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佐々木希がセックス依存症の妻役で玉山鉄二と共演、野島伸司のHuluドラマ配信

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「雨が降ると君は優しい」

「雨が降ると君は優しい」

玉山鉄二佐々木希が共演するオリジナル連続ドラマ「雨が降ると君は優しい」が、Huluにて今秋配信される。

本作は、玉山扮する夫・信夫と佐々木演じるセックス依存症(性嗜好障害)の妻・彩の愛を描く物語。ドラマ「高校教師」「家なき子」などで知られ、「薔薇のない花屋」でも玉山とタッグを組んだ野島伸司が脚本を手がけた。ドラマ「女王の教室」の大塚恭司らが演出を担当する。

玉山は「恋愛ものは過去にあまりやったことがないので、女優さんとずっと目を合わせることに気恥ずかしさを感じる部分もありますが(笑)、今は何よりも“信夫として抱く感情”を大事にしながら撮影に臨んでいます」とコメント。佐々木は「このような女性を演じるのは初めてなので『すごい挑戦だな』とやりがいを感じますし、女優として新しい扉が開けている気もしています」と述べている。

雨が降ると君は優しい

Hulu 2017年秋配信スタート
※全8話

玉山鉄二 コメント

野島さんの作品には、子供の頃からたくさんの影響を受けてきました。ですが以前、野島さんが手がけられた作品に出演したとき、すごく悔しい思いをしました。そんなこともあり、今回のお話をいただいた時は「ここでいいものができたら、また違った景色が見えるのではないか」と意気込み、二つ返事で飛びつきました。
実を言うと、今回の台本を初めて読んだときは深く理解することができませんでした。でも、もっともっと深く掘り下げたいと思い、野島さんやスタッフの方々と食事に行ったときも「一字一句聞き逃すまい」と、話にアンテナを張り巡らせるあまり、何ひとつ食べなかったほどです(笑)。このドラマは昔のフランス映画のように、“観る人によって感じ方が違う愛の表現”を織り込んだ作品。僕が間違った方向に捉えていたらどうしよう……と、クランクインするまでは毎日が恐怖でした。ですが、実際に信夫を体に入れ、先入観やセオリーといった雑念をそぎ落としながら演じていくと、徐々にベースと方向性が見えてきました。恋愛ものは過去にあまりやったことがないので、女優さんとずっと目を合わせることに気恥ずかしさを感じる部分もありますが(笑)、今は何よりも“信夫として抱く感情”を大事にしながら撮影に臨んでいます。役者としての居心地はすごくいいです!
このドラマはディープな愛を描いています。日本の社会には「愛が優先順位の一番上に来る大人は、子供じみている」という先入観が根付いていますが、誰しも「なぜ愛が一番だと駄目なんだろう?」と感じることがあるだろうし、「信夫と彩のような愛を体感はせずとものぞいてみたい」という感覚を持っているはず。そんな方々にぜひ、ディープな愛を疑似体験していただきたいです。

佐々木希 コメント

野島さんの作品は重いテーマを扱いながらも、とても純粋で、それゆえに切なくて……。いつもキュンキュンしながら観ていました。今回の作品も、本当に純粋で、とってもとっても深い愛を描いたラブストーリーです。今回は夫婦が性嗜好障害をどう受け入れ、どんな道を選んでいくのかを描く物語。登場人物それぞれが、周囲の人たちも含めて、後々点と点がつながっていきますし、ビックリするような展開の連続です。私自身も台本を読みながら、早く次が読みたくて仕方なかったほど、引き込まれました!
私が演じる彩は性嗜好障害を患っていますが、夫のノブちゃんを心の底から愛している女性。自分ではどうしようもない分、ものすごい罪悪感に苛まれ、自分自身を嫌いになる瞬間もあるからこそ、ノブちゃんの前では“いい妻”であろうとします。私にはそんな彩が純粋ではかない女性に思えて、愛おしくなりました。だからこそ彩を演じていると、日々つらい気持ちになります。
その一方で、このような女性を演じるのは初めてなので「すごい挑戦だな」とやりがいを感じますし、女優として新しい扉が開けている気もしています。というのも、撮影中は泣かなくてもいい場面で泣けてきたり、ノブちゃんと眠るシーンで心から安心して、本当に寝そうになってしまったり……(笑)。すごく優しい玉山さんに引っ張っていただいているおかげもあって、自分でも「こんな感情になるんだ!」という新発見がたくさんあります。特に、症状が出たときや、カウンセリングを受けているときの彩は感情が定まらないので、演じ方がすごく難しいですが、「すごくいい経験をさせていただいているな」と感じています。撮影はまだまだ続きますが、彩は精神力も体力も必要となる役どころなので、最後まで集中力を切らさず、思いっきり楽しみたいと思います。

野島伸司 コメント

夫婦のラブストーリーを描こうと思いましたが、昨今流行りの浮気や不倫のドラマは私には興味がありません。“妻のセックス依存に対する罪悪感”、“夫の理解しようとする葛藤”という、心と身体の二律背反を描くことで、夫婦の愛の絆を試す極限状態の磁場を敷きました。
今回は芝居だけで寄せるにはハードルが高い役どころなので、役者には演技力はもとより、本人そのものにキャラクターとリンクする精神性を求めました。玉山くんの誠実でストイックなまでに完璧主義な性格は、信夫の“理解しえない妻の心の病に寄り添う絶望的な包容力”に哀愁を連れてきます。佐々木さんの純粋で美しい少女性は、彩の“罪悪感を持ちながらもどこかあどけない欠落感”に郷愁をもたらしてくれるでしょう。
私の中にいる作家は、極限状態に置かれた人間の本質を描きたがります。その極限状態自体が、地上波ドラマではコンプライアンスうんぬんと言われてしまう時代に、Huluが「ここなら描いていいよ」と言ってくれて、とても感謝しています。ソフトとして、最高峰のものを視聴者に捧げたいです。

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