笑顔に満ちたKEN BANDサージ・ラストツアー終了

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KEN YOKOYAMA率いるKEN BANDの全国ツアー「Ciao Baby Tour」のファイナル公演が、10月30日にSHIBUYA-AXで行われた。

この日のライブ中、KEN YOKOYAMAは「次のベースはもう決まってるから、すぐに戻ってこれるようにするわ」と頼もしい発言でファンを喜ばせた(Photo by TEPPEI)。

この日のライブ中、KEN YOKOYAMAは「次のベースはもう決まってるから、すぐに戻ってこれるようにするわ」と頼もしい発言でファンを喜ばせた(Photo by TEPPEI)。

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今回のツアーは、ベーシストのサージが脱退することを受けて開催されたもの。10月8日の岩手・盛岡Club Change WAVEを皮切りに全15公演が行われ、ツアーファイナルのSHIBUYA-AX周辺には「チケット譲ってください」と書かれた紙を持ったファンの姿が数多く見受けられた。

AX公演には、来日ツアー中だった盟友SNUFFがオープニングアクトとして登場。ダンカン(Vo,Dr)を中心としたトリオ編成に、曲によってキーボードやトロンボーンを迎え、疾走感あふれるメロディック・パンク・チューンが次々と繰り出された。終盤にはおなじみ「Ampan Man」(「アンパンマンのマーチ」の日本語カバー)も披露され、早くもフロアはクラウド・サーファーの嵐。40分という短い時間ながらも、会場のファンを大いに満足させてくれた。

転換の時間を経て、20時に再び暗転。KEN BANDのメンバー4人がステージに登場すると、フロアからは早くも“サージ・コール”が巻き起こった。

サージ在籍時最後のライブは「Cherry Blossoms」からスタート。そのまま「Pressure」「Why」へと勢いよく続く流れていき、観客も拳を上げたり一緒に歌ったり、そしてクラウド・サーフをするなどして、KEN BANDの熱い演奏に応える。KEN YOKOYAMAはMCで、現在の心境を「何かの公開録音みたいに和やかな雰囲気」と例え、最後のライブを決して悲しいものにはせず、笑顔でサージを送ろうと語った。

その後も、「Empty Promises」「Summer Of '99」といったおなじみのナンバーが次々と披露されたが、ファンにこの日一番の驚きを与えたのは6曲目に演奏された「Stay Gold」。Hi-STANDARD時代の名曲が会場に鳴り響いた瞬間、会場からは歓声と悲鳴が響き渡り、改めてHi-STANDARDというバンドの影響力、偉大さを実感させられた。

続いてKENは、次に演奏する曲について説明。サージの現在の心境を引き合いに出し、「家に帰ったら歌詞を見て。サージの乙女心がわかるから」と語ると、メロウな「Torn」をいつも以上に感情を込めて歌った。また、メンバー紹介の際にも「『ベース、サージ!』とライブで言うのも、これが最後かと思うと寂しいね」など言いつつも、冗談を言い合うなど終始和やかな雰囲気がステージ上を包んでいた。

サージがボーカルを務める「Fuck Up, Fuck Up」を経て、ライブは終盤戦に突入。「Running On The Winding Road」ではKENとサージが向かい合って、イントロのスローパートを演奏するなど、いつもKEN BANDのライブで見慣れたシーンもこれが最後となる。そんな感傷的な気持ちをもの悲しげなアルペジオが演出するものの、アッパー・パートに移るとフロアは再びヒートアップ。「Not Fooling Anyone」「How Many More Times」などの人気曲を挟んで、KENの「サージ、5年間ありがとう!」というMCとともに「Believer」で本編最後は幕を閉じた。

しかし、フロアからは「Oh~Oh~、Punk Rock!」のコールが巻き起こり、アンコールを求める。この声に応えるかのようにバンドはすぐにステージに復帰し、予定外のナンバー「Popcorn Love」を披露。曲中でもPunk Rockコールはひたすら続き、バンドはパワフルな歌と演奏でそれに応えた。

アンコールでは、ファンからのリクエストをもとに演奏曲を決定。KENの「何が聴きたい?」の問いに、フロアからはそれぞれ思い思いの曲名が挙がっていた。それを聞いたバンドの4人は肩を寄せ合って相談をし、HUSKING BEEのカバー「Walk」や、南英紀(G)加入後初のオリジナル曲「Going South」、「Can't Take My Eyes Off Of You(君の瞳に恋してる)」のパンクカバーなどを次々に演奏。おのおのが聴きたい曲が続々と披露され、フロアの観客からも自然と笑みがこぼれていた。

しかし、アンコールも8曲目を終えたところで、KENが「今日はアコギを持ってきてないから、いつもやってるようなダブル・アンコールでのアコースティック・コーナーはやらないわ。この4人でステージを降りたいからさ」と宣言。ついにサージを含む編成でのラストナンバー「Sucky Yacky」がスタートした。スタンダードナンバー「上を向いて歩こう」をパンク調にアレンジしたこの曲ではサージがボーカルをとり、別れを惜しむ間もないほどにフロアは熱い盛り上がりを見せた。

こうして約2時間、全29曲におよぶライブは終了。KENとサージは笑顔で抱き合い、今日のライブ、そしてサージ最後のツアーの成功を喜んでいるようだった。スタッフから大量のステッカーを渡されたサージは、多少困った顔をしながらもファンに1枚でも多く行き渡るようにとフロアにステッカーをばらまいた。ライブ開始前にKENが言ったように、この日は湿っぽさ皆無の、笑顔で新たな旅立ちを祝うライブとなった。

KEN YOKOYAMA "Ciao Baby Tour"@SHIBUYA-AX(10月30日)
セットリスト

01. Cherry Blossoms
02. Pressure
03. Why
04. Empty Promises
05. Summer Of '99
06. Stay Gold
07. Torn
08. Go With The Flow
09. Jealous
10. Ten Years From Now
11. Ricky Punks
12. Ricky Punks II (The Lamepire Strikes Back)
13. Funny Things
14. Fuck Up, Fuck Up
15. Running On The Winding Road
16. Longing (A Quiet Time)
17. Not Fooling Anyone
18. How Many More Times
19. I Gotta Go
20. Believer
--ENCORE--
EN1. Popcorn Love
EN2. I Love
EN3. Walk
EN4. Lucky
EN5. Eight-Hour Drive
EN6. Going South
EN7. Can't Take My Eyes Off Of You
EN8. Dead At Budokan
EN9. Sucky Yacky

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読者の反応

かずや @zuppe0624

懐かしい、、、
初ライブこのツアーのBe-9だったなぁ
https://t.co/vdgVc7NPYF

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