「スキップ」は直木賞作家の北村薫の小説を原作に、キャラメルボックスの
舞台は昭和42年のシーンからスタート。運動会が雨で中止になったある日、自宅でレコードを聴きながらうたた寝をしてしまった真理子は、目覚めると知らない家にいた。と、そこへ自分と同じくらいの歳の少女が近づき、真理子に「お母さん」と呼びかける。17歳の真理子の意識は、25年の時が流れた平成4年、42歳の真理子の中に“スキップ”していたのだ。
奇妙な事態に困惑しつつも、42歳の高校の国語教師としての自分を受け入れようとする真理子。その心の動きを、霧矢は細やかな演技で描き出す。対する深川も、真理子の複雑な内面に、舞台初主演ながら丁寧に向き合った。また、シーンによっては2人の真理子が並んで立つ演出もあり、“見た目は42歳、中身は17歳”という真理子自身のギャップを、2人1役でさまざまに表現する。
そんな真理子の変化に戸惑いつつも彼女を献身的に支える夫役を、
約2時間のゲネプロ終了後、キャストの霧矢、深川、岡田、脚本・演出の成井が取材に応じた。乃木坂46卒業後、初めて舞台に出演する深川は「ずっと舞台をやりたかったので、こんなに大きな役をやらせていただけることがうれしかったですし、不安も大きかったです」と述べ、「昭和42年の女子高生役ということで、当時流行っていたギャグや歌、レコードのかけ方を調べたりしました。舞台はお客様とその瞬間でしか共有できない時間を過ごせますし、勉強になります。台本はお風呂に入りながら覚えました」とエピソードを明かす。さらに「今後は時代劇をやってみたいです」と展望も語った。
霧矢は「見た目は42歳、中身は可憐な17歳の真理子を演じるということで、本読みで麻衣ちゃんの声を聞いた時にどうしようかなと思いました。2人で1人を分けて演じるのも難しかったです」と述べる。また共演の深川については「毎日、目に見えて成長していくのがわかるんです。麻衣ちゃんの頑張りを見ていると初心に返りますし、微笑みとか眼差しにキュンってしちゃうんですよ。だからファンの方の気持ちがわかりました」と笑いを誘った。
演出の成井は作品について「13年前に原作の小説を読んで大感動し、何が何でも芝居にしたくて無我夢中で形にしました。今回ついに最高のキャストを迎えて再演できます」と語る。主演2人の印象について成井は「霧矢さんは実力が確かなので、全く心配していなくて、ダメ出しは深川さんにばっかりしてました(笑)。深川さんは本格的な舞台が初めてに近いにもかかわらずサンシャイン劇場で地声で勝負しなきゃいけなかったので、かなり苦労しました。が、稽古始めと初日で一番変化したのは深川さんです。もう別人ですよね。よくぞ僕のダメ出しに耐えてくれました」と賞賛を送った。
13年前の初演に参加した唯一の出演者でもある岡田は「盆(回り舞台)が回ったり、舞台転換を俳優たち自身で行うところが初演でも苦労した記憶があったので、そのノウハウを共演者に伝えるところでも頑張って取り組みました。役としては霧矢さんと深川さんが妻ということで、綺麗だし可愛いしで役得だと思っています」と笑顔を見せた。深川は「来ていただいたみなさんに『スキップ』というお話を好きになっていただけたらと思います。一回一回新鮮な気持ちで頑張ります」と意気込みを語った。「スキップ」の上演は5月5日まで。
NAPPOS PRODUCE「スキップ」
2017年4月26日(水)~5月5日(金・祝)
東京都 サンシャイン劇場
原作:北村薫(「スキップ」新潮文庫刊)
脚本・演出:
出演:
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「スキップ」開幕!霧矢大夢と深川麻衣が2人1役で熱演 - ステージナタリー https://t.co/IditIACHfu