東京芸術劇場スタッフが語る「ヨナ-Jonah」の旅─東欧ツアーから日本ツアーへ&佐々木蔵之介コメント (3/3)

佐々木蔵之介が語る「ヨナ」
佐々木蔵之介

佐々木蔵之介

本作はルーマニアの国⺠的詩人マリン・ソレスクの代表作で、旧約聖書に登場する預言者・ヨナが題材となった作品です。巨大な魚に飲み込まれたヨナが、暗闇の中でさまざまな葛藤や希望に思いを巡らせ乗り越えていく物語となっています。

稽古の中、魚の体内で孤独に生きてきたヨナが光を見出そうとしている姿と、ルーマニアでなんとか芝居を作り出そうとしている自分の姿が重なり、ヨナに励まされながら自分の役を作っていたような気がします。

ルーマニアの仲間たちと作ったこの作品は、言語が違う中でも舞台と客席がひとつになり共に呼吸をしているような感覚を味わいました。ヨーロッパ各地でたくさんの拍手や温かいお言葉をいただいた「ヨナ-Jonah」がいよいよ日本でお披露目できることを嬉しく思います。僕⾃⾝、観たことがないような芝居になっているのではないかと思いますし、お客様には予習は全く必要ないので、東欧的な匂いや雰囲気を、劇場でただ体感していただけたらなと思います。

佐々木蔵之介ひとり芝居「ヨナ-Jonah」より。

佐々木蔵之介ひとり芝居「ヨナ-Jonah」より。

プロフィール

佐々木蔵之介(ササキクラノスケ)

惑星ピスタチオに旗揚げから参加し、1998年の退団まで同劇団の看板俳優として活躍。その後、上京。テレビ・映画・舞台など数多くの作品に出演。第17回読売演劇賞優秀男優賞、第47回紀伊國屋演劇賞個人賞、第40回菊田一夫演劇賞演劇賞、第38回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、第43回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、2023年京都府文化賞功労賞など受賞歴多数。9月14日にフォトブック「光へと向かう道~『ヨナ』が教えてくれたルーマニア~」が発売された。

日本ツアー各地の担当者が語る「ヨナ」

「ヨナ」は東京公演を皮切りに石川・松本・水戸・山口・大阪を巡る。ここでは各地のスタッフが、ツアーを訪れる佐々木と観客に向け、メッセージを寄せた。

From 【金沢】北國新聞赤羽ホール

金沢は加賀百万石の面影をめぐる歴史散歩、きらびやかな工芸体験など楽しみ方は多彩! 街は金沢城を中心に形成され、主要な観光スポットも街の中心に集約されており、効率よく巡ることができます。
開催場所の赤羽ホールも街の中心地に位置しており、ガラス張りの外観はグランドピアノの形を模しています。この機会に、城下町金沢の文化と美食の街ならではのグルメ三昧とあわせてお楽しみください!

From 【松本】まつもと市民芸術館 小ホール

ラドゥ・スタンカ国立劇場とは、まつもと市民芸術館も交流があり、シビウ国際演劇祭にも招聘いただき、演出のプルカレーテさんも来松されています。そんな縁のある作品が松本でも観ることができるのは今からとても楽しみです。山に囲まれた松本の街はシビウとどこか通じるものがあると思います。お蕎麦だけでなく、湧き水を使用したパン屋さんもたくさんあります。10月の朝晩はすでに寒いので夜は暖かい服装で、ワインや日本酒もお楽しみいただけます。

佐々木蔵之介ひとり芝居「ヨナ-Jonah」より。

佐々木蔵之介ひとり芝居「ヨナ-Jonah」より。

From 【水戸】水戸芸術館 ACM劇場

11月は紅葉が始まる偕楽園や千波湖の散策もおすすめですが、今期、特におすすめなのが、劇場に併設する現代美術ギャラリーの展示です。ちょうど11月1日から、20世紀を代表する建築家・磯崎新の没後、国内初となる大規模回顧展が開幕します。水戸芸術館設計者でもある磯崎新の軌跡を自身が設計した当館でめぐるという特別な展示を、「ヨナ」とあわせて鑑賞し、ラウンジにある茨城を中心に展開するコーヒー店のサザコーヒーで一休み、という今期だからこそできる水戸芸術館を満喫する1日はいかがでしょうか?

From 【山口】山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA

山口市のシンボルで国宝の瑠璃光寺五重塔は、檜皮葺の葺き替え作業を今年の春に終えたばかり。山口情報芸術センターから車で約10分ほどの場所に位置し、紅葉の季節と相まって美しく風情ある景色の中を散策いただけます。そのあとは湯田温泉に浸って旅気分を味わってはいかがでしょうか? 観劇の際にはぜひ山口の名所にも足を延ばして“西の京やまぐち”もお楽しみください。

From 【大阪】COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

東欧ツアーから続く「ヨナ」の旅の最後を飾る大阪公演。COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールのそばには、大阪のシンボル・大阪城が堂々とそびえ立ち、紅葉が彩るこの季節、特に美しい表情を見せてくれます。城の石垣や櫓を眺めながらの散策は、秋ならではの風情を感じられるひとときに。観劇の前後には、大阪城公園を歩き、たこ焼きやお好み焼きで大阪らしさも味わって、“締めくくりの地・大阪”を満喫してください。

佐々木蔵之介ひとり芝居「ヨナ-Jonah」より。

佐々木蔵之介ひとり芝居「ヨナ-Jonah」より。