パンダドラゴン「じゃぱかわんだほ~」インタビュー|日本の“KAWAII”を高らかに歌う

今最も勢いのあるメンズアイドルグループの1つ、パンダドラゴン。彼らはこれまで東京・Zepp Haneda(TOKYO)や東京・中野サンプラザホールでワンマンライブを成功させ、2023年には9thシングル曲「パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!」がTikTokで大きなブームに。芸能人やインフルエンサーがこぞってこの曲の“パラパラ”を踊ったことで、グループの知名度が飛躍的に向上した。

そんな彼らの最新曲となるのが、“日本”をテーマにした「じゃぱかわんだほ~」だ。音楽ナタリーでは通算10枚目のシングルである本作の発売に合わせてメンバー6人にインタビューし、新曲の注目ポイント、現在のメンズアイドルシーンに対する思い、グループのアイデンティティなどについて語ってもらった(※メンバーのうち、あづは5月2日に休養を発表。取材は4月中旬に実施)。

取材・文 / 小松香里撮影 / 梁瀬玉実

いつも以上に本気でレコーディングしました

──これまで世界中のさまざまな国をシングルのテーマにしてきたパンダドラゴンですが、10作目「じゃぱかわんだほー」のテーマは日本です。

ようた 今、ありがたいことにパンダドラゴンに対してかわいいイメージやポップな印象を持っていただくことが多くて。その中で、母国である日本をテーマに、衣装も楽曲も振付もジャパンの“かわいい”に振り切った曲を10thシングルという区切りのいいタイミングで出せるのがすごくうれしいです。

──かなりアップテンポでキャッチーな曲ですが、最初に聴いたときはどんな印象を持ちましたか?

ぱっち 「かわいい!」って思いました。

ようた 「すごい!」って言っちゃいました(笑)。

ぱっち “かわいい日本代表”を意味する「レぺゼンKAWAII JAPAN」という歌詞が盛り込まれているんですが、シングルを通していろいろな国を回ってきた中、自分たちの国を背負う意思が表れていると思います。パンダドラゴンをこれからどういうグループにしていきたいか、それを皆さんにお伝えできる曲だなと感じましたね。

なぎ サビ前に「いっちょやったるか!」というセリフがあって。「ここめっちゃ言いたい!」と思ってたら自分のパートになったので、すごくうれしかったです。毎回「いっちょやったるか!」という気持ちで歌ってます(笑)。

パンダドラゴン

パンダドラゴン

ぱっち このパート、絶対なぎだと思った。

なぎ 本当? それはうれしい。

ぱっち 「いっちょやったるか!」のパートは、2番だと「セーのハイタッチ!」というセリフになるんですが、そこは僕の担当なんです。1番でなぎがカッコよく元気に決めてくれてるので、僕もそれに後押しされて元気よく「みんなと一緒に!」という気持ちを込めて歌ってます。

たいが 僕はいつも以上に楽しくかわいく歌うことを意識しました。ぶりぶり!って感じを見せられたらいいなって。

ぱっち 「自分の『好き』に正直であれ」っていうパートは、たいがにぴったりだなと思いました。説得力がある。

たいが そこは自分としても歌えてうれしかったかも。

あづ 「じゃぱかわんだほ~」では初めてMedansyさんに作詞作曲を手がけていただいたんですが、アップテンポで言葉が詰まっているところが特徴で。1Aに自分とようたががっつりラップするパートがあるんですが、あまりやったことがないアプローチなので難しかったです。Medansyさんにやり方を教わりながらレコーディングしました。

ようた 最初はデモの仮歌に寄せて歌ったんですが、Medansyさんが「もっと自分らしく歌ってもいいよ」と言ってくださったこともあり、いろいろな歌い方を試しながら楽しくレコーディングできました。

なるき ありがたいことに、9枚目のシングル曲「パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!」はたくさんの方に聴いていただいて。そのあとに発表する作品ということもあり、デモを聴いた瞬間に制作陣の本気を感じました。「これは自分たちもちゃんとついていかなきゃいけない」と思って、いつも以上に本気でレコーディングしましたね。この曲もたくさんの人に聴いてもらいたいです。

ようた

ようた

なるき

なるき

──歌詞がグループの核心を突くようなものになってますね。

ぱっち そうですね。「楽しいは正義」とか「楽しむことに全力」というフレーズは自分たちに合ってるなと思いました。もちろん仕事としてやらせていただいているものの、僕たちはとにかくアイドルの活動を楽しんでる。ファンの方からも「パンダドラゴンのステージは本当にメンバーが楽しそう」とよく言ってもらえるので、この曲を通してよりそういう部分が伝わってほしいなと思ってます。

──「新時代はすぐそこに来てる」という歌詞で曲が始まるのも印象的です。

ぱっち なかなか大きいことを言ってるなと思いました。この歌詞に負けないようにしなきゃって。あと、最後の歌詞は「ずっとずっと一緒だ」なんですよ。

あづ こういった取材もそうですし、これまであまり経験できていなかったことを今どんどんやらせてもらっているところで。「ずっとずっと一緒だ」という歌詞には、ファンの皆さんと一緒に新しい景色を見に行きたいという気持ちが表れていると思います。

たいが サビ前の「譲るな世界のセンター」みたいなパワーのある歌詞って、ステージを愛して本気でこの仕事に向き合ってるアイドルだからこそ100%の力で届けられるフレーズだと思うんです。自分たちもこの歌詞の通り、たくさんの愛を届けていって“かわいい”の中心に立てるようなグループになりたいです。

ぱっち なぎ的には「もぐもぐして作るぜワンダーランド」というフレーズがグッときたんじゃない?

ようた そこ、なぎっぽい!(笑)

なぎ 自分は食べるのがすごく好きなので(笑)。

ようた 「ワールドスタンダードへ」という歌詞のあとに「どうかどうか叶いますように」って僕のパートが来るんですが、リーダーをやらせてもらっている僕が真ん中で小指を前に出して、ほかのメンバーもそこに小指を合わせる振付になっていて。僕らの気持ちとファンの皆さんの気持ちをひとつにするという思いが込められています。歌っていると「みんなでがんばろう」って気合いが入りますね。パンダドラゴンの曲はライブで披露したときに会場全体に一体感が出るものが多くて、6年間の活動で築き上げたファンの皆さんとのチーム感をすごく感じられるんです。「じゃぱかわんだほー」にもそういう要素がぎゅっと詰まってると思います。

多様化が進んでいるメンズアイドルシーン

──「誇れるカルチャー」という歌詞もありますが、今のメンズアイドルシーンを引っ張っていこうという気概はありますか?

ようた そういう心意気はありますね。

ぱっち かわいいメンズアイドルグループって日本ならではの文化だと思うんです。“KAWAII”って海外でも通じる言葉になっていますし、「パンダドラゴンこそが日本のアイドル」と言ってもらえるようになりたいですね。これまでは目の前のことに対して一生懸命がんばってきましたが、「じゃぱかわんだほー」の歌詞には世界を意識するようなワードがたくさんあるので、もっと高みを目指して、応援してくれる皆さんを大きな場所に連れて行きたいという気持ちが芽生えてきました。“楽しい”という気持ちがアイドル活動の原点なので、楽しみながらみんなと上を目指したいなって、この曲を歌いながら感じています。

あづ 去年、タイと香港のイベントに出させてもらったんですが、日本に来たくても来られなかったファンの方の声を直接聞くことができて、僕たちが思ってるよりもいろいろなところにファンの方がいることを知りました。これからは海外でもっとライブができたらいいなと思っています。

たいが 海外でのライブは日本とは雰囲気がめっちゃ違いました。すごく盛り上げてくれた。

あづ たまたま近くを通ってライブを観てくれた人たちも一緒になって盛り上がっていて、それが新鮮でした。アウェイかと思っていたんですけど、日本語の歌詞もしっかり歌ってくれて。言葉が通じなくてもダンスやメロディを通じて伝わるものがあるんだと実感しました。

たいが

たいが

あづ

あづ

ぱっち それにつられて、日本から応援に来てくれたファンのみんなもいつもよりボルテージが上がってたよね。

たいが わかるわかる。

ぱっち そういう光景を見ると自分たちもさらに楽しくなります。また海外でライブができたらいいですね。

なぎ タイでは和服っぽい衣装でライブをやったんですが、歩いていたら「写真を撮りたい」とたくさんの人に声をかけていただいたので、日本のカルチャーは愛されてるなと思いました。

──昨年末にはパンダドラゴンを含むメンズアイドル計38組によるプロジェクト「リアルアイドルプロジェクト」が始動しましたが、皆さんは今のメンズアイドルシーンをどう捉えていますか?(参照:リアルアイドルプロジェクト特集|計38組のメンズアイドルを代表して双極スペクトラムが登場

ぱっち 多様化が進んでいるなと思います。「リアルアイドルプロジェクト」のイベント「リアルアイドルフェスティバル」に2日間参加させていただいたのですが、カッコいい系からかわいい系まで本当にいろいろなコンセプトのアイドルがいました。ひと昔前のメンズアイドルは基本的にカッコいい系のグループが多かったんですが、今はすごく細分化されていて。間口が広がったことでアイドルを目指す人が増えて、これからもっといろいろなグループが出てくるんじゃないかな。

ようた 僕はもともとメンズアイドルに詳しくなかったので、同じ事務所の先輩方が基準だったんです。「リアルアイドルフェスティバル」で、衣装も楽曲も振付もいろいろなタイプのアイドルの方を目にしたことで「自分たちらしさを貫きたい」と思いました。ポップでかわいいイメージや、自分たちが貫いてきた信念をより確立したいなって。

──信念として一番重きを置いているのはなんでしょう?

ぱっち 楽しむことに全力、ってことじゃない?

たいが そうかも。

なぎ

なぎ

ぱっち

ぱっち

ようた 初心を忘れず、1つひとつ着実に自分たちがいいと思ったことをやっていこうってずっと一致団結してます。僕はポンコツって言われることが多いんですが(笑)、足りないところはメンバー同士で補い合っていて、そうやってみんなでがんばってる姿が好きだと言ってくれるファンの方も多いです。僕もそういう姿こそがパンダドラゴンだと思っているので、その姿勢を変えず大切にしていきたいですね。