音楽ナタリー

エビ中、松野莉奈への思い込めたツアー千秋楽「これからも、君とここにいる」

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「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」最終公演の様子。

「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」最終公演の様子。

私立恵比寿中学の全国ツアー「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」の最終公演が、7月16日に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催された。

ツアー最終日となった7月16日は、今年2月8日に急逝したメンバー松野莉奈の誕生日。この春ツアーの日程がアナウンスされた昨年12月のワンマンライブ「私立恵比寿中学 クリスマス大学芸会 2016『エビ中のオーシャンズガイド』」では、松野の誕生日にツアー最終日を迎えることを本人もメンバーも喜んでいた。7人で活動を続ける道を選んだエビ中は、4月22日より予定通りツアーを開始し、5月31日にはニューアルバム「エビクラシー」を発表。7人はアルバム発売前から収録楽曲をすべて披露するセットリストでツアーに挑み、新たなスタートを強く印象付けた。

ライブのオープニングは、アルバム「エビクラシー」冒頭のインストナンバー「ゑびすとてたまわんせむ」に乗せてメンバーがエビ中の校旗を手に入場するシーン。旗を持つメンバーは公演ごとに入れ替わり、最終公演では廣田あいかが先頭で大きなエビ中の校章をはためかせた。ファンクナンバー「制服“報連相”ファンク」で幕を開けたライブはこれまでの公演と同様、最新アルバム「エビクラシー」の楽曲を軸に進んでいく。

「エビクラシー」収録曲の1つ「コミックガール」にちなみ、メンバーがマンガの名台詞を披露する場面では、過去の公演に登場した7人それぞれの名台詞を一挙に紹介するなど、最終公演ならではのスペシャルな演出も見られた。ステージセットは2014年春の東京・日本武道館公演「私立恵比寿中学合同出発式~今、君がここにいる~」からの流れを想起させる校舎風の作りで、ライブ後半の「さよならばいばいまたあした」では夕暮れを思わせるオレンジ色の照明の下、メンバーが放課後の校舎に佇んでいるようなメランコリックな場面も。「今、あなたの心は何色ですか。たくさんの思いを込めた、私たちのスタートの曲です」という真山りかの言葉に続いて歌われた、松野への思いが詰め込まれたナンバー「なないろ」では、安本彩花がこらえきれず歌の途中で涙を流してしまう。ほかのメンバーも目に涙を浮かべる中、およそ5000人のエビ中ファミリー(エビ中ファンの総称)が見守る客席には、松野のイメージカラーである青いテープが華やかに放たれた。

本編ラストの「感情電車」を歌い終えたあと、安本は「私が見た夢の話をしてもいいですか」と、あの日以来「本当にさびしいとき、ときどき夢に出てくる」という松野が出てきた夢の話を始めた。「夢の中では松野との会話は不思議となくて。でもこの間、やっと話すことができたんです。その夢は、1日だけ莉奈がこっちの世界に帰ってくるという話だったんですけど、8人で先頭を歩いてた松野が私のところに来て『ひさしぶり』って話かけてくれて。みんなで私の家についてごはんを食べようと思ったんだけど、松野は『1日しかないし、家族とごはん食べたいから1回帰るね』って別れたんです。でも、ごはんのあとに集合するはずだったんだけど、私の歯にガムがくっ付いちゃって、取れないの。結局待ち合わせに行けないまま目が覚めちゃった。とっても不思議な夢だったけど、ひさしぶりに話せたのもうれしかったし、みんなもときどき夢に見るって言ってたけど、私たちにとって松野って本当に大きな存在なんだなって」と安本はうれしそうに語り、「莉奈を産んでくれたお母さん、育ててくれたお父さん、こんなに素敵な1人の女の子に出会わせてくれてありがとうございます」と松野の両親へ感謝の言葉を述べた。続けて「莉奈は私たちにとってのスーパーヒーローで、いつもつらいときに助けてくれる存在です。これからもそんな莉奈の存在をいろんな人に伝えていけたらと思います。そして私たちもいろんな人を笑顔にできるグループになっていきたいと思います」と話した安本は、ステージ上空を見渡しながら「聞いてたか? すごい褒めたぞ! ずっと見守っててくれよ!」と叫び「スカッとしちゃった」と笑顔を見せた。また柏木ひなたは「エビクラシー」がオリコン週間アルバムランキングで1位になったことに触れ、「(1位を獲得したのは)莉奈からのプレゼントなんじゃないかって。それを自信につなげて、いろんなことに挑戦してがんばっていきますので、これからも私立恵比寿中学の応援よろしくお願いします」と前向きな思いを語った。

アンコールは松野が大好きだった「全力☆ランナー」で始まり、次の「フレ!フレ!サイリウム」では場内が青いペンライト一色に。メンバーが曲中でダンスバトルを繰り広げる「サドンデス」ではこのツアーで初めて安本が勝ち残り、最後はエビ中にとって最初のオリジナルソングである「えびぞりダイアモンド!!」で締めくくられた。7人が校舎の階段を上がりステージを去ると、ステージの左右に設置されたスクリーンには、「感情電車」に乗せてツアーの裏側を追った映像が流れるエンドロールが映し出される。この「感情電車」はアルバム「エビクラシー」に収録されたものではなく、松野が生前最後に録音した歌声によるソロバージョンだった。歌が終わると、映像は8人で行っていた「エビクラシー」のジャケット撮影風景に切り替わり、最後は8人で撮影したアーティスト写真が映し出された。そしてスクリーンに浮かぶメッセージ「今、君とここにいる」が「これからも、君とここにいる」へと変わり、ライブは終了。場内は温かい声援と拍手に包まれた。この日のライブの模様は、秋に発売されるドキュメンタリーシリーズ「EVERYTHING POINT」の第5弾に収録される予定。発売日など詳細は追ってアナウンスされる。

エビ中はこのあと「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」「坂崎幸之助のももいろフォーク村」「@JAM EXPO 2017」「氣志團万博2017 ~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~」などさまざまなイベントへの出演を予定しており、8月26日には愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で夏恒例の野外ワンマン「エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん」を開催。7月25日には同じく夏の恒例行事となっているフジテレビのイベント「お台場みんなの夢大陸2017 めざましライブ」に岡崎体育と共に出演する。

私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~
2017年7月16日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. ebiture~ゑびすとてたまわんせむ~制服“報連相”ファンク
02. CHAN-CHARA-CHAN
03. 金八DANCE MUSIC
04. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
05. フォーエバー中坊
06. ハイタテキ!
07. MISSION SURVIVOR
08. まっすぐ
09. Go!Go!Here We Go!ロック・リー
10. コミックガール
11. 君のままで
12. 手をつなごう
13. 藍色のMonday
14. さよならばいばいまたあした
15. スターダストライト
16. 春の嵐
17. 紅の詩
18. なないろ
19. 感情電車
<アンコール>
20. 全力☆ランナー
21. フレ!フレ!サイリウム
22. サドンデス
23. えびぞりダイアモンド!!

お台場みんなの夢大陸2017 めざましライブ

2017年7月25日(火)東京都 夢大陸・スマイルランド HOT SUMMERスタジアム
<出演者>
私立恵比寿中学 / 岡崎体育

私立恵比寿中学「エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん in モリコロパーク 2017」

2017年8月26日(土)愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)

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