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aiko カプセル
aikoとアニメの相互作用、「アポカリプスホテル」との共鳴
文 / もりひでゆき
aikoのキャリアを紐解けば、「どろぼう」(テレビアニメ「まっすぐにいこう。」オープニングテーマ)や「スター」(映画「あらしのよるに」主題歌)、「恋をしたのは」(映画「聲の形」主題歌)、「いつ逢えたら」(テレビアニメ「君は放課後インソムニア」テーマソング)といった楽曲が、アニメとのタイアップソングとして思い浮かぶ。そのどれもが時を経てもなお、各作品との思い出を伴って脳内再生される点において、aikoとアニメ作品の親和性は誰もが納得するところだろう。近年で言えば、昨年大ヒットを記録した劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」の主題歌となった「相思相愛」も然り。その物語との見事なハマりっぷりに、国内外のコナクラ(「コナン」ファンの呼称)が唸り、歓喜したのは記憶に新しい。
そんなaikoにとって新たなアニメタイアップ曲となるのが、テレビアニメ「アポカリプスホテル」のエンディングテーマとなる「カプセル」だ。そもそも昨年リリースのアルバム「残心残暑」収録の「skirt」が同作のオープニングテーマにまず決まり、そのうえで「新規楽曲をエンディングに」という話から、アルバム「残心残暑」の制作期間中に「カプセル」が生まれることになったのだという。
完成した楽曲は、実にaikoらしい、強くて深い、苦しいほどの愛情を紡いだラブソング。そこで吐き出される、死にそうなくらいに募る会いたい気持ちや「やっとあなたに逢えた時 壊れてたら恥ずかしいから」というフレーズには、オーナーの言葉を信じ、ホテルを守り続けるホテリエロボット・ヤチヨの姿がにじんでいるようでもある。根幹をなす伝えたい思いはしっかりと描きつつ、さまざまな受け取り方を可能にしながら強い共感へと誘う自由で絶妙なワード選び。感情の機微をなぞるようなメロディライン。そして、心の揺れ動きを繊細にすくい取るボーカリゼーション。タイアップ曲であろうと変わることのないaikoのスタイルが注がれた本作は、「アポカリプスホテル」の世界を美しく彩ると同時に、aiko自身の大切な1曲として長く歌い続かれていくことになるのだろう。
aiko「カプセル」ミュージックビデオ
- aiko「シネマ / カプセル(初回限定盤A / CD+Blu-ray)」
- 2025年4月30日(水)発売
/ ポニーキャニオン
[CD+Blu-ray Disc] 税込3850円 / PCCA-15040
- aiko「シネマ / カプセル(初回限定盤B / CD+DVD)」
- 2025年3月14日(金)発売
/ ポニーキャニオン
[CD+DVD] 税込3850円 / PCCA-15041
- aiko「シネマ / カプセル(通常盤)」
- 2025年4月30日(水)発売
/ ポニーキャニオン
[CD] 税込1320円 / PCCA-15042
aiko(アイコ)

1975年生まれ、大阪府出身のシンガーソングライター。高校時代から作曲を始める。短大卒業後、ラジオパーソナリティなどの活動を経て、1997年にインディーズアルバム「astral box」を発表。翌1998年にシングル「あした」でメジャーデビューを果たす。その後「花火」「カブトムシ」「桜の時」「ボーイフレンド」などのリリースしたシングルが次々とヒットを記録。2000年に「NHK紅白歌合戦」に初出場するなどトップアーティストとしての人気を不動のものとする。2024年1月から3月にかけてアリーナツアー「Love Like Pop vol.24」を開催し、最終公演で10年ぶりに東京・日本武道館のステージに立つ。同年8月には16thアルバム「残心残暑」をリリースし、6年ぶりに神奈川・サザンビーチちがさきでフリーライブ「Love Like Aloha vol.7」を開催した。2025年4月に通算46枚目のシングル「シネマ / カプセル」をリリースした。8月には山梨・山中湖交流プラザ きららで行われる野外音楽フェス「SWEET LOVE SHOWER 2025」に出演。これがaikoにとって自身初の夏フェス参戦となる。また12月には東京・国立代々木競技場第一体育館、大阪・大阪城ホールでワンマンライブ「Love Like Pop vol.24.9」を開催する。
aiko official (@aiko_dochibi) | X