Acid Black Cherry全国ツアー千秋楽で「ドエロ」宣言

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Acid Black Cherryが最新アルバム「『2012』」を携えての全国ツアー最終公演を、7月20日に東京・日本武道館にて行った。

全国ツアー「Acid Black Cherry TOUR『2012』」日本武道館公演の様子。

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Acid Black Cherry(写真は名古屋公演の模様)

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前々日の7月18日にも同会場でツアーのセミファイナルを実施し、ツアー2本目の武道館公演となったこの日。オープニングは過去から現在までの歴史を凝縮した映像がシリアスな重々しいSEとともに上映され、2012年にたどり着いたところで「~until~」が柔らかく奏でられる。続けてステージを覆う紗幕にyasuのシルエットが浮かび上がり、大歓声がこだまする中、ヘビーな「doomsday clock」でライブが始まった。

古代の神殿を思わせる荘厳なセットをバックに、yasuはエッジの効いたサウンドに乗せて声を張り上げる。続けてMCを挟みつつ、ドライブ感のあるイントロに悲鳴があがった「ピストル」、切なげな声がメロディアスなサウンドに乗る「CRISIS」など激しいナンバーでオーディエンスを熱狂させていく。十分に客席があたたまった頃には、甘く艶やかなハイトーンボイスとジャジーなアンサンブルが重なる「蝶」、AOR的なアレンジが光る「指輪物語」をプレゼントし、しっとりとした空気で会場を包み込んだ。しかし「~the day~」を挟んで始まったブロックでは、ミディアムテンポの「Fallin' Angel」や、怒りの感情を歌った「in the Mirror」といったシリアスなナンバーを届け、最新アルバム「『2012』」に込められたさまざまな側面を浮かび上がらせてみせた。

「今日はツアーファイナルなのに、そう感じないのは俺だけ?」とyasuの言葉を口火にMCへ。yasuは全国津々浦々を回ったツアーを振り返り、各地のサウナでバンドメンバーと裸の付き合いをしていたことを明かしたり、おなじみの下ネタを繰り出したりと、関西人らしい軽妙なトークで会場を笑わせる。バンドメンバーもそれぞれツアー中のエピソードを語り、yasuに茶々を入れられながら「幸せな日々を過ごせた」と口々にファンに感謝を伝えた。

その後、披露されたのは「イエス」。yasuは青と白の柔らかなライトに包まれながら、目を閉じて歌詞を噛み締めながら同曲を歌い上げる。そこから続いた「so…Good night」「チェリーチェリー」の2曲では、花道をメンバーが行き来し、ファンとコミュニケーションしながら幸せな一体感で会場中を満たしていく。

笑顔を浮かべてライブを楽しむオーディエンスを前にyasuも「みんな元気があって非常にいいぞ」とうれしそうな表情。「今回のツアーではひとつ使命がありまして……。最近Acid Black Cherryを知った人もいると思うんですけど、Acidって略してる人がいるんですね。でも略称はABCですから!」と改めてAcid Black Cherryの名前の由来が下ネタからきていることを熱弁。さらに「10代!」「20代!」とコール&レスポンスの形で恒例の年齢調査を行い、「もう5年もエロでやってきてるので、そろそろエロは辞めようかな」と意味深な発言をして「えー!」という声を浴びる。しかし、非難の声をかき消すように「だからエロは卒業して、ドエロでいこうかなと思います。これからはもっとエロいぞ! もっともっと暴れていこうぜ」と高らかに宣言してみせた。

この言葉から本編はラストブロックに突入する。「これからはドエロでいくって言ったよな」という煽りから「少女の祈り」「少女の祈りIII」を間髪入れずに披露し、最後はステージを全力で駆け回りながら牙を剥くようなボーカルで「SPEL MAGIC」を絶唱。観客の興奮を最高潮に引き上げて颯爽と去っていった。

アンコールで「みんなめっちゃいい声でしたね。俺、声出されるとダメなタイプなんで」と笑いながらステージに戻ってきたyasuは、リラックスした雰囲気の中で「冬の幻」「君がいるから」をアコースティックアレンジの演奏をバックに歌い上げた。そしてひと息つくと、2年半ぶりの全国ツアーと「『2012』」に込めた思い、そして東日本大震災後の心境をとつとつと語り出した。「音楽しかやってきてないから、音楽に気持ちを込めたら、ちょっとくらい日本が元気になるんちゃうかなと思ってアルバムを作りました」と語り、「言葉にするのが下手だから、歌を歌ってるんだと思います。いつかアルバムを聴いたときに、2012年のことを思い出してもらえたら。これからもABCの音楽をみんなの傍に置いてもらえたらうれしいです」と口にする。そして「『2012』」を作るきっかけとなった「その日が来るまで」と、ハッピーなポップチューン「シャングリラ」を熱唱し、yasuは投げキッスを客席にプレゼントして退場した。

しかし2時間半以上の濃厚なライブを堪能したあとも、オーディエンスはまだAcid Black Cherryを求め続ける。「もう一発いいかい?」と勢い良くステージに戻ってきたyasuは、ジャジーな演奏にあわせて「Black Cherry」をピンクと紫のライトを浴びながらエロティックに熱唱する。さらに「もう1曲やっていいですか?」と予定外の「20+∞Century Boys」を披露。明るく照らされた客席エリアを見渡しながらyasuは、希望に満ちた歌詞を力強く歌い上げツアーのクライマックスを彩った。

なおAcid Black Cherryは、ソロデビュー5周年記念ツアー「Acid Black Cherry 5th Anniversary Live "Erect"」を冬に開催。11月30日の福岡・福岡サンパレスを皮切りに、東京・国立代々木競技場第一体育館2DAYSを含む5会場6公演が行われる。

Acid Black Cherry「Acid Black Cherry TOUR 『2012』」
2012年7月20日@東京都 日本武道館セットリスト

~until~
01. doomsday clock
02. ピストル
03. CRISIS
04. 罪と罰~神様のアリバイ~
05. 蝶
06. 指輪物語
~the day~
07. Fallin' Angel
08. in the Mirror
09. イエス
10. so…Good night
11. チェリーチェリー
12. Re:birth
13. 少女の祈り
14. 少女の祈りIII
15. SPELL MAGIC
16. 冬の幻
17. 君がいるから
18. その日が来るまで
19. シャングリラ
~comes~
20. Black Cherry
21. 20+∞Century Boys

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