「課長バカ一代」は、家電メーカー・松芝電機の社員で、課長補佐代理心得という謎の肩書きを持つ主人公・八神和彦とその部下たちを描くコメディ。この日の会見には八神和彦役の
松也は八神という役柄について「この中で誰よりも的外れな思考を持っている男ですが、的外れな中にもどこか一本気なところがありまして。なぜか人を惹きつけてしまうんですね」と解説。また野中から「本当にやってしまっていいんですか? あとで後悔しませんか?」というコメントがあったことについて問われると「マンガは劇画タッチでみんなまったくほぼ表情が変わらないのに、言っていることがメチャクチャなのが面白い。正直『これを30分のドラマにするってどうするの?』って思いましたけど、そこに目をつけちゃったところが非常に好きでして。一緒にやらせていただいたチームも気心の知れた方たちだったので、即決でやりたいと」と答えた。
またバカな役をやることについて躊躇はなかったかという質問には「なるほど良い質問ですね(笑)。これだけのバカっぷりを出すことにはなんの躊躇もございませんでしたね。基本的に私は普段バカ寄りなもんですから。どちらかというと、こういった役のほうが性分になってると自負してまして。1人での挑戦となるともう少し不安もあったかもしれませんけど、気心の知れた仲間と一緒に作れるということころもありました」と述べる。
また八神の部下・前田役を演じた木村は「松也くん扮する八神がものすごく面白いんですよ。撮影中笑わない日はなかったですね」と振り返る。さらに松也が現場の空気も作っていたと話し「誰かが失敗すると、必ず松也くんが『うえーい』って(笑)。それにつられてスタッフさんも『うえーい」となるので、失敗が帳消しにされるような幸せな現場でした」と回想する。また同じく部下・林田役を演じた板橋は、劇中でとんでもない格好をしたと言い「いろいろなことをやらせていただいた(笑)。みんなどんどんおバカになっていくんですが、それに輪をかけて松也さんの芝居は足し算がすごくて。『芝居は引き算だよ』って教わってきたんですけど、こういうパターンもあるのかなってすごい勉強になりました(笑)」と笑いを誘った。
八神の上司・井上役の武野は「とにかく八神は、命がいくつあっても足り合いくらいの猪突猛進なとんでもないバカさ加減(笑)。実際に私が八神の上司だったら、寝込んで会社を辞めていると思いますね(笑)」とコメント。そして唯一真面目な女子社員・小泉役を演じる永尾は「皆さんが面白すぎて笑いを堪えるのが本当に大変でした(笑)」と振り返り、特に対面で演じる機会が多かった松也とのシーンでは、「松也さんがいつもふざけているので、真面目な顔しててもふざけてるのかなって思っちゃって……人の顔を見てNG出すのは初めてでした。最終的にはレフ板で松也さんの顔を隠すっていう…(笑)」と語ると、松也も「ああ、あったね(笑)」と相づちを打った。
そんな中、「歌舞伎界のスターでいらっしゃる松也さんに声をかけていただいて。この作品に登場させていただきましたことを大変うれしく思っております」と話す松芝電機社長・松平役の左團次は、コメディドラマに出た感想を聞かれると「この作品は面白くございません」と断言。ほかの登壇者が爆笑する中、「ですが、それは私の出ておりますシーンだけでございます。私のところは目をつぶって観ていただいて、ほかのシーンをゆっくり楽しんでいただきたいと思います」と続け、松也から「それ質問の答えになってない(笑)」とつっこまれていた。
八神の元にやってくる天使役を演じた若槻はデビューの頃から原作のファンだと明かす。「原作の天使は太ったおじさんなので、最初に天使役の話が来たと聞いて『役作りではそこまで太れません』って話をしたんですけど、そのままでいいのでって言ってくださって。撮影に参加できて光栄に思ってます」とうれしそうに語る。さらに松也との撮影シーンについて「皆さんおっしゃるように顔芸がすごいんですね。それに淡々と対応しなきゃいけない役だったので、笑いを堪えるのに必死でした(笑)。私は原作を読んでいるので、八神さんの表情やバカさ加減はマンガで免疫があると思ってたんですけど、松也さんが原作を超える表情だったりバカさ加減をアドリブで出してくださるので(笑)」と述懐。「原作ファンとしてもかなり最高だと思います」と太鼓判を押した。
その後の質疑応答で、顔芸について問われた松也は「皆さん顔芸顔芸と言っていただいてますが、僕としては不本意でして。原作は常に無表情なところが面白いなと思うので、現場に入るときもすべて無表情でやろうと思ってたんです。ですが、やはり私の技術では無表情であれを表現することができず……顔芸に逃げたという(笑)」と少々悔しそうに話す。さらに八神の人柄について質問が及ぶと「八神の人柄……。理解しようとしても理解できませんけど、撮影にあたって大事だなと思ったのは、八神は突拍子もない的外れをするんですけど、本人は自分が面白いともなんとも思ってないところだと思っていました。ただどうしてそういうベクトルになるのか、こういう言動になるのかは正直理解していませんので、もし機会があれば、ぜひとも野中さんに(八神を)幼少期から描いていただいて、一体なぜ彼がこう育ったのか教えていただきたいです(笑)」と述べた。
最後、松也は「登場人物のほとんどが結局はバカだったというドラマですが、その中にもなぜかちょっと感動があったりするところもございます。これだけバカをしている八神が、あるときは八神だけがまともなことを言ってるという回もあり、いろんなバラエティに富んだことをしております。難しいことを考えずに観られる内容になってますので、毎週観てもらってバカ笑いしてもらえたら、我々もバカをした甲斐があるかなと思います」と語り、会見を締めくくった。ドラマ「課長バカ一代」は2020年1月12日よりBS12 トゥエルビで放送。それに先がけ、1月4日からひかりTV、dTVチャンネルで配信される。
ドラマ「課長バカ一代」
放送情報:2020年1月12日(日)より、BS12 トゥエルビにて全11話(10話+スピンオフ1話)放送
配信情報:2020年1月4日(土)より、ひかりTVにて全12話(10話+スピンオフ2話)配信
原作:
監督:守屋健太郎、村上大樹、こんどうけいすけ
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