バンドは最新アルバム「Burning tree」のリリースに合わせて、4月3日の東京・赤坂BLITZ公演から全国18カ所を巡るツアーを実施。最終日となったこの日、彼らはライブ本編でMCを一切挟まずに楽曲を届けた。
ステージがやわらかな光に照らされ、バンドが丁寧な演奏で「IPA」からライブをスタートさせると、観客はじっと田中和将(Vo, G)の歌声に耳をこらす。続いて田中の「こんばんはー! とーよーすーPIT!」というエネルギッシュな声を合図に西川弘剛(G)によるキャッチーなリフが響いた「Empty song」で、オーディエンスは手を上げたり体を揺らしたりして楽曲を楽しんだ。その後彼らは「SOUL FOUNDATION」「Tinydogs」と旧曲を連投しファンを喜ばせる。
ニューアルバムのオープニングナンバー「Big tree song」で、彼らはウォータードラムや鉄琴といった多様な楽器を用いて曲の世界観を表現。ひとしきりクラップで盛り上がったオーディエンスに対し、金戸覚(B)が再度クラップを煽ると「Darlin’ from hell」へ。賑やかなサウンドに観客は思い思いに身を委ねた。その後バンドはカントリー調の「片側一車線の夢」で場内に温かい空間を作り出し、「死番虫」ではそれを一気にシリアスなムードへと変えていく。その後「疾走」「覚醒」などキラーチューンを立て続けに披露した5人は、熱量のあるプレイでフロアを高揚させた。田中の歌声と亀井亨(Dr)の低音コーラスが美しく重なった「サクリファイス」では、西川が歪んだギターサウンドを繰り出すと田中は徐々に声を張り上げていく。本編ラストの「吹曝しのシェヴィ」で彼は時折空を仰ぎ、両手でスタンドマイクを握り締めながら歌声を響かせた。
アンコールで田中は右手を高く上げて登場し、「アンコールサンキュー! 愛してますジャパン! また来日するぜー!」と挨拶。観客の笑いを誘ったのち、「今日はしゃべらず演ったんですが、ここで皆さんに言っておかなくてはならない重大なことがあります。びっくりしないでくださいね」と前置きしてから、9月12日に東京・日比谷野外大音楽堂で6年ぶりにワンマンライブを行うことを発表してオーディエンスを沸かせた。
「日本大好きだぜー! また来るぜー! アンコールやるぜー!」と声を上げた田中はそのままカウントをとって「NOS」へ。彼は気だるげに歌い始め、ときにシャウトを織り交ぜて観客を魅了した。「羽根」を披露したあと、田中はその場で足を高く上げながら足踏みを開始。フロアは笑いに包まれるも、金戸のベースラインから「アンチ・ハレルヤ」がプレイされるとどよめきと歓声が起こる。そして「じゃあ最後にひさびさにあれいくぜ! カモン!『B.D.S.』!」という田中の叫びに続いて、5人はラストナンバーの「B.D.S.」を顔を見合わせながらグルーヴィに演奏。たくさんの拍手に包まれながらステージをあとにした。
なお彼らは9月12日の日比谷野外大音楽堂公演のほか、26日にも大阪・大阪城音楽堂にて単独公演を実施する。
GRAPEVINE「GRAPEVINE tour2015」
2015年6月6日 豊洲PIT セットリスト
01. IPA
02. Empty song
03. SOUL FOUNDATION
04. Tinydogs
05. スラップスティック
06. アルファビル
07. MAWATA
08. 1977
09. 流転
10. Big tree song
11. Darlin' from hell
12. 片側一車線の夢
13. 死番虫
14. Weight
15. Silverado
16. KOL(キックアウト ラヴァー)
17. 疾走
18. Esq.(エスクワイヤー)
19. 覚醒
20. サクリファイス
21. 吹曝しのシェヴィ
<アンコール>
22. NOS
23. 羽根
24. アンチ・ハレルヤ
25. B.D.S.
GRAPEVINEワンマンライブ
2015年9月12日(土)東京都 日比谷野外大音楽堂
2015年9月26日(土)大阪府 大阪城音楽堂
関連商品
リンク
- GRAPEVINE OFFICIAL WEBSITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
🍤 @aiirosekai
GRAPEVINE、MCなしで駆け抜けた全国ツアー千秋楽 - 音楽ナタリー http://t.co/lh5YUh1aMt