U-zhaan×鎮座DOPENESS×環ROYの妖しく光る電車ライブに乗客60人熱狂

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U-zhaan鎮座DOPENESS環ROYが出演するライブイベント「Boombox TRIP in TRAIN」が10月28日に山口・JR西日本 山口線車内で、翌29日には「Boombox TRIP in YCAM」が山口・山口情報芸術センター[YCAM]で開催された。

「Boombox TRIP in TRAIN」の様子。

「Boombox TRIP in TRAIN」の様子。

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左から環ROY、U-zhaan、鎮座DOPENESS。

左から環ROY、U-zhaan、鎮座DOPENESS。[拡大]

両イベントはYCAMが最先端のサウンドアートや音楽表現を紹介するライブコンサートシリーズ「sound tectonics」の第19弾として企画制作したもの。10月28日の「Boombox TRIP in TRAIN」では山口線の2車両を貸し切り、走行中の電車内でおよそ2時間のライブを行った。網棚にはLED照明やスピーカーが設置され、出発と同時に蛍光灯が消えるとカラフルなライトに照らし出された車内はクラブの様相を見せる。また2両目はチルアウトスペースとなっており、error403がデザインしたイベント限定Tシャツのほかフードやドリンクも販売された。

車内を歩き回る環ROY(中央)。

車内を歩き回る環ROY(中央)。[拡大]

ライブは鎮座DOPENESSによるDJパフォーマンスからスタート。車窓を流れる夜の景色に似合ったブルージーな楽曲を中心に披露すると、彼の前に詰めかけた乗客はつり革につかまりながら体を揺らしていた。DJのあとは3人そろってのライブパフォーマンスへ。タブラのサウンドチェックを面白がる鎮座DOPENESSと環ROYはタブラの音に乗せておもむろに言葉遊びのようなフリースタイルラップを始める。そして2人のユニットであるKAKATOの定番曲「リズム」へとなだれ込むと彼らは観客をかき分けて車内を歩き回り、「電車の真ん中が一番空調効いてて涼しいー」と歌詞を変えて歌い上げて喝采を浴びた。続く3人の共作曲「Tabla'n Rap」は電車の騒音に負けじとパワフルな奏法と声量で展開。また5.5拍子という難解なテンポなため、顔を見合わせて「1、2、3、4、5.5!」とカウントを取ったのち歌い出した「にゃー」では、鎮座DOPENESSと環ROYの2人が観客を巻き込み、一緒に猫のポーズをしたり、ビブラスラップを叩かせるなどして自由なパフォーマンスを楽しんでいた。

鍵盤ハーモニカのイントロで始まったのは、彼らが10月頭にミュージックビデオを発表したばかりの新曲「ギンビス」。U-zhaanは曲中で使われている「たべっ子どうぶつ」をかじる音やパッケージを振る効果音などをその場でルーパーに落とし込んだが、テンポが遅すぎたことに気付き、「1からやり直してもいい?」と提案。これを快諾した鎮座DOPENESSの「U-zhaanがもう1回お菓子食べまーす!」というかけ声で仕切り直された2度目の演奏では「ギンビス!」のシンガロングが発生し、大盛り上がりとなった。さらに「七曜日」では鎮座DOPENESSと環ROYがこれまで挑んできた中で初めてノーミスで1番のラップを完遂。U-zhaanが「初めてできたじゃん!」とうれしそうに2人を称賛する場面もあった。

「Boombox TRIP in TRAIN」が行われた山口線の車両。

「Boombox TRIP in TRAIN」が行われた山口線の車両。[拡大]

ライブ終盤には窓の外を見た環ROYの「銀河鉄道みたい」「みんな知らないだけで惑星の間を走っているのかもしれない」という発言からメロディアスなタブラの音に乗せて「Boombox TRIP」をイメージしたフリーラップを披露した。駅に到着するまで残り3分というところで、3人そろってするのはこれが初めてだという未発表曲にチャレンジすることに。アメリカ、インドそれぞれの音楽の歴史と偉人を高速ラップで紹介していくという研ぎ澄まされたパフォーマンスに、観客は大歓声と拍手を送った。

「Boombox TRIP in YCAM」生ライブの様子。

「Boombox TRIP in YCAM」生ライブの様子。[拡大]

翌10月29日の「Boombox TRIP in YCAM」では山口情報芸術センター[YCAM]内でVRと生ライブを組み合わせた体験型イベントが実施された。これはYCAM館内の3カ所で撮影された3人のライブ映像を、参加者が同じ場所を巡りながらVRで鑑賞し、最後に約5分間の生ライブを観るという“音楽の冒険”をコンセプトにした映像鑑賞ツアー。1回につき参加者が5人限定となる30分のツアーが、この日30回行われた。スタート地点のホワイエでは「Tabla'n Rap」、2カ所目の「バイオラボ」では「ギンビス」、そして3カ所目のスタジオスペースではこのイベントのために3人が書き下ろしたYCAMの歌のパフォーマンス映像が用意されていた。この曲はYCAMの取り組みや館内設備、「始まりは2003年11月 翌年9月に屋根吹き飛ぶ」といった出来事がそのまま歌詞になっており、ここでしか聴くことができないオリジナル曲だ。ツアーの最後にはerror403による描き下ろしの壁紙があしらわれたエレベーターに乗り込み、3人が生演奏を行う地下スペースへ。扉が開いた先に待ち受けていた彼らは、完全即興のフリースタイルラップを中心としたパフォーマンスを披露した。5分経過すると強制的にエレベーターの扉が閉まってライブが終了。アトラクション体験とライブ鑑賞が同時に楽しめる新感覚のイベントに参加者たちは満足した表情でエレベーターを降りていた。

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U-zhaan×鎮座DOPENESS×環ROY「Boombox TRIP in TRAIN」2017年10月28日 JR西日本 山口線車内 セットリスト

01. フリー
02. リズム
03. Tabla'n Rap
04. にゃー
05. ギンビス
06. フリー
07. 七曜日
08. わーい
09. フリー
10. タイトル未定(未発表曲)

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撮影:田邊アツシ / 写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]

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山口情報芸術センター[YCAM] @ycam_jp

10月28日と29日に開催したライブコンサート「Boombox TRIP」のレポートが、「音楽ナタリー」に掲載されました。コンサートに参加された方もそうでない方もぜひご覧ください。 https://t.co/8c1RISuSwV

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