「数分間のエールを」花江夏樹「背中を押してもらった」、伊瀬茉莉也はアフレコ回想

アニメーション映画「数分間のエールを」の公開記念舞台挨拶が本日6月16日に東京・TOHOシネマズ 新宿で行われ、声のキャストである花江夏樹、伊瀬茉莉也、内田雄馬、和泉風花と監督のぽぷりかが登壇した。

石川県を舞台とする本作は、ミュージックビデオ（MV）の制作に没頭する高校生・朝屋彼方を主人公に据えた青春群像劇。ある日、彼方は音楽の道をあきらめた教師・織重夕の楽曲を耳にし、そのミュージックビデオを作りたいと強く思い始める。しかしモノづくりには明るい希望だけではなく、残酷な現実も待ち受けているという事実を知っていくのだった。花江が彼方、伊瀬が夕に声を当てた。

完成した映像を観て興奮を抑えきれなかったという花江は「皆さんも、作品にエールを送ってもらったような気持ちになっているんじゃないですか？」と観客に問いかける。ぽぷりかは「自分のやりたいことに対して感想をもらえることが本当にうれしくて。公開日初日は20秒に1回くらいXで検索して感想をスクショにとって......を繰り返したら1日が終わりました（笑）」と公開初日の様子を明かした。

伊瀬は「夢を追いかけて何度も挑戦して、それでも難しくてあきらめてしまったけれど、あきらめきれない心の内があって。その気持ちは“モノづくり”に携わる者としてすごく共感できるので、心の中で織重に『あきらめないで』と思いつつも、自分の気持ちを沈めて演じさせてもらいました」とアフレコを回想。美大を目指す外崎大輔役の内田は「トノは親の期待や誰かの気持ちに答えなきゃいけないと、周りの気持ちを察知したのだと思う」と口にし「我々は表現の仕事なので、特に感じるところがありましたね」と語った。

軽音部に所属する中川萠美役の和泉は「どれだけがんばっても何にもつながらない時間があると、本当に自分はどうしようもないやつだという気持ちになることがある。そんなときに夕にとっての彼方、彼方にとっての萠美みたいな存在が現れてエールをくれる。それが何かにつながって、またがんばれることがあるので、誰にでもそんな存在がいるんですよ」と伝える。

イベントでは後日公開予定のボイスドラマについて、物語の一端が明かされた。ボイスドラマには中学時代の彼方が登場するそうで、花江と内田は「ぜひボイスドラマを聴いてから改めて劇場に足を運んでほしい」と観客に呼びかける。最後に花江は「本作に参加させてもらえて、自分も1ファンとして背中を押してもらえました。つらいことやがんばってみようと思ったときに、またこの作品を思い返して一緒に突き進んでもらえたらうれしいです」と述べ、イベントを締めた。

「数分間のエールを」は全国で公開中。

映画「数分間のエールを」本予告