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メアリー・シェリーの同名小説をもとにした本作は、科学者ヴィクター・フランケンシュタインが恐ろしい実験によって怪物を生み出す物語。「スター・ウォーズ」シリーズのオスカー・アイザックがフランケンシュタイン、「プリシラ」のジェイコブ・エロルディが怪物を演じ、ミア・ゴス、クリストフ・ヴァルツらも出演した。
本編の上映後、観客に拍手で迎えられたデル・トロは「子供の頃からこの作品を作りたいと願ってきました。カトリック教徒の男の子として自分はこの世界のどんな立ち位置にいるのかということ、また自分自身の息子として・父親としての思いを描いた作品です。パーソナルな作品になっているので、皆さんと共有できることがとてもうれしいです」と挨拶する。続けて「今は産後のような状態。自分が子供(作品)を産み、その子が学校に通い始めて、家に帰ってくるのを待っている感じ」と、映画が完成した現在の心境をユニークな表現で伝えた。
ひと足先に本作を鑑賞した小島は「美しくて優しい映画でした。僕的には、フランケンシュタインとモンスターの関係を父と子の関係に昇華したことにびっくりした。原作も読んでいますけど、今まで見えなかったところが見えて、さすがデル・トロ! ギレルモ! マイフレンド!って感じです」と伝える。デル・トロは「私にとって『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』と『フランケンシュタイン』は、同じ物語の2つの側面であると捉えています。壮大な世界の中で親密な関係を描くことがとても大切でした。ヴィクター自身の物語ですが、彼自身がヒーローでもあり自分の敵でもある内容となっています」と語った。
デル・トロは「いいキャスティングができれば、伝えたいものは伝わると感じています。私の作る作品が“国”であれば、役者たちは“大使”なんです」と表現し、「ジェイコブは遅い時期からの参加だったのですが、彼の目を見たときに完璧に怪物を演じてくれると思いましたし、彼自身が怪物の役を『自分よりも自分らしい』と言ってくれたんです」と述懐。アイザックについては「いい人であり悪い人である、という役を演じてくれた素晴らしい俳優」と評し、ゴスに関しては「『Pearl パール』や『MaXXXine マキシーン』でも素晴らしい演技を拝見していましたし、また何度も一緒に仕事がしたいと思う俳優です」と称賛していた。
また小島は「フランケンシュタインって、(全身にある)縫い目が特徴ですよね。今回は現代アートのような美しいフランケンシュタインでびっくりしました」とビジュアルについてコメント。デル・トロは「通常は、交通事故に遭ったような傷を縫合した姿を想像すると思います。でもヴィクターは解剖学や骨相学なども研究して、計画を20年以上練って、芸術家としてこの仕事に従事していた。死んだ者の部位を使いながら美しいものを作り上げる……彼は死に対して怒りを感じてはいるのですが、狂気じみた科学者ではなく、新しいものを創造できる人なんです」と説明した。
最後にデル・トロは本作に関し「今の世界に生きる中で、“受け入れる”ということはとてもまれなことだと言えると思います。相いれない立場にある者同士が会話をすることによって理解することができるという、素晴らしい解放をもたらす内容だと思います」と口にし、イベントを締めくくった。
「フランケンシュタイン」は10月24日から一部劇場にて公開。11月7日よりNetflixで世界独占配信される。
Netflix映画「フランケンシュタイン」予告編
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【イベントレポート】ギレルモ・デル・トロはなぜ、縫い目のないフランケンシュタインにした?小島秀夫が質問(写真10枚)
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