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ゆるめるモ!、超満員のリキッドで涙の別れ

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左からしふぉん、ゆいざらす、あの、ようなぴ。(Photo by ElNinoTheIdol / mel house)

左からしふぉん、ゆいざらす、あの、ようなぴ。(Photo by ElNinoTheIdol / mel house)

ゆるめるモ!が8月9日に東京・LIQUIDROOM ebisuで初のワンマンライブ「2014:A Space Odyssey On Liquid RooMo! ~リキッドルーモ!号で行く、2014年宇宙の旅~」を開催した。この日をもって黄色担当メンバー・ゆいざらすが卒業するということもあって、会場には現編成での彼女たちのラストステージを見届けるべく多くのファンが集結。当初は会場の規模の大きさゆえファンからも本人たちからも動員数への不安の声が集まっていたが、ライブが開演すると1000人を超える観客がフロアを埋め尽くしていた。

掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)によるニューウェイブ名曲選DJが会場を温めたのち、先日から体調不良のため休養中のゆみこーんを除く、ゆるめるモ!のメンバー7人がステージに登場。箱庭の室内楽の10人を従えて、序盤は箱庭の室内楽とのコラボ盤「箱めるモ!」の収録曲や、ハシダカズマ(箱庭の室内楽)が作曲したゆるめるモ!の楽曲が生バンドによる厚いアンサンブルで次々と披露されていった。ESGをオマージュした「あさだ」「アーメン」では客席でもあちこちで観客がカウベルを叩き、「木曜アティチュード」「虎よ」ではあのがエレキギターを演奏。また「木曜アティチュード」では途中で作詞を担当したDOTAMAがステージに現れてラップを披露し、さらにメンバーもDOTAMAの無茶ぶりで1人ずつフリースタイルラップに挑戦した。

Neu!を思わせるクラウトロック調の楽曲「SWEET ESCAPE」では、JOJO広重(G / 非常階段)と張替智広(Dr / キンモクセイ、HALIFANIE)がゲストプレイヤーとして参加し、バックバンドはトリプルギター&ツインドラムの12人編成に。力強さを倍増させたハンマービートに乗せて、渦を巻く暴力的なギターのフィードバックノイズが酩酊感を誘う。メンバーはくるくるとステージの上を舞いながら、ノイズを発し続けるJOJOのギターの弦に、1人ずついたずらをするように触れていた。

10分を超える「SWEET ESCAPE」のパフォーマンスが終わり観客が恍惚に浸っている中、メンバーが口々に「なんか私たちもバンドやってみたくなったねー」と言い出し、7人がそれぞれ思い思いの楽器を持つことに。ももぴがドラム、けちょんがアルトリコーダー、しふぉんがカウベル、ようなぴがベース、あのがギター、ゆいざらすとちー坊がソプラノリコーダーを担当し、つたないながらも愛嬌のあるローファイな演奏で「リキッドルーモ!」「ゆるゼロ」を歌った。

続いてゆるめるモ!の作詞を手がける小林愛のユニット・miamiが登場し、ゆるめるモ!は小林のサンプラー、かじやあいのバイオリンにあわせてmiamiのカバー「白玉ディスコ」を披露。また「生きろ!!」では「目に見えるのは7人だけかもしれないけど、私たちは8人でLIQUIDROOMに来たという気持ちです」というメンバーの言葉とともに、惜しくも病欠となったゆみこーんの等身大パネルがステージに持ち込まれ、さらにパフォーマンス中も、PVを再構成したゆみこーんのソロ映像がスクリーンに映し出された。このときファンからは、ゆみこーんを含む8人へのコールがこれまで以上に力いっぱい贈られていた。

その後、HALIFANIE(張替智広×小貫早智子)が作曲を手がけた新曲「Refresh your Jewellery box」の初披露を経て、この日のメインイベントであるゆいざらすの卒業セレモニーがスタート。スクリーンには彼女の加入が発表されたステージの模様や、彼女の短大合格をスタッフに祝福される様子、「学校が忙しくてレッスンに参加できず、みんなに迷惑をかけてしまう」と自らメンバーに脱退を告げた瞬間、そして脱退発表会見の模様など、彼女のこれまでを振り返るムービーが流れ、ファンは固唾を呑んでその映像を見つめた。ももぴが卒業証書を読み、ファンから届いた卒業アルバムと花束が手渡され、ゆいざらすの母が書いた手紙をちー坊が読み上げると、ゆいざらすもメンバーも思わず涙を見せる。その後、ゆるめるモ!なりの別れの歌「DO FUFU」「さよならばかちゃん」が始まると、ゆいざらすのメンバーカラーである黄色のサイリウムで会場中が染まり、さらに彼女を笑顔で送り出すべくたくさんの黄色い風船がフロアに放たれた。

再びJOJO広重、張替智広がバンドに加わり、ライブは怒涛の音圧でラストスパートに突入。7人も壮大なサウンドに負けないほどの神々しさを感じさせながら「OO(ラブ)」「たびのしたく」をパフォーマンスした。本編最後の「なつ おん ぶる ー」ではビーチボールや浮き輪が観客の頭上を飛び交い、あの、ももぴがフロアにダイブしたりと、会場内はカオスな様相に。最高の盛り上がりの中、ライブは幕を下ろした。

満員の観客からの沸き上がった「ざらす」コールに呼び込まれたメンバーは、再びステージに登場し、円陣を組んでマイクを通さずに「8人最後のゆるめるモ!」とシャウト。アンコールに応えてエレクトロなダンスチューン「私の話、これでおしまい」を熱唱した。歌い終えたメンバーは順に、このライブに込めたそれぞれの思いや、今までゆるめるモ!に対して抱えていた感情などを吐露。この日で卒業するゆいざらすは「私がいなくなって寂しいとか、みんなが思ってくれるのかわかんないけど、私を好きでいてくれたことを後悔しないでもらえたらいい。私がいなくなってもずっとゆるめるモ!のことが大好きだったらいいなと思います」と挨拶し、けちょんは「こんなに人が集まるなんて、ゆるめるモ!をナメてた」と語った。

また、ももぴは「楽しくないことも多くて、なんでこんなことやってるんだろう、意味ないんじゃないかって何度も思ったんですけど、たくさんの人が来てくれるようになってうれしい」と涙声で胸の内を明かし、しふぉんも「ソロアイドルとしてずっと1人で戦ってきたけど、ゆるめるモ!に入って仲間ができた。ゆるめるモ!の一員としてまだ何もできてないのに、赤いサイリウムを振ってずっと私を観てくれる人がいっぱいいて、本当にうれしい」と涙で声をつまらせながらファンに感謝。ここでスタッフにより、この日の前売りチケットが完売したことがメンバーに伝えられ、会場いっぱいに歓喜の声が響き渡った。彼女たちは最後に声援を受けながら、箱庭の室内楽の演奏をバックに「逃げろ!!」を熱唱。過去に発表した全曲に新曲を加えた計28曲が、3時間10分という長い時間をかけてたっぷり披露された、ゆるめるモ!の集大成とも言える初のワンマンライブは大成功のうちに幕を下ろした。

ゆるめるモ!「2014:A Space Odyssey On Liquid RooMo! ~リキッドルーモ!号で行く、2014年宇宙の旅~」2014年8月9日 東京都 LIQUIDROOM ebisuセットリスト

01. ゆるトロ(slo-モ!)
02. Majiwaranai CAts
03. manual of 東京 girl 現代史
04. 私と私と私と私と私と私と私と私と
05. あさだ
06. アーメン
07. おこしてしまった?
08. 木曜アティチュード
09. 虎よ
10. SWEET ESCAPE
11. リキッドルーモ!
12. ゆるゼロ
13. べぜ~る
14. ゆるめるモん
15. 白玉ディスコ
16. 場viewer
17. ぺけぺけ
18. 生きろ!!
19. スキヤキ
20. Refresh your Jewellery box(新曲)作詞:小林愛 / 作曲:HALIFANIE(張替智広×小貫早智子)
21. DO FUFU
22. さよならばかちゃん
23. 花のドイリー
24. OO(ラブ)
25. たびのしたく
26. なつ おん ぶる ー
<アンコール>
27. 私の話、これでおしまい
28. 逃げろ!!

<演奏>
02~07、22、28:箱庭の室内楽
08~09、21:箱庭の室内楽、あの
10、24、25:箱庭の室内楽、JOJO広重、張替智広
11~12:ゆるバンド
20:箱庭の室内楽、張替智広

<ゲスト>
08:DOTAMA
15:miami

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