BREAKERZ全国ツアーファイナルで渋谷“GO”会堂揺らす

BREAKERZの全国ホールツアー「BREAKERZ LIVE TOUR 2011 "GO"」が12月9日の東京・渋谷公会堂公演でファイナルを迎えた。当日のチケットはソールドアウトとなり、チケット争奪戦を勝ち抜いた約2000人のファンが2時間半のライブを楽しんだ。

客電が暗転し、スポットライトを浴びながらSHINPEI（G）、AKIHIDE（G）、DAIGO（Vo）の順にメンバーが登場すると、観客からは早くも黄色い嬌声が上がる。そのままピアノの音が鳴り響き、DAIGOの「行くぞ！」というかけ声で、最新アルバムのタイトル曲「GO」が始まった。次の「激情」ではDAIGOがマイクスタンドを派手なアクションで振り回し、オーディエンスを魅了する。

最初のMCで、DAIGOが「渋谷公会堂を渋谷“GO”会堂に変えて、めちゃくちゃ盛り上がりましょう！」とアルバム＆ツアータイトルに引っかけた言葉で観客を煽ると、バンドはツアーファイナルにふさわしい高いテンションで、アッパーな楽曲を連続で投下。また、「LAST † PRAY」ではゴシックテイストあふれるサウンドにあわせ、赤や紫の照明がステージを妖しく彩った。

続くパートでは、切ない別れの歌「Present」、AKIHIDEによるアコースティックギターの音色が胸を突く「寂しがりや」などしっとりとした楽曲を演奏し、会場をうっとりとした空気で満たす。かと思えば、「BUNNY LOVE」ではバニーガールに扮した女性ダンサーを、うさぎの耳をつけたメンバー3人がステージ上ばかりか客席まで下りて追いかけ回す寸劇を披露したり、「スマイル100％」ではチアリーダーが登場して華やかなパフォーマンスを見せたりと、緩急あるセットリストを展開。エンタテインメント性あふれるステージでオーディエンスを惹きつけていく。

またMCコーナーでメンバー紹介をする際には、DAIGOが「このツアーでは、タイトル『GO』にちなんだ質問を各地でしてきたんですけど、今日は『今カラオケで“GO”したい歌』を言ってもらいます」と、メンバーそれぞれがカラオケで歌いたい曲を発表する流れに。これを受け、サポートメンバーのMAKOTO（Dr）はGLAY「Winter, again」を、MATSU（B）はL'Arc-en-Ciel「Winter Fall」を挙げる。そしてSHINPEIはB'z「ultra soul」を挙げ、サビラストのフレーズ「ウルトラソウル！」をシャウト。AKIHIDEはAcid Black Cherry「冬の幻」の名前を出し、イントロのギターフレーズを弾いてみせる。さらにDAIGOがLUNA SEA「TRUE BLUE」とタイトルを口にすると、バンドが「TRUE BLUE」の演奏をスタート。そのままDAIGOがサビを歌い切るというサプライズプレゼントで、観客を狂喜させた。

ライブ終盤では、「絶対！ I LOVE YOU」「LOVE FIGHTER～恋のバトル～」とダンサブルなナンバーを立て続けに演奏。続く「BIG BANG!」ではDAIGOが「ぶっ飛べ東京!!」とジャンプを煽り、渋谷公会堂が大きく縦に揺れる。さらにDAIGOの「渋谷公会堂に熱い風を巻き起こそうぜ！」というシャウトから鳴らされた「灼熱」では、会場中がタオルを振り回し、一体感が生み出される。

そして本編ラストの曲として届けられたのは「Destruction」だ。「お前らまだまだ行けんのか！ お前ら全員でかかってこい！」という言葉に続き「頭振れえー!!」とDAIGOが絶叫すると、観客が気合の入ったヘッドバンキングで応じる。バンドも会場と呼応するかのように激しく演奏し、大盛り上がりでステージを後にした。

アンコールの声に応え、再度舞台に登場したBREAKERZの3人。ツアーTシャツに着替えリラックスした雰囲気を漂わせながら、DAIGOが「せっかくなんで（笑）」と携帯で観客との記念撮影を敢行。その後、「アコースティックコーナーをお届けしようと思って」と着席を促す。「一緒にツアーを回ってきた曲を届けたいと思います」と口にすると、「世界は踊る」をSHINPEIとAKIHIDEのアコースティックギターに乗せて歌い始めた。そのやわらかな歌声に、オーディエンスはじっくりと聴き入る。さらに「ありがとう ～Beautiful day～」を演奏。メンバーからの感謝の気持ちが詰め込まれた楽曲が、会場中に染み渡るように響いていた。

「今年は日本にとって大変なことが起こって」「俺たちは音楽を続けていいんだろうか、と何度も話し合った」とMCで語るDAIGO。それでも、自分たちにできるのは音楽を胸を張って届けることだ、という結論に達したと言い、このツアーでファンとの絆がさらに強くなったと話す。そして「希望の歌です、聴いてください」と、バンドスタイルで「オレンジ色の空」を万感の思いを込めて披露した。

バンドメンバー全員が袖に下がるも、まだまだアンコールを要求するオーディエンス。それに応え三たびバンドがステージに姿を見せると、大きな拍手が沸く。DAIGOがメンバーを代表して「みんなのおかげで、来年も前に進んでいける、“GO”していけます。ありがとう！」と感謝を述べ、それでも足りないとばかりに「みんなとの距離がじれったい、っていうか、もう密着したいわ！」とファンへの愛情を吐露する。続いて「星の旅人」のイントロが響くと、直後に特効の銀テープが発射。わあっと喜びの声が起こる中、バンドは笑顔で楽曲を演奏し、ハッピーな空気を作り出した。

エンディングSEが聴こえ始め、BREAKERZの3人がステージ中央のお立ち台に昇り挨拶しようとするも、会場からは「もう1回」と怒号のようなアンコールが鳴り止まない。それを受け「しょうがねえな、ファイナルだからもう1曲やっちゃうか！」とDAIGOが宣言すると、この日一番の歓声が。

そして披露された「DESTROY CRASHER」では、AKIHIDEがステージ下に降りてもみくちゃになりながらギターを弾きまくり、SHINPEIはTシャツを脱ぎ捨てて熱いプレイで魅せる。さらにDAIGOが「ファイナルだから、お前ら最高だから、もう1曲やるぞ！」と叫び「SUMMER PARTY」が演奏されると、場内からは自然とメロディを歌う声が響く。Aメロを観客のみで歌い上げるという、ファンからバンドへの贈り物に、ステージ上の5人は満面の笑顔で答えていた。

約2時間半に渡るライブを全力で駆け抜けたBREAKERZ。ピックやタオルを客席に投げ入れながら、名残惜しそうにひとりずつ袖へと下がっていき、最後に残ったDAIGOが改めてオーディエンスに感謝の意を告げる。そして下手に向かって歩いていくが、ふと思い出したように振り返り「最後にひとことだけいい？」と口にする。「2月に東京でバレンタインライブ、ファンクラブライブやるから。空けといてね」と告知すると、喜ぶファンの声を背中に受けステージを下りていった。

BREAKERZ LIVE TOUR 2011 "GO"
2011年12月9日＠東京・渋谷公会堂セットリスト

01. GO
02. 激情
03. CLIMBER×CLIMBER
04. CHANGE THE WORLD
05. LAST † PRAY
06. Everlasting Luv
07. Present
08. 寂しがりや
09. 月夜の悪戯の魔法
10. BUNNY LOVE
11. スマイル100％
12. 絶対！ I LOVE YOU
13. LOVE FIGHTER～恋のバトル～
14. BIG BANG!
15. 灼熱
16. Destruction

＜ENCORE＞
17. 世界は踊る
18. ありがとう～Beautiful day～
19. オレンジ色の空

＜DOUBLE ENCORE＞
20. 星の旅人
21. DESTORY CRASHAR
22. SUMMER PARTY