映画「
本作は、精神科医ジェームズが死刑執行予定の連続殺人犯エドワードとの対話によって追い詰められていくホラーサスペンス。前任の医師フィッシャーは精神鑑定結果を提出する前に自死しており、エドワードの生死はジェームズによる鑑定結果に委ねられていた。そして2人は独房で向き合うが、エドワードは自分が“ネファリアス”という悪魔であるとジェームズに語りかけ、「お前は今日、3件の殺人を犯す」と告げるのだった。
監督・脚本を担当したのは、「プリズン・ヴァンパイア」のチャック・コンツェルマンとケイリー・ソロモン。同作に出演した
「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」で知られる近藤は「悪魔のせいだったら死刑にしてはいけない、かもしれない。逆転の発想と一滴の血も流れないような抑制された画面で、悪魔と対話する97分間」と、野水は「これをホラーと取るかどうかは、観る側の信じるものによって変わってくるかもしれない。だがしかし、善悪について今一度考えさせられる哲学的スリラーなのは間違いない」とつづった。そのほか精神科医の
「ネファリアス」は5月30日より東京・シネマート新宿ほか全国で順次ロードショー。
映画「ネファリアス」予告編(120秒)
映画「ネファリアス」コメント映像(ショーン・パトリック・フラナリー)
映画「ネファリアス」コメント映像(ジョーダン・ベルフィ)
近藤亮太(映画監督)コメント
悪魔のせいだったら死刑にしてはいけない、かもしれない。
逆転の発想と一滴の血も流れないような抑制された画面で、悪魔と対話する97分間。
名越康文(精神科医)コメント
演技も、演出も、脚本も素晴らしい。
悪は先入観を持たない。
善は先入観で縛られる。
善なる心理学や精神医学では、悪に対抗できない理由だ。
氏家 譲寿、George Ujiie(ナマニク)(文筆業 / 映画評論家)コメント
雄弁な悪と沈黙する神の狭間で
精神科医は、静かに、必死に、戦っている。
都合のいい理屈だけを選ぶ、その理性的な行動こそが、
どれほど「暗黒の福音」的であるか?
内なる声との対話は、本当に善なのか?
それが“悪の凡庸さ”を生んでいないか?
「証明された悪」に、私たちは「善を信じる証し」で対抗できるのか。
この映画を見てから、
ずっと......考えている。
野水伊織(映画感想屋声優)コメント
無神論者を主張する医師の牙城を崩すがごとく悪魔が仕掛ける巧妙な駆け引きには、観ているこちらも思わず圧倒される。ほぼワンシチュエーションながらも飽きさせないのは、悪魔と脆弱な人間の二面を行き来するショーン・パトリック・フラナリーの怪演あってこそ。
これをホラーと取るかどうかは、観る側の信じるものによって変わってくるかもしれない。だがしかし、善悪について今一度考えさせられる哲学的スリラーなのは間違いない。
藤井秀剛(映画監督 / 脚本家 / コラムニスト)コメント
SNS時代に突入し、我々は誰でも主役になれる権利を得た。これは地球に住む80億の民が、各々に主義主張を唱える事に繋がり、更には80億通りの正義を生む。
こんな時代を統制できるリーダーなどいるのだろうか? 社会は「自分の考えが常に正しい」と信じる者で溢れ、分断も起こり易い。そんな社会で生きる我々を待ち受けるのは、どんな未来なのか?
その答えがネファリアスにはある。この映画が見せる圧倒的恐怖は、未来を予見している!
ホラー映画団長(ホラー映画拡散家)コメント
人間は言葉を操る。それが他の動物よりも優れた生き物であるという証明だと言われてきた。
しかし、それ故に「心」というファンタジーに一喜一憂する。
ファンタジーはやがて現実と入れ替わり「邪悪なもの」はそれを使う。
神は沈黙を貫く。
なんてことを言いたくなっちゃうような意識高い文系ホラー映画、誕生!
レイナス(「ホラー通信」ライター)コメント
うさんくさ~い自称“悪魔”の連続殺人犯。予定通り死刑か、中止か、決めるだけ。
でも彼の言葉を聞けば聞くほど、どちらの選択も罠のように思えてくる。
裏をかくか? 裏の裏をかくか? 決断の先に何が起こるのか?
自分ならどうするか考えながら観るとめちゃくちゃスリリング! まさか主人公がそっちを選ぶとはね……。
ショーン・パトリック・フラナリーの映画作品
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野水伊織 @nomizuiori
【コメント📝】
5/30(金)公開の映画『ネファリアス』にコメントを寄稿しました! https://t.co/FCbjFGTEtz