会場には佐条利人役の
シックな黒いワンピースに身を包んだ中村は「(劇場アニメへの)期待が膨らんでいると思いますが、それを確実に超えてくる作品です」と、緊張した様子を見せながらも太鼓判を押す。「同級生」の連載がスタートした10年前は映像化されるとは想定もしていなかったと話し、劇場アニメについて「すごくポエティックな感じで、感情のエンジンがかかるところが美しく表現されている。声優さんの演技と音楽が入るとリズムが出てきて、絵と音の総合芸術だと思いました」と語った。
また野島は今作のキーワードとして「透明感」をあげる。「アニメの色使いやセリフの1つひとつに透明感がある。色使いは、空気に色を塗ったらこうなるのではないかという、空気色の絵だと思いました」と独特の表現で作品について述べた。
中村のファンだと語る神谷は「ドラマCDで関わらせてもらったとき、初めて原作を読んだんですけど、すげえなと。僕は引くほどの女好きなので、男性同士が恋愛感情を持つということに対して、仕事として受け取って理解することはできるんですけど、本質的にはわかっていない部分がたくさんある。でもそういうものを超越した何かが作品の中に描かれていて、素直に受け止められる」と思いを披露。石川は「ドラマCDからキャストが変わっていないのがうれしい」「でもドラマCDとは若干違う、アニメ版のハラセンを演じました」と、「同級生」のほか続編の「卒業生」「空と原」「O.B.」とドラマCD化されてきた同作の歴史を振り返る。
また「BLってジャンルを知らなかった」と開口一番話した押尾は「せっかくお話をいただいたので、と『同級生』を読んで……すっごく感動した。泣いてしまった」と作品への愛を観客に伝える。続けて「続編の『卒業生』ってあるじゃないですか。それも買いました。それでもっと号泣した。マンガの世界だけで完成しているので、音はいらないなと思った。音がなくて感動するのに、音をつけてしまったために感動しなくなっちゃったらどうしようって思っちゃいました」とプレッシャーを感じていたことを明かした。アコースティックギターでメインテーマを作曲した理由について「佐条くんと草壁くんの不器用な感じが、ギターに合っているのかなと思った。ピアノとかは誰が弾いてもきれいな音が出るけど、ギターはたどたどしく弾くと『キュ』とか『ピキン』と鳴る。それで2人のぎくしゃくした感じが出るんじゃないかと」と観客に語りかける。
イベントの終盤、中村は「初めて描いたのは10年前になるんですけど、それが形を変えて、こうやって広がっていく。自分の中だけにあるものだったのが、ほかの人の手にかかっても、ブレずにこんなきれいな形になっていくんだと不思議な気持ちです。映像と音楽と声のすべてを楽しんでいただけたらと思います」と噛み締めるように話し、舞台挨拶は幕を閉じた。
劇場アニメ「同級生」は本日より東京・新宿バルト9ほか全国にてロードショー。メガネの優等生・佐条と、バンドマンのイマドキ高校生・草壁のラブストーリーが描かれている。
アニメ「同級生」
スタッフ
原作:
監督:中村章子
キャラクターデザイン:林明美
美術監督:中村千恵子(スタジオ心)
色彩設計:歌川律子
撮影監督:長瀬由起子
3DCG:佐藤香織
編集:西山茂(リアル-T)
音楽:
音響監督:藤田亜紀子
音響制作:HALF H・P STUDIO
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
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