同世代FLOW×DOES、キューン20で「贈る言葉」肩組み熱唱

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Ki/oon Musicのレーベル設立20周年を記念して、4月9日から東京・LIQUIDROOM ebisuにてライブイベント「キューン20 イヤーズ&デイズ」が開催中。この8日目の公演が4月14日に行われ、FLOWDOESによる対バンが実現した。

「贈る歌」のセッションでは自由きままに歌い、暴れていたFLOWとDOESのメンバー。

「贈る歌」のセッションでは自由きままに歌い、暴れていたFLOWとDOESのメンバー。

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KOHSHIの誕生日を祝うFLOWとDOESのメンバーたち。

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オープニングDJで仲良しぶりを観客に見せつけたDOESのヤス(写真左)と、FLOWのTAKE(写真右)。

オープニングDJで仲良しぶりを観客に見せつけたDOESのヤス(写真左)と、FLOWのTAKE(写真右)。

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DOES

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FLOW

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30代中盤のメンバーが多く、レーベルの中堅どころとして活躍しているなど共通項もあるこの2組。この日は開場中にFLOWのTAKE(G)とDOESの赤塚ヤスシ(B)が、トークを挟みながらレーベルメイトの楽曲をかけるDJパフォーマンスもあり、開演前からフロアには熱気が漂っていた。

先攻を務めたのはニューアルバム「KATHARSIVILIZATION」のリリースを5月9日に控えているDOES。SEのゲイリー・グリッター「Rock'n Roll Part 2」をバックに登場したメンバーは、気合のほどを伺わせるように腕を高く掲げると、1曲目として「曇天」を鳴らした。乱反射するライトにあわせて、切り裂くようなギターフレーズとボーカルが響き会場はたちまちDOESの世界に染め上げられる。森田ケーサク(Dr)の叩く硬いスネアドラムから始まる「ロッカ・ホリデイ」では、氏原ワタル(Vo)が赤いライトを浴びながら咆哮するようなボーカルで攻撃性をあらわにした。

「Ki/oon Music 20周年おめでとうございます。DOESです」という挨拶を経て始まったパートでは、ヤスがうねるようなベースを奏でる「黒い太陽」、軽やかなビートに合わせて手拍子が響く「僕たちの季節」を披露。骨太なロックサウンドでFLOWファンをも惹き付けていく。ワタルは「今日はFLOWと対バンでね。彼らとは年も近くて」と対バン相手のFLOWとの共通点を挙げ、「普段はあんまりやらない曲をやってみようかな」とゆったりした「トーチ・ライター」でフロアの空気を変えた。 中盤に入るとヤスが前のめりなプレイで魅せた「神様と悪魔と僕」を皮切りに、赤と白のライトのコントラストが楽曲に合っていた「ジャック・ナイフ」と、再びエンジン全開のロックチューンでフロアを揺らす展開に。また陽気なイントロから聴き手の心を惹き付ける新曲「カタルシス」や、オーディエンスによる「愛を叫ぼう」の合唱が欠かせない「タイニー・パンク」では、明るいサウンドにひときわハッピーな空気が漂う。この2曲が終わると、ワタルは観客の歌声や反応を絶賛するように親指を立て笑ってみせた。

終盤戦は「修羅」「バクチ・ダンサー」というダンサブルなナンバーを叩き付け、激しい一面を存分にアピールしたDOES。最後は客電が灯る中、メンバーは観客1人ひとりに語りかけるように希望のメッセージが込められた「今を生きる」を熱演。全12曲を届けたワタルは去り際にガッツポーズをして、ライブを終えた充足感を噛み締めていた。

後攻のFLOWはビートを効かせたSEに乗せてステージへ。いきなりメジャーデビュー曲「ブラスター」を投下し、観客との掛け合いを楽しみながら場の空気を作り出す。1曲目でグっとオーディエンスとの距離を近づけると、KEIGO(Vo)がKi/oon Musicのアニバーサリーイヤーを祝福し「開場中にDJで盛り上がったのは今日だけです! 8日目ヤバかったって言わせましょうよ!」と大声で煽る。そこから続いたのはお祝いムード全開のイベントにふさわしいパーティチューン「Fiesta」や、TAKE(G)、GOT'S(B)、IWASAKI(Dr)の楽器隊のハードロック魂が炸裂する「ENEMY」。訴求力のあるKEIGOとKOHSHI(Vo, G)のツインボーカルに魅せられたフロア後方のDOESファンも体を揺らしたり、拳を突き上げたりと盛り上がる。またKEIGOを除く4人がソロパートを交えた轟音インストゥルメンタルナンバーも披露され、卓越したプレイとフレーズでオーディエンスの視線を奪っていた。

情感豊かな一面を「DAYS」で印象付けると、互いの過去や近況を暴露し合うメンバー紹介に突入。ここではIWASAKIが過去にそのルックスからは想像できない歌詞を作ってきたことや、TAKEの幼少期のあだ名が「ゴリラ番長」であったこと、GOT'Sのヘアカラーの変遷などが明かされ、そのたびに爆笑が沸き起こる。最後にKEIGOは「もう1人紹介させてください。6人目のメンバーとしてリキッドに来てくれたみんな!」と叫び観客の心をガッチリ掌握。5人はアッパーチューンを間髪入れずに連発し、クライマックスに向けて加速していった。

ラストナンバーの直前でKOHSHIは「ホントにこのレーベルは音楽業界の東急ハンズだなと。なんでも揃ってる!」と改めてKi/oon Musicの魅力を語る。続けて「FLOWは今年の7月でデビュー10周年を迎えます。Ki/oonには尊敬する諸先輩、同士と呼べる同世代がいて、これからを担う若手がいて……。ここまで続けられたことを幸せに思います。でもまだ僕らは夢の途中で、もっといい曲を作っていきたい。ガツガツ精進していく気持ちでいっぱいです。みんな音楽を、ライブを、愛してきてくれてありがとう」とオーディエンスに感謝を述べた。

その後のアンコールでは、KOHSHIの誕生日を祝うサプライズが。アンコールが始まって早々にステージが暗転すると、DOESのメンバーがワゴンにケーキを乗せて登場した。まさか自分が祝われるとは思っていなかったKOHSHIは「俺か! 俺か!」とびっくりしながらもうれしそうな表情。照れ隠しかケーキを食べ始め、「ワタル代わりに歌ってて」と言い放ち笑いを誘っていた。

アンコールの楽曲として選ばれたのは、FLOWの名前を広めるきっかけとなった海援隊「贈る言葉」のカバー。総勢8人の男達が入り乱れ、肩を組んだり、マイクを向け合ったり、果ては相手の楽器を弾き始めたり、自由気ままにセッションを繰り広げる。その様子をオーディエンスは笑顔で見つめ、KEIGOは「なんだこれ超楽しい! こんなDOES観たことない。これが『キューン20』だ!」と絶叫する。

最後はステージ上の8人が「サンキュー」と叫び、観客が「キューン」と返すコール&レスポンスが展開。これでイベントは大団円を迎えたかのように見えたが、BGMでX JAPAN「Say Anything」が流れ出すと瞬時にしんみりした雰囲気に。しっとりとした音にあわせて観客が一斉に手を振り、FLOWとDOESのメンバーもそれにつられるように手を振るという奇妙な光景が広がる。しかし、これではイベントが締まらないと思ったのか、FLOWのメンバーが改めて「サンキュー」「キューン」のコール&レスポンスをフロアに呼びかけ、8日目の「キューン20 イヤーズ&デイズ」は出演者とオーディエンスの笑いに包まれてフィナーレを迎えた。

「キューン20 イヤーズ&デイズ」FLOW / DOES
2012年4月14日 LIQUIDROOM ebisu セットリスト

DOES

01. 曇天
02. ロッカ・ホリデイ
03. 黒い太陽
04. 僕たちの季節
05. トーチ・ライター
06. 神様と悪魔と僕
07. ジャック・ナイフ
08. カタルシス
09. タイニー・パンク
10. 修羅
11. バクチ・ダンサー
12. 今を生きる

FLOW

01. ブラスター
02. Fiesta
03. ENEMY
04. BAND Inst
05. BLACK & WHITE
06. DAYS
07. ロッククライマーズ
08. プラネットウォーク
09. おはようジャポニカ
10. Re:member
11. GO!!!
<アンコール>
12. 贈る言葉

※記事初出時、本文記載のメンバー名と楽曲名の一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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