「ダブル・ライフ」余園園の新作は“喪失と再生”の物語、「夫の部屋」8月公開

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「ダブル・ライフ」の余園園(ヨ・エンエン)が監督を務める「夫の部屋」が、8月1日に東京・アップリンク吉祥寺で公開されるとわかった。

「夫の部屋」ポスタービジュアル

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「夫の部屋」場面写真

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本作はアントン・チェーホフの「かもめ」が導く“喪失と再生”の物語。舞台女優の里見春は夫と死別し、心に傷を抱えながらも「かもめ」の公演に挑んでいたが、夫の秘密が明らかになったことで演技に支障をきたすことに。さらに、夫の愛人を名乗る女が現れるのだった。

「夫の部屋」場面写真

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春を「イヌミチ」の永山由里恵が演じ、亡き夫をめぐるもう1人の登場人物・望月ひかり役で「ダブル・ライフ」の菊地敦子が出演。梅田誠弘遠山悠介、青山卓矢、烏森まどもキャストに名を連ねた。

「夫の部屋」場面写真

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「夫の部屋」場面写真

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余園園は「人のこころには、部屋のように扉があります。チェーホフの『かもめ』に導かれ、現実と舞台が交差するとき、その扉がひらかれていきます。それが、『夫の部屋』という作品です」と本作を紹介。永山は「彼女は、この映画の中で深く傷つきながらも、暖かい記憶も目を背けたい気配も全て内包した空間を受け入れました。受け入れることの根幹にある感情はなんだったんでしょうか。そこに至った彼女の感情に私自身もこの映画を通じて出会い直せた気がしてなりません」と語った。

余園園 コメント

2023年の梅雨の時期に撮影した本作が、ようやく公開を迎えることになりました。この2年間、さまざまな出来事がありましたが、作品も、そして自分自身も、まるで「梅雨明け」
を迎えたように感じています。

人のこころには、部屋のように扉があります。チェーホフの「かもめ」に導かれ、現実と舞台が交差するとき、その扉がひらかれていきます。それが、「夫の部屋」という作品です。

今作も、前作「ダブル・ライフ」と同じく、「不在」というテーマを描き続けています。
「喪失」の感覚が漂う中に、「再生」への希望が静かに差し込むような物語です。

この夏、ひらかれたこころで、劇場にてみなさまとお会いできるのを楽しみにしておりま
す。

永山由里恵 コメント

部屋も劇場も、一見するとただの容れ物(ハコ)でしかない空間に、そこにいた人間の息遣い・気配を強く感じる時があります。
ただの空間が意味を持つのは、そこで営まれる、もしくはかつてあった人間の感情や想いが物語と共に内包されているからです。
人間は皆いなくなり、残るのは空間だけです。かつてそこに確かにあった存在の輪郭をなぞるように、ただ空白を見つめるしかできないことが人生には時々訪れます。

彼女は、この映画の中で深く傷つきながらも、暖かい記憶も目を背けたい気配も全て内包
した空間を受け入れました。

受け入れることの根幹にある感情はなんだったんでしょうか。そこに至った彼女の感情に
私自身もこの映画を通じて出会い直せた気がしてなりません。

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©︎ENEN FILMS

読者の反応

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梅田誠弘 @Route66Std

『夫の部屋』
8月1日より公開となります。

”喪失と再生”自分としても向き合わなければいけないテーマとなりました。
大切な作品です。
8月はアップリンク吉祥寺で皆さまをお待ちしています!
#夫の部屋 https://t.co/DNcTCegbsD

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