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コミックナタリーでは、J:COM STREAMで視聴できる2025年冬アニメの見逃し配信対象作品から、個性豊かな主人公が登場するアニメ7作をピックアップして紹介。毒も推理もいけるヒロイン、太ってしまった元殺し屋、令嬢になったおじさんなどなど、あなたの推し主人公を探してみては。
文 / 粕谷太智
『薬屋のひとりごと』第2期
科学や医療の要素も取り込んだ本格的な謎解きや、悠木碧演じる猫猫の痛快なキャラクターで、2023年10月から放送されたアニメ第1期が大きな話題となった『薬屋のひとりごと』。原作小説およびコミカライズ2作品のシリーズ累計発行部数は、アニメ化後に大きく数字を伸ばし3800万部を突破している。1月から始まった第2期では薬と毒への知識を活かした猫猫による難事件の謎解きはもちろん、玉葉妃の妊娠判明や新たな淑妃・楼蘭妃の入内によって一波乱が起こる、陰謀渦巻く後宮の人間模様にも注目だ。さらに、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展する難事件が猫猫を待ち受ける。
【主人公・猫猫のここに注目!】
人間にはあまり興味がないが、毒と薬に異常な執着を持つ薬屋の娘
養父とともに薬屋を営んでいた経験から薬や毒などに対する豊富な知識を持ち、後宮ではその知識を活かして多くの事件を解決してきた猫猫。17歳という年齢ながらどこか達観し、薬や毒にだけ目を輝かせる。ときには自身の体を毒に慣れさせたり、自分で薬を試してみたりと少々危ない一面も。謎多き美形の宦官・壬氏を前にしてもその態度は変わらず、どんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく。そんな“普通の女の子”の枠に入らない彼女のキャラクターが多くのファンから支持されている。
アニメでは悠木碧の演技や、毒見の際の恍惚とした目、薬を見て思わず猫のようになってしまう姿など、ころころと変わる彼女の表情によってその魅力はさらに増幅。壬氏と猫猫のコミカルなやりとりにも注目してほしい。
『わたしの幸せな結婚』第二期
2023年に第一期が放送された『わたしの幸せな結婚』は、継母と義母妹に虐げられてきた名家の娘・美世と冷酷無慈悲と噂される軍人・清霞の政略結婚から始まる物語。決してロマンチックとは言えない出会いから始まる2人の関係だが、日々を共に過ごしていくうちに少しずつ心を通わせていく美世と清霞に視聴者の多くが釘付けになった。制作を務めるのは『メイドインアビス』『盾の勇者の成り上がり』などを手がけてきたキネマシトラス。日本と西洋の文化が入り混じった明治大正を思わせる風景も美しく、その美麗な映像には思わず息を呑む。第二期では美世の血筋を巡る争いが新たな局面を迎え、2人の愛が試されることになる。
【主人公・斎森美世のここに注目!】
幸せを離さないで! 誰もが応援したくなる正統派ヒロイン
上田麗奈演じる主人公・美世の生い立ちはなかなかに壮絶。母を早くに亡くした後にやってきた継母と義母妹には使用人同然のように扱われ、実の父も美世を助けようとしない。清霞と出会う前の彼女を見ると、「なぜ彼女がこんな目に……」と思わず悔しさで胸がいっぱいになる。そんな彼女の転機は清霞との縁談。「私が出て行けと言ったら、出て行け。死ねと言ったら、死ね」そんな恐ろしい言葉とともに始まった清霞との生活だったが、彼が持つ優しさが美世の凍った心を徐々に動かしていく。
その後、愛を知らずに育ち自分に価値がないと思い込んでいた美世は大きく変化。縁談を断れと迫る義母妹に抵抗し、清霞にふさわしい淑女になろうとレッスンに精を出す姿は誰もが応援したくなる健気さが伝わってくる。また美世と清霞の共通項は“異能”を持つ家系ということ。第一期の最終話では彼女だけが持つ「夢見の異能」で昏睡状態の清霞を救うまでの成長を見せた。やっと幸せを掴んだ美世。第二期でも波乱が待ち受けるが、なんとか2人の幸せを守り抜いてほしい。
©顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会
『SAKAMOTO DAYS』
最強の殺し屋がいた その名も坂本太郎。全ての悪党が恐れ、全ての殺し屋が憧れたその男は──ある日、恋をした!! コンビニで働く葵に一目ぼれした坂本は、あっさりと殺し屋を引退。結婚、娘の誕生を経て、のどかな街で個人商店を営む坂本は、かつての面影が無いほどに……太っていた‼ 愛する家族との平和な日常を守る為、元・伝説の殺し屋が、次々と迫りくる刺客に挑む。日常×非日常のソリッドアクションストーリー、ここに開幕!!(公式情報より)
【主人公・坂本太郎のここに注目!】
ギャップは今期ナンバーワン?
かつて“伝説の殺し屋”と言われていた主人公・坂本太郎だが、現在では肉付きのよい顔、そしてふくよかな体と、そんな過去をまったく感じさせないビジュアルに。しかしその体型から繰り広げられるスピーディなバトルアクション、さらに織り交ぜられるギャグというギャップにこそ『SAKAMOTO DAYS』の魅力が詰まっているといえるだろう。強敵との戦闘の中で一時的にスリムになった際のカッコよさにも、普段とのギャップで心を掴まれるはずだ。
また坂本を語るうえでもう1つ欠かせないのが、彼が何よりも大切に思っている妻と娘。命をかけた戦闘でも“破ったら離婚”だと妻と約束した不殺を貫いており、その愛は本物だ。そんな坂本を演じるのは杉田智和。何事にも動じないポーカーフェイスの坂本をどう演じるのかにも注目して観てもらいたい。
©鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS製作委員会
『悪役令嬢転生おじさん』
『悪役令嬢転生おじさん』は“異世界転生×悪役令嬢”という鉄板の設定に“おじさん”要素を加えたほのぼのコメディ。乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に悪役令嬢・グレイスとして転生してしまった52歳の真面目な公務員・屯田林憲三郎は、そこで主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢として振る舞うことを決意する。しかし、人生の経験値からくる包み込むような親目線発言、さらに庶民的な言動を優雅なものに自動変換する能力“優雅変換(エレガントチート)”が相まって意図せず評価は爆上がり。ゲーム攻略対象のイケメンたちともフラグが立ちまくり……。異能や魔法ではなく“人生経験”を武器に、おじさんが異世界を生き抜いていく。
【主人公・屯田林憲三郎のここに注目!】
社会でも異世界でも、ものを言うのは人生経験
外見からしてザ・おじさんな主人公・屯田林憲三郎。温厚な性格、好きなものはアニメや特撮ヒーロー、妻子持ちとプロフィールにも特筆すべきものはないが、確かな人生経験こそが彼の特徴だ。突然の異世界転生、しかも悪役令嬢になってしまっても「郷に入っては郷に従え」の精神でゲームの中の役割をこなそうとする落ち着きはさすが52歳。特段変わったことはしていないのだが持ち前の社会人スキルや、優しさ溢れる親目線の発言で登場人物たちの心を掴んでいく様子は、人生経験の大切さを改めて感じさせてくれる。
またビジュアル、声のギャップによる面白さも見逃せない。華やかな衣装のグレイスとその隣に薄く描かれるスーツ姿の憲三郎、そこに井上和彦演じる憲三郎の男らしく落ち着いたトーンのセリフとM・A・Oによるグレイスのエレガントなセリフが重なるギャップが、視聴者を笑いの渦へと誘うはずだ。
©上山道郎・少年画報社/悪役令嬢転生おじさん製作委員会・MBS