SILENT SIREN、サプライズに満ちた年末ツアーファイナル

12月30日、SILENT SIRENが東京・東京体育館で「2016 年末スペシャルライブ Dream on!」を行った。

この公演は、サイサイにとってワンマンライブとしては2016年ラストを飾るもの。12月22日の愛知・ 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール、24日の大阪・大阪国際会議場 グランキューブ大阪に続くツアーのファイナルとなり、会場には約8000人のサイファミ（サイサイファン）が詰めかけた。

開演時に客電が落ちると、ステージを覆う紗幕にサイサイのキャラクター・サイサイくんが登場するオープニング映像が映し出される。そこでは“夢を抱くことの大切さ”“夢を叶えるための努力”という、今回のツアーのテーマを表現した物語が展開されていく。そして紗幕がゆっくり開くと、ステージにはカラフルに彩られた巨大なバルーンが。バルーンが弾けた瞬間にサイサイの4人が登場し、彼女たちが演奏する「Stella☆」でライブは幕を開けた。

曲頭ですぅ（Vo, G）は、「そしたらいつか辿り着くよね、東京ー！」と歌詞を変えて客席を煽る。「ラッキーガール」「Ring Ring Ring」では楽しい振り付けやクラップでオーディエンスを沸かせ、ロックな側面を見せる「女子校戦争」「八月の夜」では場内を揺さぶる“oiコール”を巻き起こした。中盤にはライブでおなじみの“サイサイコーナー”も。今回は「Dream on!」というツアータイトルにちなみ、サイファミから募った“夢”をその場で叶えていくという施策を展開。選ばれた2組のカップルのうち、サイサイがきっかけで結婚することになったという2人にはウエディングソング「ハピマリ」が生演奏でプレゼントされた。温かなムードで会場を包んだバンドは、さらにバラード2曲を続けて披露。ひさびさに歌われたインディーズ時代の楽曲「セピア」では、今回のツアーのために撮り下ろされたというミュージックビデオが流され、続く「ストロベリームーン」では、すぅの腰かけた三日月型のセットがゆっくりと上昇するという演出が観客を沸かせた。

ツアーごとにメンバーの1人がステージセットや演出、セットリストなどを考えるツアーリーダー制を導入しているサイサイだが、今回のツアーでリーダーを務めたのはゆかるん（Key）。彼女は「このライブを夢みたいに楽しいものにしたいと思いました。夢を大切にして欲しいという気持ちを込めました。あきらめない限り夢は続いていきます」「みんなのネガティブな感情を打ち砕くパワーをサイサイのライブで作りたいと、私は本気で思っています！」と本ツアーに込めた思いを語る。ライブの終盤では、ゆかるん扮するDJ YUKAKOOの繰り出すダンスビートに合わせて、LEDサングラスをかけたすぅ、あいにゃん（B）、ひなんちゅ（Dr）が花道の先に用意されたセンターステージでモンキーダンスを披露した。さらにオーディエンスがタオルをぐるぐると回した「ぐるぐるワンダーランド」、歌詞の内容を忠実に再現したMVが流された「吉田さん」とキラーチューンが連発され、ラストは特設ツアーサイトでの企画に応募し幸運にも当選したサイファミによるチェリボムダンサーズがステージに登場して大きな盛り上がりを見せた「チェリボム」で本編は終了した。

アンコール前には、ユニバーサルミュージック内のEMI Recordsへの移籍や、移籍第1弾シングル「フジヤマディスコ」とメンバーによるセレクションアルバム「Silent Siren Selection」を3月1日に同時リリースすることがアナウンスされる。歓喜するサイファミたちの声に呼びこまれるように再びステージに姿を現した4人は、早速新曲「フジヤマディスコ」を披露してオーディエンスを躍らせた。演奏後、すぅは「私たちはてっぺん目指します。ガールズバンドの頂点を目指します。てっぺんは遠いし、いつまでかかるかわかんないけど全力で行くんで、みんなも全力でついてきてください！」と語り、最後に「ビーサン」を力強く演奏して約2時間半にわたるライブを完結させた。

終演後には6月にスタートする全26公演の全国ツアー「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017『新世界』」の日程と、そのファイナル公演が11月13、14日の日本武道館2DAYSであることが発表される。さらにこのライブをもってバンド名もSILENT SIRENと大文字表記に改めることが明かされ、サプライズに満ちたツアーファイナルは幕を下ろした。