黒沢清がフランスの芸術文化勲章・オフィシエを受章、「驚くべきことです」

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監督最新作「蛇の道」の公開を6月14日に控える黒沢清が、フランスの芸術文化勲章・オフィシエを受章。本日6月10日に東京・フランス大使公邸で行われた叙勲式に出席した。

左から駐日フランス大使のフィリップ・セトン、黒沢清。

左から駐日フランス大使のフィリップ・セトン、黒沢清。

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1957年に創設された同章は、芸術・文学の領域で創造・普及に傑出した功績のあった人物に授与されるもの。日本人ではこれまで北野武、草間彌生、市川海老蔵、坂本龍一らが受章した。

芸術文化勲章オフィシエの叙勲式の様子。

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叙勲式では駐日フランス大使のフィリップ・セトンが、黒沢の幼少時代までさかのぼった経歴と、フランスの芸術文化勲章にふさわしい映画監督としての功績を紹介。そして会場のスクリーンには、俳優のタハール・ラヒムコンスタンス・ルソー、映画監督のアルノー・デプレシャンクレール・ドゥニが受章を喜ぶお祝い映像が映し出された。「蛇の道」にも出演したマチュー・アマルリックからは「日本で撮られる映画に出られるなら、飛んでいきますからね! そしてフランスでもまた映画を撮ってくださいね!」とのメッセージが寄せられた。

これらの言葉を受けて、黒沢は「(お祝い)映像を想像もしていなかったので準備してきたものを読むべきかどうか……」と言いながらも「いくつかの幸運が重なって、映画を作る立場になり今日まで続けております。気付くと自らゆっくりとフランスに接近していたのか、フランスのほうから近付いてきたのか、真相はわかりません。いずれにせよ、映画を続けるうちに、とうとう今夜のような名誉をフランスからいただくことになりました。驚くべきことです。身に余る光栄です」と心境を述べる。

黒沢がフランスに接近し始めたのは、映画評論家の蓮實重彦に「ジャン=リュック・ゴダールをまねするべし」と言われたことがきっかけだそう。彼は会場に駆けつけた蓮實に加えて、フランスでの映画制作に尽力した映画評論家の梅本洋一、映画プロデューサーの吉武美知子、そして自身を支え続けた妻に感謝し、「いろいろな人との出会いがあり、想像もしなかった晴れがましい出会いがあることを知りました。ありがとうございます」と挨拶を締めくくった。

「蛇の道」は、愛娘を殺され復讐を誓った父親が、偶然出会ったパリで働く日本人の心療内科医の協力を得て、真相を暴いていくさまを描いた作品。柴咲コウ、ダミアン・ボナール、アマルリック、グレゴワール・コラン、西島秀俊、ヴィマラ・ポンス、スリマヌ・ダジ、青木崇高がキャストに名を連ねた。

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(c)2024 CINÉFRANCE STUDIOS – KADOKAWA CORPORATION – TARANTULA

映画「蛇の道」予告編

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玉置泰紀 エリアLOVE Walker総編集長 @tamatama2

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