井が「やるわけないと思う(笑)」とつっこんだうえで「これはロビンマスクじゃないですか」と見事に正解した。

続いて「キン肉マン」の初代担当編集で、作中に登場するアデランスの中野さんのモデルとしても知られる中野和雄氏が登壇し、ゆでたまごとトークショーを行なった。「キン肉マンジャンプvol.3」にはゆでたまごが16歳のときに週刊少年ジャンプ(集英社)の赤塚賞に応募した作品「ゴングですよ!」が収録されているが、落選になった作品の中からこの「ゴングですよ!」に光るものを見出し、ゆでたまごに連絡を取ったのが中野氏だという。

デビュー前から担当していたゆでたまごの「キン肉マン」が40年続いたことに対して、中野氏は「よく続いたなって驚きました。1回連載が終わったけど、週刊プレイボーイで連載を再開して、新しい気持ちで作品に取り組んだっていうのが大きいんでしょうね」とコメント。中野氏の印象については、嶋田は「18歳の高校生を(大阪から)東京に連れてきた責任感もあるのか、ちょっと作品がダメなときでも『仕事あるの?』とか『メシ食えてるの?』とか声をかけてくれて、それが励みになった。中野さんなしでは今の自分は考えられない」と感謝を述べる。中井も「下宿先のアパートの紹介もやってくれましたし、口癖のように『メシ食ってる?』と声をかけてくれるから親のような存在」と、嶋田と同じ気持ちであることを明かした。

ここで2人の感謝の気持ちを込めて、中野氏のイラストをプレゼントすることに。中井は本人が見守る中でライブドローイングで中野氏を描き、さらにキン肉マンのイラストも加えて手渡した。

質疑応答コーナーでは、記者から「ゆでたまごの2人が小学生の頃に出会ってから50年以上。その中で一番うれしかったこと、つらかったことは」と質問が飛ぶ。これに中井は「しばらく仕事がない時期はしんどかった。一番うれしかったことは、一度集英社を離れたあとに再び週刊プレイボーイで描くことができて、その一番最初の原稿は私が自ら『集英社に届けさせてください』と言って持っていったんです。そして何年ぶりかに集英社の門をくぐったときには胸が熱くなったのを記憶しています」とエピソードを披露。嶋田は「仕事が途絶えたときも苦しかったですけど、『キン肉マン』と『闘将!!拉麺男』を同時連載していたときが一番つらかったです。3日徹夜なんて当たり前でしたから。うれしいことは毎日のようにどんどん変わっていって、『今が一番うれしいんじゃないか』っていう場面がいっぱいあるんです。今はこうやって40周年のお祝いを迎えられたことがうれしいです」と笑顔で語った。

最後に今後の展望について聞かれた2人。これに中井は「歳を取って『ゆでたまごも絵が枯れたな』と思われたくないので、これからも迫力ある絵を描きたい」と意気込んだ。続けて嶋田が「まさか40年もマンガ家を続けられるとは思ってなかったし、『キン肉マン』を40年描くとは思ってなかった。読者は『キン肉マン』を描かないと許さないと思うので、読者が望む限り描いていきたい。それから夢としては、もう一度アニメ化、映画化というのはありますね。それができるまではやめられない」と熱く語り、会見は幕を閉じた。

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