綾辻行人らが「ストレンジ・ダーリン」語る、吉田恵輔「始まった瞬間から普通じゃない」

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スリラー映画「ストレンジ・ダーリン」より、本編映像の一部がYouTubeで公開。著名人の鑑賞コメントといまむーによるイラストも到着した。

「ストレンジ・ダーリン」メインビジュアル

「ストレンジ・ダーリン」メインビジュアル

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JT・モルナーが監督と脚本を担った本作は、シリアルキラーによる恐怖が広がる中、出会ったばかりのある男女がモーテルで一夜を過ごすことから展開する物語。全6章で構成されており、時間軸をシャッフルさせた非線形の語り口が魅力となっている。主人公のレディをウィラ・フィッツジェラルド、彼女とバーで出会うデーモンをカイル・ガルナーが演じた。

「ストレンジ・ダーリン」場面写真

「ストレンジ・ダーリン」場面写真[拡大]

公開された映像には、デーモンが銃を構え、慎重に各部屋を徘徊する様子が。「ここかい? 子猫ちゃん」とつぶやき、銃を発射する。

「ミッシング」「空白」などで知られる映画監督の吉田恵輔は「始まった瞬間から普通じゃない映画。真新しさとエッジの効いた90年代映画の懐かしさが融合。自由な発想とやりたい放題。羨ましい」と述べ、フリーアナウンサーで俳優の宇垣美里は「狂気を増長する鮮やかな色彩が、今も目に焼き付いて離れない。なのにどうしてだろう、その真実にどこか胸のすくような思いがした」と語った。

いまむーによるイラスト

いまむーによるイラスト[拡大]

また作家の綾辻行人は「最初から最後まで余すところなく楽しめました。オススメ、です」と、同じく作家の有栖川有栖は「6つのピースが嵌まって事態の全容が見えたら、怖さの質が変わってさらに恐ろしい」とコメント。ゲームクリエイターの小島秀夫は「これにはヤラれた! 『ハイテンション(2003)』x『パルプ・フィクション(1994)』かと思いきや、この“6章宣言”の35ミリの“罠”に見事にハマってしまった。いや、“沼”にハマってしまった!」と、いまむーは「この巧みな構成が秀逸であり恐ろしい…正直、見事すぎて唸った」とつづっている。そのほかの著名人のコメントは後述の通り。

「ストレンジ・ダーリン」は7月11日より東京・新宿バルト9ほか全国で公開。

映画「ストレンジ・ダーリン」本編映像(ここかい?子猫ちゃん編)

綾辻行人(作家)コメント

実に巧緻かつ大胆な設計と演出! 往年のデヴィッド・リンチ監督作品を思い出させる怪しい香りにも心地好く酔いながら、最初から最後まで余すところなく楽しめました。オススメ、です。

有栖川有栖(作家)コメント

どうしてこうなったのか、わからないのが怖い。
6つのピースが嵌まって事態の全容が見えたら、怖さの質が変わってさらに恐ろしい。
予想外の幕切れは、悪夢の花が開くかのよう。

いまむー(お絵描きツイッタラー)コメント

ほぉなるほど、そういう映画ね!と観進めたかと思いきや「!?」どういう事状態へ。
それが時折起こり、とんでもないツイストをかましてくる…!!
この巧みな構成が秀逸であり恐ろしい…
正直、見事すぎて唸った。観てる側と見せてる側で初めてこの映画は完成する。

宇垣美里(フリーアナウンサー / 俳優)コメント

シャッフルされた全6章で語られる
逃げる女と追う男の真相。
その全貌が明らかになるにつれ、
浮かび上がる己の偏見に狼狽し、思わず恐怖。
狂気を増長する鮮やかな色彩が、今も目に焼き付いて離れない。
なのにどうしてだろう、その真実にどこか胸のすくような思いがした。

尾崎一男(映画評論 / 映画史家)コメント

ベッドを共にした相手が、最凶シリアルキラーだった──!!
そんな設定に始まり、映画は予想もしなかった殺人鬼の正体を、時系列を解体して
パズルゲームのように解き明かしていく。ノンリニアな構成が誘導する、スリラーの新領域。
みんな思考を柔軟にして警戒するがいい。
連続殺人ショッカーの偉大なクラシック「悪魔のいけにえ」(1974年)をなぞったオープニングからして、「ホラーはこうだ」という固定観念の裏をかくための罠だ!

※尾崎一男の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

小島秀夫(ゲームクリエイター)コメント

これにはヤラれた!「ハイテンション(2003)」x「パルプ・フィクション(1994)」かと思いきやこの“6章宣言”の35ミリの“罠”に見事にハマってしまった。いや、“沼”にハマってしまった! 新しい“悪魔”的才能とホラー界の新“レディ”誕生だ!

末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)コメント

ザラ付いたフィルム画面に映し出される”逃げる女”と”追う男”...どうやら尋常じゃないご様子?...どころじゃない! 完全“ネジのぶっ飛んだ”全6章が狂ったままにシャッフルされて、少しずつ輪郭を現す驚愕の“真実”に頭クラクラ、理性グラグラ、欲望ワクワクで揺さぶられまくりの97分。見事なレトリックに騙される“快感”と、そして叩き付けられる“背徳感”が不穏に共存...と言う最高の映画体験! 予定調和に血の混じった唾を吐いて極上の“恋愛地獄変”に耽溺だ!

高橋諭治(映画ライター)コメント

プロットの構造、人物造型の両面においてシリアルキラー映画の概念を更新した本作は、観る者の先入観を根こそぎ覆すサプライズの創出に成功した。おまけに、白昼夢のごときこのスリラーには、無慈悲な“死”のみならず、不可解で鮮烈な“生”が刻み込まれている。恐ろしさと美しさ、獰猛さと繊細さが入り混じった映像世界に、もはや感嘆せずにいられない。

DIZ(映画アクティビスト)コメント

どれほど他人を“わかったつもり”で見ているだろう?
「ストレンジ・ダーリン」は、その思い込みを次々と容赦なく暴き出す新体験スリラー。観終えた時、あなたの目に映る世界はもう元には戻らないだろう。

人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)コメント

新たな章に移るたびに見え方が大きく変わっていく。トリッキーだが軸のブレない面白さ。これでもかと手のひらで踊らされる。章立ての構成を最も有効活用している映画かもしれない。

ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)コメント

逃げる女と追う男。一見シンプルな物語だがピースを繋ぎ合わせると奇妙な人間模様が浮かび上がる。懐かしくて新しい、危険で魅力的、そして予測不能で大胆不敵! 完全にやられた!

ホラー映画取締役 コメント

これは不意打ち!! 「追う男と逃げる女」よくある映画のシナリオは仕掛けの始まり。「定番」は開始5分で裏切られ、6章仕立ての構成がシャッフルしながら襲ってくる。気持ちよくこの物語に身を委ねて、どんな悪魔を見るのかは、映画館でのお楽しみ。

宮岡太郎(映画監督 / 映画レビュアー)コメント

インディペンデントスピリットに溢れた快作! 全6章がちぐはぐにシャッフルされ展開される謎脚本と見せかけて、この仕掛けが中盤以降に見事に効いてくるので舌を巻く。タランティーノ、デパルマあたりからの影響も如実で、90年代風味が香るバイオレンスも魅力的。監督の意欲がほとばしる挑戦的な野心作である。

吉田恵輔(映画監督)コメント

始まった瞬間から普通じゃない映画。真新しさとエッジの効いた90年代映画の懐かしさが融合。自由な発想とやりたい放題。羨ましい。

※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記

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末廣末蔵 @oHLeiqANE8fT9Ck

7/11公開、"6章仕立て"変態スリラー映画『ストレンジ・ダーリン』、僕も"語らせて"貰ってます。宜しくお願いします! https://t.co/gGMzOb9KTD

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