韓国映画「
本作では、事故の後遺症で2年間の記憶を失った美術講師の妻ドッキと、秘密を抱えた小説家の夫ジュンソクの関係が映し出される。記憶を失っていた時期の出来事を教えようとしないジュンソクに対して違和感を覚えていたドッキ。そんなある日、ドッキのもとに衝撃的な電話が掛かってくる。ジュンソクの交通違反、多額のカード利用、滞在先での不審な行為などが発覚する中、やがてドッキは予想もしない真実にたどり着く。ドラマ「シスターズ」「グリーン・マザーズ・クラブ」の
「カル」などで知られるチャン・ユニョンは、まず「この作品は、かなり前に中国市場への進出を視野に入れて企画したものでしたが、なかなか機会に恵まれず、そのまま眠らせていた企画でした」と前置きつつ、新型コロナのパンデミックを経て「低予算でも映画を作れるチャンス」がめぐってきたと説明する。「コロナ禍で制作を行うというのは決して容易な選択ではありませんでした。それでも、チュ・ジャヒョンさんとイ・ムセンさんが制作の趣旨に賛同してくださり、スタッフたちも積極的に参加してくれたおかげで、奇跡的に完成へとこぎ着けることができました」と語った。
コロナ禍での映画制作におけるキャスティングは簡単ではなかったことを伝えつつ「けれども、私はチュ・ジャヒョンさんが映画に特別な愛情を持っていることを知っていましたし、彼女の演技力に感嘆していました。そこで思い切って脚本をお渡ししたのです。すると予想に反して、チュ・ジャヒョンさんは一切ためらうことなく出演を決めてくださり、それが私や制作陣にとって大きな励みとなりました」と述べ、「イ・ムセンさんのキャスティングも決まり、不可能に思えた映画制作が奇跡のように実現したのです」と振り返る。
そして日本の観客に向けて「韓国映画を愛してくださる観客の皆さまに感謝します。映画館がいまだ危機から抜け出せていない状況において、今こそ日韓間の映画協力が切実に求められています。これからも両国の映画交流がより活発になるよう尽力しますので、引き続きご期待ください」とメッセージを送った。
また数量限定の入場者プレゼントが「あなたが眠る間」ポケットティッシュに決定。公開日初日の9月5日から東京のシネ・リーブル池袋、シネマート新宿に先着で配られる。
「あなたが眠る間」は全国で順次公開。
チャン・ユニョン コメント
「あなたが眠る間」の制作経緯は?
この作品は、かなり前に中国市場への進出を視野に入れて企画したものでしたが、なかなか機会に恵まれず、そのまま眠らせていた企画でした。そんな中、新型コロナのパンデミックが起こり、映画館は閉鎖され、映画制作も中断せざるを得ない危機に見舞われました。映画界全体が絶望的な状況に陥ったのです。いつまでこの状況が続くのか分からず、不安ばかりが募る時期でした。しかし、何もせず待ち続けるわけにはいかず、ちょうどその頃、低予算でも映画を作れるチャンスがめぐってきました。そこで低予算に適した企画を探すうちに、長らく忘れていたこの作品を思い出し、何度も修正を重ねながら進めることになったのです。とはいえ、コロナ禍で制作を行うというのは決して容易な選択ではありませんでした。それでも、チュ・ジャヒョンさんとイ・ムセンさんが制作の趣旨に賛同してくださり、スタッフたちも積極的に参加してくれたおかげで、奇跡的に完成へとこぎ着けることができました。
チュ・ジャヒョン、イ・ムセンのキャスティングについて
正直、この映画は厳しい時期と環境の中で作られた作品だったため、大きな期待はしていませんでした。映画館が閉まったいたあの時期に映画を作るということは、どの俳優にとってもリスクを伴うことでしたからね。けれども、私はチュ・ジャヒョンさんが映画に特別な愛情を持っていることを知っていましたし、彼女の演技力に感嘆していました。そこで思い切って脚本をお渡ししたのです。すると予想に反して、チュ・ジャヒョンさんは一切ためらうことなく出演を決めてくださり、それが私や制作陣にとって大きな励みとなりました。絶望的な状況の中で彼女の参加はこの映画が完成に至るまでの最大の原動力でした。そしてさらにイ・ムセンさんのキャスティングも決まり、不可能に思えた映画制作が奇跡のように実現したのです。今でもなお、全力を尽くしてくれた二人の俳優とスタッフたちに深く感謝しています。
今作は12年ぶりの長編監督作品。以前と比べ、韓国映画界が変わったと感じたことは?
これまで私は中国映画の制作や4Dシネマの実験などを通じて、韓国映画産業の拡大について模索を重ねててきました。そんな中、不意に訪れたコロナ禍は大きな衝撃でした。しかもその影響が完全に収まる前に、今度はグローバルOTTが韓国のコンテンツ市場に大きな変化をもたらしたのです。もっとも大きく変わった点は、観客の期待がグローバルな基準にまで成長したという点です。つまり、映画を含むコンテンツ企画の水準は、もはや国内にとどまっていてはならない、ということでもあります。いまだ劇場の状況はコロナ以前には程遠く、制作環境はむしろ厳しくなり、市場のハードルも高くなっていますが、今こそ新しい突破口が必要だと感じています。若い世代との積極的な対話や、海外各国のクリエイターと協力し、新しい題材や視点を取り入れたグローバルなコンテンツを生み出す努力が求められていると思います。
日本の観客には本作のどこに注目してほしい?
この映画は、徹底的に俳優を中心に作り上げた作品です。できる限り俳優たちの演技を自然に映し出し、演出の介入を最小限に抑えるよう心がけました。とりわけ、チュ・ジャヒョンさんとイ・ムセンさんの演技に注目してご覧いただければと思います。
日本の観客へメッセージ
韓国映画を愛してくださる観客の皆さまに感謝します。映画館がいまだ危機から抜け出せていない状況において、今こそ日韓間の映画協力が切実に求められています。これからも両国の映画交流がより活発になるよう尽力しますので、引き続きご期待ください。
韓国映画「あなたが眠る間」予告編
チャン・ユニョンのほかの記事
チャン・ユニョンの映画作品
リンク
SARU @saruKmovie
:「あなたが眠る間」監督がコロナ禍での制作語る、キャスティング成功が大きな励みに - 映画ナタリー https://t.co/VCLT15l8JW