累計発行部数580万部を超える同小説が映画化されるのは今回が初。石田三成率いる西軍と徳川家康が指揮する東軍が激突した関ヶ原の戦いが描かれる。己の正義を信じ貫き通した三成を岡田が演じ、天下取りの野望に燃える家康役に
原田と初タッグを組む岡田は「日本で一番の大合戦『関ヶ原』が映画化されることを僕自身、今から楽しみにしています。歴史好きとして、本来の人物像に近いであろう『石田三成』を演じることができ嬉しく思います」とコメント。原田は「二十五年前、司馬遼太郎原作『関ヶ原』の映画化を熱望したことがあります。その時の心境は、単純に言えば、日本の歴史上、もっとも有名な『天下分け目の合戦』を日本映画の巨匠たちが描かなかった不思議への挑戦です」と原作や先人たちへの思いを語っている。
「関ヶ原」は2017年初秋に全国ロードショー。撮影は8月中旬より滋賀、京都を中心に行われ、国宝級の建造物でもロケが実施される予定だ。
※司馬遼太郎の遼はしんにょう2点が正式表記
岡田准一 コメント
日本で一番の大合戦「関ヶ原」が映画化されることを僕自身、今から楽しみにしています。
歴史好きとして、本来の人物像に近いであろう「石田三成」を演じることができ嬉しく思います。
原田眞人監督のもと役所広司さん、有村架純さんを始めとするキャストの皆様、スタッフの皆様と全力で撮影に挑みたいと思います。
役所広司 コメント
信長、秀吉など、数々の戦国武将の成功と失敗を間近に見て学んできた家康が、
人生最大の大博打「関ケ原の戦い」に挑み、勝利するまでの心の動き、
今からワクワクしています。
有村架純 コメント
この度、初の時代劇に挑戦させていただくことになりました。
言葉や所作、アクション、一から覚える事がたくさんありますが
出演されるキャストの方々のお芝居を見て勉強しながら、
その時代を生きた人物として、石田三成の腰元として
女を忘れしっかりと役目を果たしたいなと思います。
精一杯頑張ります!
原田眞人 コメント
二十五年前、司馬遼太郎原作「関ヶ原」の映画化を熱望したことがあります。その時の心境は、単純に言えば、日本の歴史上、もっとも有名な「天下分け目の合戦」を日本映画の巨匠たちが描かなかった不思議への挑戦です。主役は島左近でした。原作の第一主役石田三成でもなく、第二主役徳川家康でもなく、第三の男である雇われ武将島左近の、最後の戦場としての関ヶ原に、強く惹かれたのです。
十八年前、「関ヶ原」を考えたときは司馬史観からは離れ、通説の「裏切り者」である小早川秀秋が主役でした。調べれば調べるほど、関ヶ原に於ける最年少武将19歳の秀秋の決断は裏切りではなく、年月をかけた豊臣の権威への「復讐」に違いないと思うに至ったからです。「徳川史観」は無論、勝者に都合のよい歴史書であり、多くの作家たちの秀秋軽視論の背景には若さへの侮りがあるのではないか、とも思えました。
その五年後、「ラスト サムライ」に出演することで大掛かりな合戦シーンを目の当たりにして、また新たな「関ヶ原」の構想が湧きました。
「ラスト サムライ」を超える日本発の世界戦略時代劇を作りたい!という思いです。
この時の主役は、島津維新入道。つまり、島津の退け口、と呼ばれる退却戦です。関ヶ原の戦場で、戦いの帰趨が決まるまで三成に味方することのなかった頑迷薩摩勢が、敗戦の途端、敵陣に向かって退却行を始め、合戦当初1500名いた将兵が、二週間後、故国にたどり着いた時には僅か88名だった、という、世界戦史史上の最も勇壮な「愚行」です。
こういった紆余曲折、あるいは人生の試練を経て、私がたどり着いた「関ヶ原」は、結局、司馬遼太郎原作の石田三成でした。
司馬先生は、太閤秀吉が天下を取った術を、「利害を持って説くだけで、正邪ではなかった」とし、秀吉が「天下に号令して以来十三年、なるほど世に秩序はできたが、利害で固まった秩序だ」としています。三成はそこに育ててくれた秀吉のこしらえた「悪」を見出し、「正義か不正義かと判断して」兵をあげるのです。
島左近が三成の家老になるキーワードは、「天下悉く利に走るとき、ひとり逆しまに走るのは男として面白い仕事」の一点です。そして、この一言こそ、今を生きる我々の指標とすべき生き方ではないでしょうか。
天下悉く利に走るとき、理念をもって流れと逆しまに走ることは、男にも女にも面白い仕事、生きる道なのです。
国家の在り方が問われるこの不確かな時代を生き抜くために、我々にはもう一度、それぞれの立場で「正義」を問い直し実践する急務があります。
正義とは一言で言えば、人間の価値です。
「人が国家を形づくり国民として団結するのは、人類として、個人として、人間として生きるためである。決して国民として生きるためでも何でもない」と言ったのは日本の自由主義者を代表するジャーナリストであり政治家であった石橋湛山です。リンカーン大統領とも通ずる「正義」の認識がそこにはありました。
今、三成の血を継承することの重要性を感じています。司馬遼太郎文学の素晴らしさは「正義の信奉者」のもたらすマイナス面も活写し、石田三成を偶像視していないところです。三成と敵対する徳川家康のリアリストの悪しき面と魅力も同時に捕えています。私の中にも60%の三成と、40%の家康が共存しています。そこに、「関ヶ原」を作る意義がある、と痛切に感じています。
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- 「関ヶ原」公式サイト
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