「J:COM STREAM」で見つける映画とドラマの最前線!倉本聰×本木雅弘「海の沈黙」が独占配信、Paramount+にはハリウッドスターの主演作も続々登場

日本初上陸の作品も多い「Paramount+(パラマウントプラス)」が楽しめるほか、アジアドラマ、話題のアニメーションなど、幅広いコンテンツを取りそろえる「J:COM STREAM(ジェイコムストリーム)」。本木雅弘が主演を務めた映画「海の沈黙」が独占配信されるほか、「Paramount+」にはハリウッドスター主演の新作ドラマシリーズが続々登場する。「J:COM STREAM」で映画とドラマの最前線をチェックしよう。

文 / 前田かおり、奥富敏晴

配信で観られるのはここだけ!
J:COM STREAM独占配信

「海の沈黙」(2024年)

「海の沈黙」©2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD

「美とは何なのか。権威とは何なのか。これは、そうした矛盾に立ち向かった一人の天才画家の悲劇である」。そう語るのは、本作で実に36年ぶりの映画脚本を手がけた倉本聰だ。「北の国から」で名高いドラマ界の巨匠は、60年間も温めていた美術品の贋作をテーマに、怒りに満ちた物語を書き上げた。映画は世界的な画家の展覧会で贋作が発見されることから始まるのだが、この騒動がいわば「炎上」していく展開がめっぽう面白い。隠蔽しようとする関係者たちと自分で贋作に気付いた画家の逡巡、その絵を評価した評論家や政治家のメンツ、騒ぎ立てるマスメディア、その贋作をかつて税金で購入した美術館の苦難、あらゆる大人たちが「これは私の絵じゃない」という画家の一言をきっかけに慌てふためいていく。やがて北海道・小樽で全身に刺青を施した女性の水死体が発見され、この2つの事件の間に、かつて画壇から追放された天才画家の姿が浮かび上がる。人知れず絵を描いてきた、その男・津山竜次を演じた本木雅弘のただならぬ色気も極上。多くを語らない彼の最初の一言、その声色と表情に思わずのけぞった。共演には小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオルら主役級のキャストがそろう。(奥富)

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ハリウッドスターがそろい踏み、Paramount+独占の海外ドラマ

「タルサ・キング」シーズン1、2(全18話)

「タルサキング」シーズン1、2 ©2024 Viacom International Inc. All Rights Reserved.

シルヴェスター・スタローンがその半世紀に及ぶキャリアにおいて、初めてドラマシリーズの主演を務めた「タルサ・キング」。殺人の罪で25年も服役していたニューヨークのイタリアンマフィアが、縁もゆかりもないオクラホマ州のタルサで成り上がっていく。「お前が稼いだ金を俺が守る」と平和な街で無理やり犯罪組織を築いた主人公ドワイト・マンフレディは、シーズン2で勢力の拡大を図る。ファミリーの中核事業である「大麻」では最新鋭の機種を取りそろえたラウンジショップを展開。さらには風力発電を利用した水耕栽培にまで手を出そうとするから、その経営者としての手腕に驚くばかり。しかし、そうは問屋が卸さないのが世の常。タルサの覇権をめぐる争いに、これまで大麻で潤っていた実業家たち、お隣のミズーリ州カンザスシティを拠点とするカウボーイギャング、さらには決別を誓ったはずの元ファミリーも加わり、事態は混迷を極めていく。ドワイトは身勝手で粗暴な男かと思いきや、かつて同性愛の罪で投獄されたオスカー・ワイルドが獄中の苦悩をうたった詩の一節に自分を重ねるような繊細さもあわせ持つ。映画「ロッキー」でアメリカンドリームを体現し、節目節目でもヒット作を生み出してきたスタローンのカリスマ性がなければ成立し得ない圧巻(悪漢)の立志伝。(奥富)

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「ヘルプ・ミー・トッド」シーズン1、2(全31話)

「ヘルプ・ミー・トッド」シーズン1、2 ©CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.

やり手弁護士のマーガレット・ライトは3人の子供の母親。長男と長女は安定しているが、末っ子のトッドは騒動を起こして私立探偵の免許をはく奪されて宙ぶらりん。そんな息子を自分の法律事務所で調査員として雇い、親子で案件に取り組んでいく。数あるバディものでも、母と息子という意外な組み合わせで法廷の謎に挑む。完璧主義のマーガレットはトッドをダメ息子と決めつけていたが、実は探偵としての腕は一流、違法スレスレだろうが真相を調べ上げる頼りになる息子だった。ドラマはさまざまな案件に潜む謎を追いながら、母と息子が繰り広げるドタバタ劇をユーモラスに描く。リーガルサスペンスとコメディが絶妙なさじ加減。主演を務めた「ミスト」のマーシャ・ゲイ・ハーデン、トッド役のスカイラー・アスティンのシナジーもよく、丁々発止のやり取りも軽快で母と息子の細やかな情愛にはホロリとさせられることも。前シーズンの最終話でトッドは私立探偵の免許を取り戻し、マーガレットは事務所のシニアパートナーに昇進。親子ともども前途洋々と思いきや、今シーズン早々に事務所が経営危機であることが発覚する。立て直すために大口の顧客を取ろうとがんばるマーガレットと、母を助けようと奮闘するトッド。だが、事務所には思いも寄らぬたくらみが隠されていた。全10話で驚きの結末……、この続きが観たいと思わずにはいられない。(前田)

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「エルズベス」シーズン1、2(全19話)

「エルズベス」シーズン1、2 ©2023 CBS Broadcasting Inc.

日本でも大ヒットしたリーガルドラマ「グッド・ワイフ」で、主人公たちを何度も窮地から救ったことで人気のキャラクター、エルズベス・タシオニが活躍するスピンオフ。シカゴで弁護士としてキャリアを積んだエルズベスが、ニューヨーク市警のコンサルタント探偵として犯罪捜査に協力していく。本作の見どころは、ちょっと変わり者なエルズベスのキャラクターと、犯人を先に明かす「刑事コロンボ」スタイルの倒叙ミステリーにある。エルズベスは犯罪現場だろうが、大きなトートバッグを何個も肩にかけて現れるような無頓着な女性。だが、実は天才的な直感力と洞察力を持ち、ささいなことも見逃さないキレ者。そんな彼女が狡猾な犯人を追い詰めていく。キャリー・プレストンが、クセ強だがどこか憎めないエルズベスをお茶目に演じる。甘めのファッションもお似合いだ。また、犯人役など豪華なゲスト陣も魅力。特にシーズン2は本家に登場したネイサン・レインがまったく別の役どころで出演、プレストンの夫のマイケル・エマーソンも登場する。マンハンッタンの高級ペントハウスやニューヨークの洗練された街並みを背景に、好奇心をたくましくして事件に挑むエルズベス。1話完結なのでシーズン2からでも楽しめるが、前シーズンから観れば、相棒の女性警官カヤとの信頼関係の進展具合も含めて、見どころも増すこと間違いなし!(前田)

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「ランドマン」(全10話)

「ランドマン」©2024 Viacom International Inc. All Rights Reserved.

世界が「石油」で狂い始める……。米テキサス州の西部を舞台に、石油ブームが生み出す巨大な富とその代償を描いた骨太なドラマ。タイトルの「ランドマン」とは石油業界の問題解決に従事する者の通称だ。莫大な利益を上げつつ環境問題に直面する石油会社、危険な労働条件で働く掘削作業員、石油の恩恵と弊害に振り回される地元コミュニティの思惑が渦巻く中、業界に精通したランドマンの男が事態の収拾に乗り出す。クリエイターは映画「ボーダーライン」「最後の追跡」の脚本で注目を集めたテイラー・シェリダン。滅びゆく大牧場の光と影を描いた「イエローストーン」、刑務所ビジネスで栄える街を舞台にした「メイヤー・オブ・キングスタウン」、ニューヨークのマフィアが見知らぬ土地で成り上がる「タルサ・キング」と、立て続けにドラマシリーズを手がけ、そのどれもが高く評価されてきた。今回も例に漏れず、まったく知らない現代アメリカの有様が見られるのは折り紙付き。主演は本作でゴールデングローブ賞にノミネートされたビリー・ボブ・ソーントンが務め、デミ・ムーアとジョン・ハムが脇を固めた。ひと足先に公開されたアメリカでは、配信初日に約520万人が視聴。Paramount+における初回の最高視聴人数を更新する最大のヒットとなっている。(奥富)

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「ザ・エージェンシー」(全10話)

「ザ・エージェンシー」©2024 Viacom International Inc. All Rights Reserved.

「X-MEN」シリーズのマグニートーなど、数々の作品でインパクトを残してきたマイケル・ファスベンダー主演のスパイドラマ。長年の潜入任務を終えてロンドン支局に再配属されたCIA諜報員のマーシャン。そんな彼の前に、別れたはずの元恋人が現れて関係が再燃。愛を取るか、任務を取るかで葛藤するマーシャンだったが、あるとき、国際的な陰謀が複雑に絡み合う危険なゲームに巻き込まれていることに気付く。本作は、フランスの外部安全保障局(DGSE)に所属するエージェントたちの日常と任務を描き、欧米各国で人気を集め、第5シーズンまで続いたフランス発のスパイドラマのリメイク。エグゼクティブブロデューサーをジョージ・クルーニーが務め、マーシャンが所属するCIAロンドン支局の支局長にリチャード・ギア、作戦指揮官にジェフリー・ライト、元恋人役にはジョディ・ターナー=スミスなど名前を聞いただけでも期待値が上がるキャストぞろいだ。本作の演技に関して、「俳優は嘘をつくのが仕事ですから」と俳優と諜報員の共通点を語ったファスベンダー。実は本作と前後して、スティーヴン・ソダーバーグ監督の最新映画「Black Bag(原題)」でもスパイスリラーに挑む。役とはいえ“スパイづいている”ファスベンダーが自身を偽り、素顔なき諜報員として生きてきた男の心の揺れをどう見せるのか。彼が出てくるだけで緊迫感みなぎるだけに配信が待ち遠しい。(前田)

※2月配信予定