Aimerツアー完遂、伝統のコンサートホールで新たな“夜明け”を祝福する

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11月3日、Aimerのツアー「DAWN」の最終公演が東京・昭和女子大学 人見記念講堂で開催された。

「Aimer Live Tour "DAWN"」東京・昭和女子大学 人見記念講堂公演の様子。(写真提供:SME Records)

「Aimer Live Tour "DAWN"」東京・昭和女子大学 人見記念講堂公演の様子。(写真提供:SME Records)

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自身2度目のツアーとなった「DAWN」でAimerは、美術館、教会、能楽殿など彼女自身がセレクトした全国6会場でライブを実施。その最終公演となった人見記念講堂には超満員のファンが駆けつけた。

7月リリースのアルバム「DAWN」のオープニングも飾る、スタンダードナンバー「MOON RIVER」をステージ最前線に張られた透過型スクリーン越しに歌ったAimerは、スクリーンという幕を文字通り切って落とすと、「DAWN」収録の「Believe Be:lieve」「Noir! Noir!」の軽快なメロディをホールいっぱいに響かせた。

Aimer(写真提供:SME Records)

Aimer(写真提供:SME Records)[拡大]

その後もAimerはドラム、ベース、ツインギター、キーボードからなるバンドとともに国内有数のコンサートホールの音響設計を生かしたパフォーマンスを繰り広げる。まず原曲でも印象的な旋律を奏でるアコースティックギター、ピアノを魅せるアレンジで「Re:pray」を披露し、続く「Re:far」ではオルゴールの音色を存分に聴かせてみせる。また「コミュニケーションをとりましょうか」とオーディエンスと手を振り合う、コミカルで不思議なMCタイムののちには、彼らの神奈川・横浜アリーナ公演で競演し、「尊敬するバンド」と語るONE OK ROCKの「Heartache」をアコースティックギターにブラシマレットのドラムという原曲以上にオーガニックなセットでカバーし、続く菅野よう子プロデュースの「誰か、海を。」では原曲で菅野が見せた不穏なピアノの低音でホールを包み込んだ。

ライブ中盤、ツアー各地でご当地ソングを歌ってきたと語ったAimerは「でも東京にはご当地ソングがたくさんありすぎて『これだ!』って曲がないんですよね」とポツリ。ツアーファイナルではバンドメンバーからのリクエスト曲を即興で歌うことになっているため、そわそわしていると苦笑いを浮かべる。これを受け「11月3日は手塚治虫の誕生日であることからマンガの記念日に制定されています」と切り出したバンドメンバーはリクエスト曲に関するヒントを提供。彼らの「バカ力のすご腕を振るう子供」などのヒントを聞いた彼女は「わかった!」と地声のまま「空をこえて ラララ 星のかなた」と「鉄腕アトム」を歌い出すも、バンドメンバーはブーイング。「ガチ度が足りない!」「今のじゃ4馬力、原付程度。10万馬力でお願いします」と叱られたAimerは、自曲を歌うときの声色とテンションで「鉄腕アトム」を高らかに歌い上げ、バンドメンバーとオーディエンスの笑顔と拍手を集めてみせた。

「Aimer Live Tour "DAWN"」東京・昭和女子大学 人見記念講堂公演の様子。(写真提供:SME Records)

「Aimer Live Tour "DAWN"」東京・昭和女子大学 人見記念講堂公演の様子。(写真提供:SME Records)[拡大]

これに「この空気のままアップテンポの楽曲で」と笑顔を見せたAimerは2012年の1stフルアルバム「Sleepless Nights」から3作目「DAWN」まで、連作形式で収録していた「AM02:00」「AM03:00」「AM04:00」という3つのダンスチューンをメドレー形式で披露。オーディエンスを踊らせると、エレクトリックなダンスナンバー「After Rain」を畳みかける。さらにフォークトロニカテイストの「星の消えた夜に」ののちには、「LAST STARDUST」「Brave Shine」という2つのヘヴィロックライクなキラーチューンを、エモーショナルながらもどこかポップにお色直しして投下。そして2014年の1stツアーの途中、声が出なくなるアクシデントに見舞われたこと、その不安に苛まれながらもファンの声に支えられてツアーを完遂できたことを噛みしめるように語り、そのファンの前で2度目のツアーを締めくくれたことを「1つの“夜明け”だと思う」と語った彼女は「DAWN」を優しく歌い上げて、ステージをあとにした。

その直後に巻き起こった盛大なアンコールに応え、もう1つのキラーチューン「StarRingChild」を歌ったツアーTシャツ姿のAimerは「初めてツアーTシャツを作ってみました。そして着てみました」とノンキにMCをスタートさせるも、その直後には一転。「今日はみなさんのおかげで夜明けの先がとても楽しみになる夜を過ごせました」「こうやって多くの人たちが集まって素敵な夜を作ることができたのは本当に素晴らしいことだと思います」とシリアスかつ優しく語りかけ「キズナ」を歌うと、客席がスタンディングオベーションを送る中、改めて舞台袖へと歩を進めた。

しかしそれでもスタンディングオベーションは鳴り止まず、Aimerはキーボーディストとともにステージに。そしてステージ上のスツールに腰掛けた彼女は「夜が明けても大切にしたい始まりの歌を」とデビュー曲「六等星の夜」をピアノ1本を背に披露して「皆さん、おやすみなさい」とこの日の公演と「DAWN」ツアーを締めくくった。

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Aimer Live Tour "DAWN"
2015年11月3日 昭和女子大学 人見記念講堂 セットリスト

01. MOON RIVER
02. Believe Be:lieve
03. Noir! Noir!
04. あなたに出会わなければ
05. 君を待つ
06. Re:pray
07. Re:far
08. Heartache
09. 誰か、海を。
10. AM02:00~AM03:00~AM04:00
11. After Rain
12. 星の消えた夜に
13. LAST STARDUST
14. Brave Shine
15. DAWN
<アンコール>
16. StarRingChild
17. キズナ
<ダブルアンコール>
18. 六等星の夜

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炎尾燃(みやん) @honoo_moyuru

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