ろう者の少年の成長を追った「ぼくの名前はラワン」予告編、宇多丸らのコメントも到着

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ドキュメンタリー映画「ぼくの名前はラワン」の本ポスタービジュアルと予告編、場面写真が解禁。一足早く本作を視聴したRHYMESTER宇多丸と写真家の齋藤陽道からのコメントも到着した。

「ぼくの名前はラワン」本ポスタービジュアル

「ぼくの名前はラワン」本ポスタービジュアル [拡大]

本作は生まれつき耳が聞こえないろう者の少年ラワン・ハマダミンが、手話を自身の言語として習得していくさまを映したドキュメンタリー。イラク領クルディスタンで生まれ、十分な教育を受ける環境がなく、言葉を発する術がなかったラワン。そんなラワンを案じた両親は、彼が5歳の時に難民としてヨーロッパへ渡ることを決意する。家族は危険な旅と難民キャンプでの過酷な経験を経て、イギリスの都市ダービーへ。ラワンはダービー王立ろう学校へ通えることになり、新しい出会いと学びによって自分の意志で手話を覚えていく。監督・脚本を務めたエドワード・ラブレースは、2019年にラワンと対面し、製作過程で自身もイギリス手話を習得。4年の年月をかけて信頼関係を築き、ラワンが成長していく姿をカメラに収めていった。

「ぼくの名前はラワン」場面写真。イギリスのダービー王立ろう学校へ通うことになったララワン・ハマダミンは、イギリス手話を自身の言語として習得していく

「ぼくの名前はラワン」場面写真。イギリスのダービー王立ろう学校へ通うことになったララワン・ハマダミンは、イギリス手話を自身の言語として習得していく [拡大]

解禁された本ポスタービジュアルには、澄んだ青空を背景に満面の笑みを浮かべたラワンの姿に「僕にとって〈言葉〉は〈自由〉を意味するんだ。」というキャッチコピーが添えられた。YouTubeで公開された予告編には、ラワンが友人とゲームをして遊んでいる様子や、ろう学校で手話を学んでいく場面などが収められている。

「ぼくの名前はラワン」場面写真

「ぼくの名前はラワン」場面写真 [拡大]

宇多丸は「社会の決めつけるマイノリティ的枠組みに押し込められてきた視野が、『自分のことば』の獲得を通じて爆発的に拡がってゆくプロセスを、まるで我がことのように体感させられる」とコメント。齋藤は「この映画は、ひとりの少年が沈黙から言葉を紡ぎ出すに至る軌跡を見つめている。その視線が問いかける。言葉とは何か。伝えるとは何か。人と人とが触れ合うとは、どういうことなのか。 ラワン。ラワン。映画を見終えたあとは、彼の名前が胸の中でこだまするだろう」と語った。

「ぼくの名前はラワン」場面写真

「ぼくの名前はラワン」場面写真 [拡大]

「ぼくの名前はラワン」は、第20回難民映画祭にて12月3日に特別先行上映されたあと、2026年1月9日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で公開される。

映画「ぼくの名前はラワン」予告編

映画作品情報

宇多丸(RHYMESTER)コメント

社会の決めつけるマイノリティ的枠組みに押し込められてきた視野が、「自分のことば」の獲得を通じて爆発的に拡がってゆくプロセスを、まるで我がことのように体感させられる……今の日本でこそ多くの方に観て、考えていただきたい、美しい作品です。

齋藤陽道(写真家)コメント

国境も、音声も、愛も、孤独も、願いも、心も、地球も……すべてが混じりあいながらラワンの手が動く。その手話が滑らかになるにつれ、ラワンの心もまた広がっていくのがわかる。
この映画は、ひとりの少年が沈黙から言葉を紡ぎ出すに至る軌跡を見つめている。その視線が問いかける。言葉とは何か。伝えるとは何か。人と人とが触れ合うとは、どういうことなのか。
ラワン。ラワン。映画を見終えたあとは、彼の名前が胸の中でこだまするだろう。

第20回難民映画祭

上映日時・場所

2025年12月3日(水)18:30~
東京都 イタリア文化会館 東京 アニェッリホール

登壇者

奏太(YouTuber / 映像クリエイター / Tネット共同代表 / 株式会社スタジオK 代表取締役)

この記事の画像・動画(全16件)

©︎ Lawand Film Limited MMXXII, Pulse Films, ESC Studios, The British Film Institute

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