1月30日・31日に開催されたオンラインイベント「マツリー」にて先行公開したコラム企画「マンガ誌編集長が選ぶ、2020年のイチオシ作品」をお届け。総勢63人のマンガ誌編集長に、“ポップカルチャーのお祭り”をテーマにした「マツリー」にちなみ“心がお祭り騒ぎになった2020年のイチオシ作品”を紹介してもらった。なお掲載順は出版社の五十音順となっている。
目次
信田敬介(月刊少年チャンピオン編集長)の2020年イチオシマンガ
「WORST外伝 ゼットン先生」山本真太朗(漫画)、高橋ヒロシ(原案)、鈴木大(原作)
信田編集長コメント:「WORST」を長年担当していて、ゼットンの先生ネタは難しいから手を出しちゃいけないんだろうなと勝手に思っていました。その難題が鈴木大、山本真太朗両先生の手によって令和の世に実現した本作。あのゼットンが先生になる!体罰が厳禁な今の時代にどうゼットンは立ち回る!? 考えただけでもワクワクが止まりません!!!
小山芳弘(月刊チャンピオンRED編集長)の2020年イチオシマンガ
「24区の花子さん」吉富昭仁
小山編集長コメント:外出もままならない昨今、「ここではないどこか」へ行ってみたいという思いを抱えて悶々としている方も多いと思います。そんな鬱屈を晴らしてくれるのが「24区の花子さん」です! 東京に出現した謎の空間「24区」。そこではあらゆる常識も物理法則も通用しない。そこに侵入した少年・幸介は、謎めいた美少女・花子さんに出会う…! 世界の謎を巡る冒険に、花子さんと一緒に旅立とう!
牧野眞介(月刊プリンセス編集長)の2020年イチオシマンガ
「君の歌声にキスを」薫原好江
牧野編集長コメント:演奏シーンのゾクゾクするようなカッコ良さは必見!!バンド漫画であり恋愛漫画でもある本作は主人公・華音がコンプレックスだった自分の「声」を「好き」と言って受け入れてくれるギタリスト・一星と出会ったことで運命が動き出します。不安や恐怖と戦いながらボーカリストとして一歩ずつ音楽に向き合う華音の姿はこの作品の大きな魅力。また、不器用な二人のもどかしくも純粋な恋愛模様もキュンとすること必至で、男女問わず共感ポイント満載の作品です。
齋藤功衛(月刊ミステリーボニータ編集長)の2020年イチオシマンガ
「きみを死なせないための物語(ストーリア)」吟鳥子
齋藤編集長コメント:天寿を全うすることを疑わなかった世から大きく変化し、心が重くなるニュースが続く昨今。「自分の命にも、役割がある」こんなにも心が奮い立つ言葉が他にあるでしょうか。地球に住むことが難しくなった未来を描くこのSFストーリーは、閉塞した社会の中でとてつもなく大きな障壁に挑む主人公たちの行動を通じ、人が人として生きるための指針を得られる稀有な物語です。本編は完結し、現在は物語の前日譚ともなる番外編が連載中です。ぜひご一読ください。
武川新吾(週刊少年チャンピオン編集長)の2020年イチオシマンガ
「吸血鬼すぐ死ぬ」盆ノ木至
武川編集長コメント:皆が密かにもっているインナーなマインドに笑いの火をつける漫画界オンリーワンのギャグ漫画だと思います。昨年、作者の盆ノ木先生発案で実施されたキャラクター人気投票は、一口当たりの投票桁数が自由という大変おかしなルールゆえ、無量大数や那由多などの天文学的な数字が飛び交うバカバカしい集計結果となり、盆ノ木先生が集計結果を題材に描いた漫画本編(超有名キャラ!?のお忍び参戦も。。。)も、珍テンションで週チャン誌面がお祭り騒ぎとなりました。2021年TVアニメ化も控えるイチオシ作品です。
松山英生(別冊少年チャンピオン編集長)の2020年イチオシマンガ
「クワトロバッテリー」高嶋栄充
松山編集長コメント:“若者には無限の可能性がある”なんて嘘臭すぎて信じられなかった自分の青春時代を恥じるほど、この漫画の主人公たちは可能性を求め、決断し、行動します。2人の投手と2人の捕手がシャッフル!! 4種のバッテリーに甲子園優勝の夢を懸ける!! 白球を追いかけお互いを高め合う熱血ドラマに、球児たちの“片思い”が交錯する新機軸野球譚!! 高校野球を愛する全ての人にお届けしたい作品です。あと15話の補欠部員の物語は切なすぎて校了中、泣けてきました。
梅澤丈文(ヤングチャンピオン / 別冊ヤングチャンピオン / ヤングチャンピオン烈編集長)の2020年イチオシマンガ
「松かげに憩う」雨瀬シオリ
梅澤編集長コメント:雨瀬シオリが辿り着いた吉田松陰。この作品は、人を描いている。現代社会は、どこからが善でどこからが悪か、有用か無用かを数値化し、白と黒の境界線はどこなのか彼此の置き所を模索し続けている。だが社会を構成する個人の内実はそうではない。白くも黒くもあり、表でも裏でもあり、理性的でありたいのに感情的で、懇篤の情に溢れながらもひどく残酷だ。社会が大きく動くとき、人は社会と、どうしようもない己の生来的な人間性の間で揺れ動き、悩む。社会性と人間性の混然たる袋小路に陥ってしまえば、そこから抜け出す手段は、より根源的な魂の熱狂でしかないのだ。吉田松陰はひどく熱狂している。厳しくも優しく、あまりにも儚く熱狂している。そしてそれは、とても美しいのだ。
鈴木祐理子(月刊ASUKA編集長代理)の2020年イチオシマンガ
「Mr.マロウブルー」サマミヤアカザ
鈴木編集長代理コメント:「もしも自分以外の人間になれたら世界はもっと美しく見えるだろうか?」誰もが少なからず感じたことがあるであろうこの感覚。サマミヤアカザ氏の「Mr.マロウブルー」は27歳引き籠りの青年・蒼井が突如、見ず知らずの16歳女子高生と入れ替わってしまう物語。彼女は誰で、ここはどこで…? 強制的に外の世界に放り出された蒼井が、唯一秘密を共有する男子高生すばると共に元に戻る方法を探しながら、それぞれが背負った「秘密」と「過去」をなぞります。共感度100%のセンシティブ・トラアングルラブストーリーは透明感に満ちています。
松井健太(月刊コミックアライブ編集長)の2020年イチオシマンガ
「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」二丸修一(原作)、井冬良(漫画)
松井編集長コメント:シロの「私、えちぃ人って、嫌いなの」その目で蔑まれたい!という私の感想はさておき、主人公・初恋の相手・幼なじみをめぐる、恋と復讐の物語です。電撃文庫より刊行中の現在もっとも勢いのあるラブコメノベルのコミカライズ作品で、今年の4月にTVアニメ放送も決定しています。小説のテンションままに、お話も絵も密度が高いマンガですので、恋をしたい方、青春したい方、もちろん可愛い女の子を愛でたい方も、ぜひご一読ください。
大山曉子(月刊コミックキューン編集長)の2020年イチオシマンガ
「拝啓…殺し屋さんと結婚しました」高坂曇天
大山編集長コメント:冷静で無表情、殺し屋業界のなかでもトップクラスの凄腕美人殺し屋さんと結婚したら、刃物を使わせたら超一流(料理)、わずかなホコリも見逃さない(掃除)、家事もパーフェクトな奥さんだった。しかしそんな彼女がどうしても殺しきれないもの……それは旦那さんへの「好き」という感情。クールな殺し屋さんが旦那さんだけに見せるストレートな愛情表現は必殺必中の破壊力。殺し屋さんとの甘々な新婚生活にとことん殺られてください!
矢田(月刊コミックジーン編集長代理)の2020年イチオシマンガ
「虚の記憶」Eve(原作・プロデュース)、ネヲ(漫画)
矢田編集長代理コメント:心が人外化する現象にまつわる青春譚。音楽アーティスト、Eveによる原作・プロデュース作品であり、大人気イラストレーターのネヲが漫画を担当し話題を呼んだ。「いま」の少年少女の心の問題にスポットをあてつつ、バトルやミステリーで魅せている。Eveが楽曲で描いてきた世界観とのリンクも多く仕掛けられており、楽曲と漫画を行き来する度に新たな発見がある。動画・SNS文化全盛のいま、「新世代の漫画」の形を示す一作。
加藤浩嗣(月刊少年エース編集長)の2020年イチオシマンガ
「ゲーセンの彼女」オクショウ(原作)、MGMEE(漫画)
加藤編集長コメント:バイト先のゲーセンに、ゲームが大好きだけど腕前がイマイチな美少女が現れた!? プライズを獲るコツを教えてあげたり、ゲーセンのあらゆるゲームを手取り足取り教えてあげる…そんなゲーマーの楽園がこの漫画には存在するっ! 胸で撃ち込め必殺コンボ! 尻を支えろダンスゲーム! ゲーセンならではのラッキースケベ満載! 今一番ハイテンションでセクシーなゲーセンラブコメ! いい汗かこうぜ。
峯健司(月刊コミック電撃大王編集長)の2020年イチオシマンガ
「野人転生」野人(原作)、小林嵩人(作画)
峯編集長コメント:定番となったチート能力をもらって無双する異世界転生ものが「俯瞰のゲームでキャラクターを扱っている感じ」だとすると、こちらは「目の前で起こっているVR感覚」というべき身近な距離感の、「異世界転生もの」です。チートもなく、素っ裸で異世界に転生した主人公ですが、幸い、本人の身体的な能力が高く、ギリギリで殴り勝っていきます。そうです。剣を持ち、鎧で身を固めた相手を、関節技と素手で倒す、これはそんな「痛快な」まんがです! 是非、一読してみてください。クセになります。
武本健太郎(月刊コミックフラッパー編集長)の2020年イチオシマンガ
「対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~」江島絵理
武本編集長コメント:江島絵理先生の最新作です。お嬢様学校に入学した庶民の綾が、憧れていたお嬢様の「白百合さま」が格闘ゲームをしているのを目撃するところから物語は始まります。題材としての格ゲーマーのおもしろさ、江島先生特有の百合展開の楽しさはもちろんありますが、格ゲー好き百合好きではなくても、キャラクターの強烈な個性、演出のキレ等々、学園コメディ漫画として最高に楽しめる作品です。
原田崇史(月刊ドラゴンエイジ編集長)の2020年イチオシマンガ
「ゲーセン少女と異文化交流」安原宏和
原田編集長コメント:「かわいい」の令和最前線はココ! ゲーセンでバイトする草壁蓮司が英国少女のリリーと出会い、なぜだか交換日記をするなかで育まれる、カタコトの恋愛未満?ラブコメ。ぎこちない会話を通してヒロインのピュアさが浮き立つというのは、単純ながら発明だなあ……と。とにかく何も考えずにリリーちゃんに癒されたいという向きにオススメ! あの独特のゲーセン文化が好きな方にもツボなポイントが満載です。
飯島直樹(電撃マオウ編集長)の2020年イチオシマンガ
「ざつ旅-That's Journey-」石坂ケンタ
飯島編集長コメント:「旅に出たい」と、ふとしたきっかけで思うことはありませんか? 漫画家志望の大学生・鈴ヶ森ちかがそう思い立ち、軽い気持ちでSNSを使って旅先候補のアンケートを取ったことから物語は始まります。ちかのノープランで行き当たりばったりな旅は、まるで自分もその土地を旅しているかのように、等身大の目線で旅の楽しさを伝えてくれます。こんな時だし、こんな旅も良い、こんな旅だからこそ良いと思わせてくれる一作です。
加藤浩嗣(ヤングエース編集長)の2020年イチオシマンガ
「地獄くらやみ花もなき」路生よる(原作)、藤堂流風(漫画)
加藤編集長コメント:罪人を地獄へ届ける「地獄代行業」をしている腹黒美少年探偵・皓と、罪人が妖怪に見えてしまうヘタレニート・青児のバディが奇妙でほの暗い怪事件に挑む! 皓の事件を見通す妖艶な表情と、青児に辛辣な言葉を掛けつつ嬉しそうな表情のギャップに身もだえ必至です。いつまでも、眺めていたい、この二人…。事件を通して少しずつ成長していく青児にも注目! ミステリ、妖怪、サスペンスが贅沢に味わえます!
渡邊慎之介(ゼノン編集部統括編集長)の2020年イチオシマンガ
「終末のワルキューレ」アジチカ(作画)、梅村真也(原作)、フクイタクミ(構成)
渡邊編集長コメント:小5気絶!中2悶絶!とキャッチにある通り、大人になった自分の中の少年心が熱くお祭り騒ぎになる激アツバトル漫画です。神vs人類13番勝負! 神と人類がタイマンで殴り合う!というシンプルな設定でありながら、闘士のキャラクターがとにかく魅力的。漫画でありながら、まるでスポーツ観戦をしているが如くの臨場感で、思わず「応援しながら読んでしまう」ライブ感200%の作品です!
土屋俊広(イブニング編集長)の2020年イチオシマンガ
「賊軍 土方歳三」赤名修
土屋編集長コメント:私自身も幼い頃より新選組ファンなのですが、そのファンの夢が詰まった作品です。こうだったらいいな……という願望を具現化して、けっして夢物語ではなく徹底的に時代考証の上にたって物語が紡がれる。しかも、超絶作画の赤名修先生です。新選組漫画史上、屈指の沖田総司が拝めます。とにかく殺陣シーンが凄い。お勧めは新しい視点で描かれる池田屋。もちろん土方歳三もむちゃくちゃカッコいい。兼定や菊一文字など日本刀も登場するので刀剣ファンにもお勧めです!
鎌倉ひなみ(Kiss編集長)の2020年イチオシマンガ
「無能の鷹」はんざき朝未
鎌倉編集長コメント:無能に見えるけれど有能という人は数多く描かれてきました。しかし、逆のキャラクターを主人公で描くのは難しい。それゆえ優しい世界観で、ただ無能な人である鷹野の活躍を描いたこの作品はとても新鮮です。まさに新感覚のお仕事漫画! 不思議と元気が湧いてくる漫画でもあります。女性漫画誌「Kiss」から生まれた、この作品の世界観は超ジェンダー社会。はんざき朝未さんの並外れた才能を感じられる世界観を是非お楽しみください。
金井暁(月刊アフタヌーン / good!アフタヌーン編集長)の2020年イチオシマンガ
「メダリスト」つるまいかだ
金井編集長コメント:イチオシはつるまいかださんの描くフィギュアスケート漫画「メダリスト」。小学5年生の、何をやっても大体ダメダメな女の子・いのりと、スケートの夢を断念しようとしている司、ふたりが選手とコーチになって、遥かオリンピックの表彰台を目指す絶対感動できる氷上の物語です。この作品がもし特大ヒットしなかったら、僕もう漫画編集者なんか続けたくないです。それぐらい、激オシ。
高見洋平(月刊少年マガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
「さよなら私のクラマー」新川直司
高見編集長コメント:唯一無二の女子高校サッカー漫画。熱くて、切なくて、眩しくて…大迫力のサッカーシーンと、詩集のように繊細かつ美しい台詞。ヒロインたち一人一人の生き様が、心に刺さりまくります。弱小チームが、みんなで力を合わせて強くなる。戦う少女たちの物語ですが、まさに王道少年漫画です! 4月からはアニメが超異例のTV放送+映画という形でスタートします。原作コミックス最終巻となる14巻も4月1日発売です。
栗田宏俊(週刊少年マガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
「カッコウの許嫁」吉河美希
栗田編集長コメント:ご存知の通り漫画の売り上げも年々電子の比重が高くなっており、編集部によっては電子の方が売れているなんて作品も珍しくなくなってきています。それはそれでいいんですが、昭和生まれの僕としてはやっぱり紙のKCが売れるとやはり感慨深い! 『カッコウの許嫁』は2020年5月に第1巻が発売となりましたが、発売前から重版に次ぐ重版で、まさに去年一番“心がお祭り騒ぎになったマンガ”でした。電子には重版ありませんからね! 紙が売れた時だけ味わえる快感なんです。
山口崇(少年シリウス編集長)の2020年イチオシマンガ
「ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話」横田卓馬
山口編集長コメント:第5巻(12月発売)に収録の「夏休み編最終話」で、いやまあそうなんだけど、いざそうなってみるとやっぱこれは感動するわー……みたいな超いい展開が! 「シリウス」掲載時は折よく夏の終わりの8月26日発売号、しかも急遽決まった表紙&巻頭カラーだったにもかかわらず、ドンズバでキメきってくれた横田さんに、私と読者(アンケート1位!)の心はお祭り騒ぎになったのでした。
吉田守芳(少年マガジンエッジ編集長)の2020年イチオシマンガ
「女装してオフ会に参加してみた。」くらの
吉田編集長コメント:気になる女子にお近付きになるため、女装してオフ会に参加したココア。だけどお目当てのあの子も女装男子で!? くらの先生が自分の趣味満載でTwitterに投稿した作品が大バズリ。「マガジンエッジ」の兄弟誌「シリウス」が運営する「ツイシリ」に全ページ描き直し連載し、更に人気が爆発! コミックスも発売後1週間で重版となりました。4人のキュートな女子(仮)の性別はどっちなの? 4人の関係は恋愛に進むの?色んなドキドキ満載です!
森田眞(デザート編集長)の2020年イチオシマンガ
「なのに、千輝くんが甘すぎる」亜南くじら
森田編集長コメント:告白して玉砕した真綾だけど、学校一のモテ男・千輝くんが「片思いごっこ」を提案してくれて! 少女漫画界ではすでに神ヒット! ですが、この漫画は全国民にお勧めしたいです。千輝くんはもちろん最高なのですが、僕は主人公の真綾がこの漫画の肝と感じております。とにかく人間に対して誠実。一生懸命に生きていて見ていて涙がでます。千輝くんが最高なのはそんな真綾のみんなが見逃しているすばらしさをだれよりも気づいているところだと思います。ぜったい読んでほしい作品です!
須田淑子(なかよし編集長)の2020年イチオシマンガ
「蝶か犯か~極道様 溢れて溢れて泣かせたい~」鳥海ペドロ
須田編集長コメント:その命に100億円の値がつけられ、全国の極道から狙われることになったお嬢様JKみうみ。彼女を護るのは、関東最大極道組織の若頭。みうみは彼を恐れるどころか、泣いたことがない若頭を相手に、「泣かせます!」と約束して……。みうみの天然ぶりに心奪われていく若頭の振り回されっぷりが新しくて、キュンの嵐……! 圧倒的画力、かつ臨場感のある展開の連続で、少女漫画ということを忘れてドキドキハラハラ!事件な漫画です!
米村昌幸(BE・LOVE編集長)の2020年イチオシマンガ
「ゆりあ先生の赤い糸」入江喜和
米村編集長コメント:主人公の伊沢ゆりあは、夫・吾良がくも膜下出血で倒れた後に美青年の愛人や2人の子どもを抱えた愛人が次々と現れ、波乱万丈な状況に翻弄されてしまいます。がしかし! ゆりあ先生は葛藤に悩みつつも自分の心に真っ直ぐに生きようと踏みとどまります! 50歳ヒロインの物語ですが、私のなかではピュアな少女まんがそのものです。いや歳を積み重ねて辛い経験もしてきたからこそ、ゆりあ先生には少女以上に幸せになってほしい……そう思わせてくれる素晴らしい作品です。
乙黒和彦(別冊少年マガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
「おかえりアリス」押見修造
乙黒編集長コメント:「惡の華」で歪な青春を描き少年漫画の新たな金字塔を打ち立てた、押見修造先生の最新作です! 今回の題材は、男×女×男の三角関係です。一見すると普通にみえる関係ですが、まったくもって一筋縄でいきません。転校した男友達が女性の見た目になって帰ってきたのです。彼は男の子でも女の子でもない……? 想いを寄せている少女、怪しい魅力を帯びる友人の、2人の狭間で揺れ動く新たなる性春──。必見です!! イッちゃってます!!
森田眞(別冊フレンド編集長)の2020年イチオシマンガ
「山口くんはワルくない」斉木優
森田編集長コメント:コワモテ関西弁男子×真面目女子ラブストーリー! 電子を中心に勢いのある別フレ新エース候補作家の作品です。山口くんが破壊力抜群の「きゅん」を連発するのですが、僕は主人公の皐の魅力が高いからこそ山口くんの良さが引き出されていると感じています。山口くんという未知の生物に出会って初めての恋にのめりこんでいく皐。気弱な少女が恋を知ってどんどん勇気をもらっていく。その姿に山口くんの恋心もさらに高まって…というまさに相乗効果抜群カップル!! キャラも作家も伸び盛りの作品です!
山本憲一(ヤングマガジン編集長)の2020年イチオシマンガ
「夫のちんぽが入らない」こだま(原作)、ゴトウユキコ(漫画)
山本編集長コメント:「多様性」などという、もはやふやけきってしまったスローガンの傍らで、なお、「生き苦しさ=息苦しさ」と格闘し続けた夫婦の軌跡、そのマンガ版がひとまずの完結(いや、節目?)を迎えました。安易な「希望」を押しつけることなく、でも確かに未来も感じさせる、マンガ版オリジナルのエンディングも、原作者のこだまさんのみならず、多くの読者の共感を呼んでいます。全5巻、各巻の表紙の変遷も必見ですぞ!
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読んだことない漫画ばかりで読み応えがあったのでメモとして残しておく。
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