The fin.1年半ぶりの日本ツアー終幕、10月はイギリス各地へ

The fin.が9月23日に東京・WWW Xで全国ツアー「The fin. Tour 2017 in Japan」の最終公演を開催した。

このライブは現在イギリスを拠点に活動しているThe fin.が、約1年半ぶりに行った日本国内ツアーを締めくくる単独公演。オープニングSEなしでオーディエンスの歓声に迎え入れられた彼らは、「こんばんは、The fin.です」とYuto Uchino（Vo, G. Syn）が挨拶してから「Illumination」でライブをスタートさせた。

Kaoru Nakazawa（B）とサポートで来日したイギリス人のトモ・カーター（Dr）がアンサンブルのボトムを支え、そこにRyosuke Odagaki（G）による残響感たっぷりのクリーンなアルペジオと、Uchinoの深く歪んだバッキングに、きらびやかなシンセの音色が重なり、The fin.特有の浮遊感のあるバンドサウンドが場内を包み込む。「White Breath」「Veil」を届けたバンドは、「古い曲から新しい曲までたっぷりやるんで楽しんでいってください」と宣言。歓声の沸くフロアに向けてステージ後方のスクリーンを使ったVJ演出をバックに、6月発表の「Pale Blue」、昨年発表したミニアルバムのタイトル曲「Through The Deep」などでグルーヴィな演奏を届けた。続く未音源化曲「Height」では甘美なサウンドに始まり、アウトロでUchinoがノイジーなギターを重ねるなど、緩急のある演奏で観客を酔わせていた。

またMCでは、Uchinoがフレンドリーな様子で「東京いいね。都会、なんかエナジーあるな」と観客に語りかけたあと、現在のメンバー構成について、結成時にドラムを担当していたNakazawaがThe fin.結成前はもともとベーシストだったことや、イギリスからツアーメンバーとしてイギリス人ドラマーのTomoが参加していることを説明した。ライブ後半、シーケンスフレーズが心地よく響く未音源化曲「Outskirts」などでフロアを踊らせた彼ら。「すごい古い曲をやります」「昔から知ってる人は懐かしい気持ちになれるかも」と話し、フォーキーな「Misty Forest」、ドリームポップ系の「Faded Light」と初期ナンバーを披露して喝采を浴びた。さらに人気曲「Night Time」が始まると一段と大きな歓声が上がり、オーディエンスはバンドのアウトプットするサウンドに身を任せて思い思いに腕を上げたり、体を揺らしたりして楽しんだ。そしてオルガンの音色がドラマチックな雰囲気を醸し出した「Glowing Red On The Shore」が最後に届けられ、Uchinoが「Thanks guys, またね」と呼びかけ、観客と記念写真を撮って日本でのツアーを締めくくった。

なおThe fin.は10月3日からイギリス・ロンドン、バーミンガム、マンチェスターなどを回るUKツアーを開催する。