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自主制作映画「種をまく人」、ギリシャの映画祭で監督賞と主演女優賞をW受賞

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第57回テッサロニキ国際映画祭より授賞式の様子。竹内洋介(左)と岸建太朗(右)。

第57回テッサロニキ国際映画祭より授賞式の様子。竹内洋介(左)と岸建太朗(右)。

第57回テッサロニキ国際映画祭のコンペティション部門にて、自主制作映画「種をまく人」が最優秀監督賞(ブロンズアレクサンダー賞)と最優秀主演女優賞の2冠に輝いた。

「種をまく人」は、精神病院から戻った光雄と、その弟の一家に起こる事件を描いた人間ドラマ。ダウン症の妹・一希を死なせてしまった長女・知恵のついた嘘が招く家族の崩壊と再生を映し出す。一希を弔うべく、ひまわりの種を植え続ける光雄を岸建太朗が演じ、竹内洋介がメガホンを取った。

撮影時、主演女優賞を獲得した知恵役の竹中涼乃には「生の感情を大事にしたい」という理由から、あえて冒頭部分のシナリオしか与えなかったという竹内。受賞の感想を「世の中には光を当てられずに生き続けている人がたくさんいます。そういう人たちがいるからこそ、こうして自分がいる。そのことを忘れずに、映画を作り続けていきたい」と語る。「永遠と一日」の撮影監督で、映画祭の最高責任者を務めたヨルゴス・アルヴァニティスは、受賞理由について「この映画にはコメントは必要ない。なぜなら映像がすべてを語っているからだ」と話した。

本作は、現在スウェーデンにて開催中の第27回ストックホルム国際映画祭ディスカバリー部門にも参加。日本での公開は2017年を予定している。

竹内洋介 コメント

小規模の予算で作った自主映画が、このような素晴らしい映画祭で名誉ある賞をいただけたこと本当にうれしく思います。
そしてこの映画に関わった素晴らしいスタッフとキャスト、ずっと支えてきてくれた家族、応援してくれた日本の人たち、そして私たちを温かく迎え入れてくれたギリシャの方々に心から感謝したいと思います。
この映画のもとになったゴッホという画家は生きている間は認められることがありませんでした。しかし死後、残された家族の力によって光を当てられ、現在私たちに多くのものを残してくれています。
私は今回偶然、このような形で光を当てられることになりましたが、世の中には光を当てられずに、影の中で生き続けている人たちがたくさんいます。そういった人たちがいるからこそ、ここにこうして自分がいる。
そのことを忘れずに、私はこれから映画を作り続けていきたいと思います。

(c)日本2016年 種をまく人製作委員会

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