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ギリシャの映画祭で「種をまく人」上映、制作のきっかけは被災地で見たひまわり

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第57回テッサロニキ国際映画祭より、オープニングセレモニーの様子。左から岸建太朗、ヨルゴス・アルヴァニティス、竹内洋介。

第57回テッサロニキ国際映画祭より、オープニングセレモニーの様子。左から岸建太朗、ヨルゴス・アルヴァニティス、竹内洋介。

現在ギリシャにて開催中の第57回テッサロニキ国際映画祭。現地時間11月4日、コンペティション部門に正式招待された自主制作映画「種をまく人」のワールドプレミア上映が行われ、監督の竹内洋介、キャストの岸建太朗が登壇した。

本作は、精神病院から戻った光雄と、その弟の一家に起こる事件を描いた人間ドラマ。ダウン症の妹・一希を死なせてしまった長女の知恵がついた嘘が招く家族の崩壊と再生の日々を映し出す。一希を弔うべく、ひまわりの種をひたすら植え続ける光雄を「ミュージアム」「桜、ふたたびの加奈子」の岸が演じている。

同映画祭のコンペティション部門は、主に新人監督の発掘を目的としたもの。会場にはテオ・アンゲロプロスが手がけた「アレクサンダー大王」「永遠と一日」の撮影監督で、映画祭の最高責任者を務めるヨルゴス・アルヴァニティスも来場。アルヴァニティスは「本当に素晴らしかった。ドキュメンタリーのように始まるので、まるで本当の話のように感じて苦しくなった」と感想を語った。

上映前の舞台挨拶にて、竹内は「このような素晴らしい会場、そしてもっとも尊敬する監督のアンゲロプロスが生まれたギリシャという国でワールドプレミア上映できることを心よりうれしく思います」とコメント。さらに「ゴッホの絵画を見て以来、彼が残した手紙や絵画をもとに映画を作りたいという思いがありました。そして、東日本大震災のときに荒廃した地で見た一輪のひまわりと、その半年後に産まれたダウン症の姪との関わりが、この映画を作るきっかけとなりました。本作の登場人物の感情に寄り添い、何かを感じ、考えるきっかけを持っていただけたらうれしく思います」と観客に語りかけた。

コンペティション部門の受賞結果は、現地時間13日に発表。なお本作は、スウェーデンで11月9日に開幕する第27回ストックホルム国際映画祭ディスカバリー部門への参加も決定している。

「種をまく人」は2017年に公開予定。

(c)日本2016年 種をまく人製作委員会

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