cinema staff、小雨の日比谷野音で新旧25曲熱演した“万感”ワンマン

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cinema staffが10月14日に東京・日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブ「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」を開催した。

cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

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飯田瑞規(Vo, G)(撮影:ヤオタケシ)

飯田瑞規(Vo, G)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

三島想平(B)(撮影:ヤオタケシ)

三島想平(B)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

小雨が降る中、メンバーが静かにステージへ。定位置に着くと、飯田瑞規(Vo, G)がポロポロとギターを奏で、2012年6月にリリースしたメジャーデビュー作の表題曲「into the green」でライブをスタートさせる。間奏では4人が向かい合い、息の合ったアンサンブルを届けた。演奏が終わると飯田が「ようこそ、日比谷へ」と挨拶。黄色いライトが客席内をぐるりと照らし、三島想平(B)が「俺たちが、岐阜県cinema staffだ!」と叫ぶと、その言葉を合図にバンドの演奏は激しくなる。そして彼らのプレイに合わせてファンが「1、2、3、4!」と声を上げ、4人は「theme of us」へとなだれ込んだ。さらに久野洋平(Dr)が器用に変拍子を操る「AMK HOLLIC」や、三島のシャウトが炸裂した「想像力」など、彼らはインディーズ時代も含めてこれまでリリースしたアルバムやミニアルバムの1曲目ばかりを連投して、勢い付けていった。

MCでは久野が満員の客席を見渡し「めちゃくちゃ人いるじゃん!」と驚きの声を上げる。またあいにくの雨空を見上げて「すごくいい天気で……最高です」と言うと、ほかのメンバーも口々に「いい天気だねえ」「これがいわゆる“満点の星空の下”かあ!」と冗談を飛ばした。その後彼らは、飯田が「今までのワンマンライブで一番(多くの曲数を)演奏する」と話した通り、メロディアスな「KARAKURI in the skywalkers」や、静かなイントロから激しく変化していくミディアムチューン「daybreak syndrome」、久野の繰り出す軽快なリズムに乗せ飯田と辻友貴(G)が心地よいギターのアンサンブルを生み出した「青写真」といった新旧のナンバーを、飯田の伸びやかな歌声と共に、夜空に響かせていった。

cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

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中盤には飯田が「いつも通りやろうと思ったけど、やっぱり違いますね。憧れてた場所だし。いろんなこと思い出しながらやってます」とここまでの感想を述べる。続けて、先日終えたばかりの地元での自主企画イベント「OOPARTS」について言及したのち「僕らの故郷の歌です」と紹介してバンドは「望郷」をプレイ。するとそれまでシンプルな照明で彩られていたステージ全体にプロジェクションマッピングが投影される。小雨の演出も手伝い、より一層幻想的に彩られる中でメンバーは同曲をエモーショナルに届けた。

辻友貴(G)(撮影:ヤオタケシ)

辻友貴(G)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

久野洋平(Dr)(撮影:ヤオタケシ)

久野洋平(Dr)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

疾走感のある「希望の残骸」が届けられた頃、それまで降り続いていた小雨が止む。すると演奏後、久野が同曲のサビの歌詞にちなみ「『希望の残骸』再現ギグじゃない?」と声を弾ませた。また飯田は「野音だよ?」と改めて感激した様子を見せると、三島、辻と共にcinema staffを結成した高校生当時を回想し、「部活が終わったあと、トンボがけしてた三島に『バンドやらない?』って言われたんだよなあ。あの頃から今、野音に立ってる!」としみじみと噛み締めていた。また三島も「ついに野音でやれております!」と喜びを口にし、この日のタイトルに触れて「僕らにとってはもちろん、昔から応援してくれてる人にとっても、最近好きになってくれた人にとっても“万感”のライブになれば」と話した。

そしてライブは後半戦へ。三島の「ここからぶっ飛ばしていきますよ!」との言葉通り、バンドは「great escape」「pulse」といったドライブ感あふれるナンバーを続けて場内をいっそう盛り上げた。終盤、飯田がこれまで関わってくれたスタッフ、およびファンに感謝の気持ちを述べたのち「形じゃなくて、心と記憶に深く残るものを返していきたいし、返していける4人だと思う」とこれからの展望を語る。そして4人はバンド結成初期からある楽曲「AIMAI VISION」を届けたのち、後ろからの強い光に照らされる中、最新アルバム「熱源」のラストナンバー「僕たち」を投下。飯田がいっそうエモーショナルな歌声を聴かせると、アウトロでは4人とも殺気迫るプレイを見せ、大きな余韻を残してステージをあとにした。

cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」の様子。(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

本編ではどこか緊張感のあった4人は、アンコールで再びステージに戻ってくると、ホッとしたのかゆるんだ表情を見せる。ユルいグッズ紹介を経て、三島が改めて「ここに至るまでいろいろあったけど、俺らはまだまだこれから。今日が終わってもこれからも面白いことをやっていきたい」と語り、バンドはライブを再開。「exp」「GATE」の2曲を披露し、観客の盛大な歌声が夜空の下いっぱいに広がった。演奏をすべて終えると、辻が1人ステージに残る。彼は自身のギターをかき鳴らしたのち、飯田のギターもかき鳴らす。場内を轟音で満たすと、エフェクターの電源を一気に切り、静寂に包んで、バンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブの幕を下ろした。

なおバンドはライブ後に投影された映像にて、この日のライブをDVDとして2018年2月21日にリリースすること、東名阪ツアー「前衛懐古主義part2」を2018年2~3月に開催することを発表した。

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cinema staff「two strike to(2) night~万感の日比谷編~」
2017年10月14日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. into the green
02. theme of us
03. 奇跡
04. 熱源
05. AMK HOLLIC
06. 想像力
07. 白い砂漠のマーチ
08. KARAKURI in the skywalkers
09. 火傷
10. 返して
11. daybreak syndrome
12. 青写真
13. 小さな食卓
14. 君になりたい
15. 望郷
16. salvage me
17. 希望の残骸
18. great escape
19. エゴ
20. pulse
21. シャドウ
22. AIMAI VISION
23. 僕たち
<アンコール>
24. exp
25. GATE

cinema staff「前衛懐古主義part2」

2018年2月22日(木)東京都 EX THEATER ROPPONGI
2018年3月22日(木)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2018年3月23日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

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