荒天に負けぬ豪華15組競演、ワーハピ2014

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8月10日に東京・夢の島陸上競技場にて「WORLD HAPPINESS 2014」が開催された。

高橋幸宏 & METAFIVEとスペシャルゲストの細野晴臣、土屋昌巳。(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

高橋幸宏 & METAFIVEとスペシャルゲストの細野晴臣、土屋昌巳。(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

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この日は台風11号が本州に接近し、開催7年目にして初の荒天に見舞われたワーハピ。開演前は晴れ間すら見える天気模様だったが、1組目のPUFFYがステージに登場した頃には雨が降り出した。PUFFYがヒット曲を次々に歌っていくうち、雨は激しさを増し豪雨状態に。2人は髪や衣装がずぶ濡れになりながらも力強いパフォーマンスを繰り広げ、波乱の幕開けを飾った。次のねごとのステージでは一転雨が止み、真心ブラザーズがPUFFYの豪雨パフォーマンスをうらやむMCをした途端に再び降り出し、赤い公園では激しい雨と、変わりやすい天候に悩まされながらイベントが進んでいく。

高橋幸宏 with In Phaseのパフォーマンスの様子。(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

高橋幸宏 with In Phaseのパフォーマンスの様子。(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)[拡大]

中盤にはワーハピのキュレーターでもある高橋幸宏がIn Phaseとともに登場。“究極の晴れ男”という異名を持つ高橋は見事に雨を止め、パフォーマンスがスタートした。In Phaseのメンバーは昨年リリースしたアルバム「LIFE ANEW」のレコーディングメンバーを中心に構成された、ジェームス・イハ、高桑圭(Curly Giraffe)、堀江博久、ゴンドウトモヒコ、鈴木俊治という面々。ゆったりと進むサウンドやAORのグルーヴ、彼らが醸し出す雰囲気に、観客は身を委ねて楽しんでいた。

くるり(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

くるり(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)[拡大]

その後は、ヒトリエきゃりーぱみゅぱみゅ、お笑いトリオのポカスカジャン、ワーハピ初登場のくるりceroと、バラエティ豊かな面々が続く。このうちシークレットゲストであるポカスカジャンの3人は「ガリガリ君」のCMソングや音楽を絡めた持ちネタを次々に披露し、場内を爆笑の渦に巻き込んだ。また、くるりはノスタルジックで退廃的な香りのする「ハヴェルカ」を最初に送ると、4曲目の「ワールズエンド・スーパーノヴァ」で広い会場を巨大なダンスフロアに変え、“東京のフェス”にちなんで「東京」でステージを締めくくった。

細野晴臣はワーハピの第1回から欠かさず参加しているが、ソロ名義での出演はこれが初めて。最近のツアーに同行している高田漣(G)、伊賀航(B)、伊藤大地(Dr)、野村卓史(Key)に加え、はっぴいえんど時代からの盟友・鈴木茂(G)という盤石のサポートメンバーを従え、アルバム「HoSoNoVa」や「Heavenly Music」の収録曲など10曲を歌った。

No Lie-Sense(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

No Lie-Sense(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)[拡大]

鈴木慶一とKERAが2013年に結成した新ユニット・No Lie-Senseでは、アバンギャルドとポップな感性が織り交ざったサウンドが響き渡り、大粒の雨と強風が借景となってシアトリカルなパフォーマンスに。セットリストはデビューアルバム「FIRST SUICIDE NOTE」から選りすぐった内容となった。ムーンライダーズ「だるい人」のセルフカバーが演奏されると、場内のライダーズファンは歓喜の声を上げていた。

電気グルーヴ(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

電気グルーヴ(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)[拡大]

次は電気グルーヴ。ピエール瀧が「本日のスペシャルゲストは台風11号です!」と叫び、豪雨の中でライブを始める。この日のステージで披露された「TECHNOPOLIS(Denki's Techtropolis-RMX)」は、2000年発売の「YMO-REMIXES」に収められた電気グルーヴによる「テクノポリス」のリミックスで、スクリーンには赤い人民服などYMOを想起させる映像が次々に映し出される。彼らのYMOに対する愛とリスペクトがあふれたパフォーマンスに、フィールドのボルテージは急上昇した。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)[拡大]

LEFT STAGEのトリである奇妙礼太郎トラベルスイング楽団は、ご機嫌なロックンロールチューン「どばどばどかん」を皮切りに、笠置シヅ子や松田聖子のカバーと多彩な楽曲群を届ける。奇妙礼太郎の自在に飛び回るボーカルに12人編成のバンドが放つにぎやかなサウンドが合わさり、電気グルーヴの勢いを受け継いで会場を盛り上げ、大トリにつなげる。

ラストを務めたのは高橋幸宏 & METAFIVE。In Phaseが生音を中心としたロックであるのに対し、METAFIVEは1980年代のサウンドを忠実に再現する原理主義テクノ。彼らは初めに「KEY」「BALLET」とYMOのナンバーを続けて演奏し、3曲目には映画「攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone」のエンディングテーマとなる新曲「Split Spirit」を送った。本編の最後は高橋が1981年にリリースした「NEUROMANTIC」収録の「Something In The Air」で締めくくる。

高橋幸宏 & METAFIVEとスペシャルゲストの細野晴臣、土屋昌巳。(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)

高橋幸宏 & METAFIVEとスペシャルゲストの細野晴臣、土屋昌巳。(Photo by Taem LIGHTSOME 三浦憲治)[拡大]

アンコールでは、スペシャルゲストとして細野晴臣と土屋昌巳が参加した。2人が高橋とステージで共演するのはツアー「YUKIHIRO TAKHASHI TOUR '82 WHAT ME WORRY」以来32年ぶり。高橋は細野を紹介する際「1人足りないけど……」とつぶやき、アンコール1曲目にYMOの「中国女」を演奏した。そして最後に演奏されたのは1981年のアルバム「BGM」に収録された「CUE」。こうして15組のアーティストが参加し、8時間以上におよんだ今年の「WORLD HAPPINESS」は幕を閉じた。

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「WORLD HAPPINESS 2014」
2014年8月10日 夢の島陸上競技場 セットリスト

PUFFY

01. Basket Case
02. サーキットの娘
03. 愛のしるし
04. これが私の生きる道
05. DOKI DOKI
06. 渚にまつわるエトセトラ
07. アジアの純真

ねごと

01. ループ
02. メルシールー
03. アンモナイト!
04. カロン

真心ブラザーズ

01. 空にまいあがれ
02. Sometime 時々
03. ふっきれてる
04. マイ・リズム
05. どか~ん
06. I'M SO GREAT!
07. ENDLESS SUMMER NUDE

赤い公園

01. 今更
02. 絶対的な関係
03. サイダー
04. 風が知ってる
05. ふやける

高橋幸宏 with In Phase(James Iha×高桑圭[Curly Giraffe]×堀江博久×ゴンドウトモヒコ×鈴木俊治)

01. Looking For Words
02. Last Summer
03. Follow You Down
04. Where Are You Heading To?
05. To Who Knows Where
06. Shadow / All That We Know
07. World In A Maze

ヒトリエ

01. センスレス・ワンダー
02. アンチテーゼ・ジャンクガール
03. るらるら
04. カラノワレモノ

きゃりーぱみゅぱみゅ

01. ピカピカふぁんたじん
02. きらきらキラー -Extended Intro Ver-
03. みんなのうた
04. KPP シングルメドレー(CANDY CANDY~PON PON PON~つけまつける)
05. にんじゃりばんばん
06. インベーダーインベーダー
07. ファッションモンスター -Extended Mix-

ポカスカジャン

01. ポカスカジャンのテーマ
02. ドラえもん絵描き歌
03. ガリガリ君のうた
04. 森のメリーアン~星空の下のマジンガーZ
05. アリスの少女ハイジ
06. Let it be かくれんぼ
07. ポカスカジャンのテーマ

くるり

01. ハヴェルカ
02. 三日月
03. Morning Paper
04. ワールズエンド・スーパーノヴァ
05. Liberty & Gravity
06. ブレーメン
07. 東京

cero

01. マウンテン・マウンテン
02. Contemporary Tokyo Cruise
03. Elephant Ghost
04. Yellow Magus

細野晴臣

01. Angel On My Shoulder
02. Dear Prudence
03. Chinese Skater
04. バナナ追分
05. A Cheat
06. Ain't Nobody Here But Us Chickens
07. Body Snatchers
08. 29 Ways
09. Tutti Frutti
10. House Of Blue Lights

No Lie-Sense(鈴木慶一&KERA)

01. けっけらけ
02. だるい人
03. DEAD OR ALIVE(FINE, FINE)

電気グルーヴ

01. ハロー!ミスターモンキーマジックオーケストラ
02. SHAME
03. SHAMEFUL
04. ズーディザイア
05. ガリガリ君
06. FLASHBACK DISCO
07. Shangri-La
08. TECHNOPOLIS(Denki's Techtropolis-RMX)
09. あすなろサンシャイン

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団

01. どばどばどかん
02. タンバリア
03. 東京ブギウギ
04. SWEET MEMORIES
05. ビールの歌

高橋幸宏 & METAFIVE(小山田圭吾 × 砂原良徳 × TOWA TEI × ゴンドウトモヒコ × LEO今井)

01. OPENING~Key
02. Ballet
03. Split Spirit
04. Radio
05. Turn Turn
06. Still Walking To The Beat
07. Something In The Air
<アンコール>
08. 中国女
09. CUE

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※記事初出時、セットリストおよび本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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