本展は1995年に「この夢が覚めたら」で白泉社第9回ララまんがグランプリ・ゴールドデビュー賞を受賞し、同作品でLaLa DX(白泉社)にてデビューを飾った樋野の、画業25周年を記念した原画展。約400点の大ボリュームで原画、付録やラフなどを含む資料が展示されており、西武池袋本店で行われた原画展の中では最大規模の展示数を誇るとのこと。
原画展のオープン前には樋野も会場を訪れ、取材に対応。樋野は見どころを「お気に入りのイラストたちです。各作品にあるんですが、例えば『めるぷり メルヘン☆プリンス』だと最終話の扉イラスト。それから、愛用品の展示コーナーには使い終わったペン先が瓶に入れてあります。これはごく一部で、家にはもっとあるんです。念がこもってそうで面白いので持ってきました(笑)」と語った。原画について「これまで描いた大きいサイズの原画はほとんど全部、それに単行本などに収録されていない予告カットや付録用のイラストも展示してあります」と説明し、来場者に向けて「来てくださってすごくありがたいです。見てもらえたらうれしいです」と感謝を述べた。
会場に入ると、まず目に入るのは1995年から1999年までに執筆した読み切りの原画たち。デビュー前の投稿作であり、白泉社第40回ララまんが家スカウトコースのダイヤモンド・ルーキー賞を受賞した「キスの本当の意味を教えて」を皮切りに、初期のカラーやモノクロ原稿を堪能できる。続いて、1999年にスタートした初の長期連載作「とらわれの身の上」、2002年に始まった女子高生・愛理と魔法の国の王子アラムのラブロマンス「めるぷり メルヘン☆プリンス」、LaLa DXにて連載された元歌姫アルメリアと海賊スカルズの冒険「WANTED」と、年代順に数多くの原画が並んだ。
本展のメインとなるのは、2005年から2013年までLaLa(白泉社)にて連載され、TVアニメ化、ニンテンドーDS向けの乙女ゲーム化などメディアミックス展開もなされた「ヴァンパイア騎士」。番外編シリーズの「ヴァンパイア騎士 memories」は、現在もLaLa DXにて連載中だ。LaLaの表紙や連載の扉ページを彩った原画はもちろん、付録用カット、単行本のカバーイラスト、ネームや下絵も披露されている。さらに「ヴァンパイア騎士」の零と枢と一緒に写真を撮れるフォトスポットも設置されているので、記念撮影してみては。
このほか2000年以降に描かれた読み切りや、2014年から2015年まで連載された「手裏剣とプリーツ」の原画など、樋野の25年におよぶ画業をつぶさに鑑賞できる。この原画展のために描き下されたイラストは、手順や画材の紹介に加え、インクがイラストに落ちてしまったハプニングとそこからの復活劇までも記したメイキングとともに飾られた。またグッズコーナーも充実。オリジナル原画の色と質感を可能な限り再現した版画、ポストカード、クリアファイル、複製原稿セット、トートバッグ、公式ビジュアルブックなどが販売されている。
「~デビュー25周年記念~樋野まつり原画展」
会期:2019年11月9日(土)~11月17日(日)
会場:東京都 西武池袋本店別館2階 西武ギャラリー
時間:10:00~21:00(※11月10日は20:00閉場、最終日は当会場のみ18:00閉場、入場は各日閉場時間の30分前まで)
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