丸山正樹による同名小説を映像化した本作は、ろう者の両親の間に生まれた耳が聴こえる子供、コーダ(Children of Deaf Adults)を主人公としたミステリー。仕事と結婚に失敗した荒井尚人は、手話技能を生かし「手話通訳士」として新たな人生のスタートを切る。しかし法廷でのろう者の通訳を引き受けたことで、自身が関わった過去のある事件と対峙することになっていく。草なぎが尚人を演じ、
本作ではエキストラも含めると30名以上のろう者・難聴者・コーダの役を当事者が演じている。今回、手話監修や手話指導として関わった木村晴美、
12月13日20時から放送されるNHK Eテレ「ハートネットTV」では本作のメイキング映像や、草なぎと橋本のインタビューなどが流れる。2024年2月4日14時45分からはNHK Eテレで特集番組が放送される予定だ。
「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」はNHK総合およびNHK BSプレミアム4Kで12月16日、23日の22時より放送。NHK Eテレでは2024年2月4日、11日の15時45分からオンエアされる。本作は字幕や手話を付けた放送を予定。NHK総合・NHK BSプレミアム4Kでは、すべての音声日本語と手話が字幕表示される。リモコンでの字幕表示設定は不要。NHK Eテレではすべてのセリフに対して、手話が画面上に表示される。
※草なぎ剛のなぎは弓へんに前の旧字体、その下に刀が正式表記
石井勇一(キービジュアルデザイン担当)コメント
ビジュアルは、写真家の濱田祐史さんを起用し実験的な多重露光撮影を現場でトライいたしました。偶発的に重ねた色彩溢れる光の形状は“家族”を意味するハンドサインの断片で構成されており、本作の作品性に合わせたあらゆる世界における見えるもの・見えないものや無常感などを視覚的に体現したものになります。
木村晴美(手話・ろう者監修)コメント
デフ・ヴォイスは、コーダが主役の物語ですが、オーディションで選ばれたろうの俳優さん達の演技も見逃せません! 草なぎさん演じる尚人さんと絡むシーン等で、名もなきろう俳優さん達が存在感を示しています。名もなき俳優と書きましたが、ろうコミュニティの中では有名な俳優さん達です。渡辺監督がオーディションで楽しそうにしていたのが印象的でした。どんなふうに展開されるのか、手話の入ったカメラアングルはどうなっているのか、ぜひ、最後までお楽しみください。
米内山陽子(コーダ考証・手話指導)コメント
ろう者の役は、ろう者の俳優に演じて欲しい──。
私たちの長年の悲願が叶いました。
丸山さんの素晴らしい原作と、高橋さんの繊細な脚本、渡辺監督の温かなまなざしのもと、老若男女、さまざまなろう者がこの作品に集い、魅力的なお芝居をしています。
カメラの前で繰り広げられる彼らの演技に心が震えました。
それを受け止める草なぎさんをはじめとする聴者キャストの懐の大きなお芝居に胸があつくなりました。
手話監修の木村さんの的確さ、バディのように共に手話指導に挑んだ江副さんの頼もしさ、現場に手話通訳に入ったはせさん、小松さん、井本さんの仕事ぶりに助けられました。
私たちはそれぞれ違う人間で、それは当然尊重されるべきことです。
けれど同じ部分が間違いなくある。
悲しむこと、喜ぶこと、心を寄せること。
この作品をきっかけに、世界がもっと色を増していきますように。
江副悟史(手話指導)コメント
手話界で大きな話題になった「デフ・ヴォイス」がドラマ化され、さらに手話指導としてオファーが来たときはとても驚き、ともに嬉しくなりました。
またろう者役を当事者に演じてほしいということは、喜びとともに不安も大きかったです。ろう俳優のほとんどが舞台経験者が多く、映画やドラマで演じたことが少なかったからです。
プロデューサーを始め、渡辺監督、スタッフの方々にお願いして、ろう俳優対象に「模擬撮影現場」というのを丸1日開催し、リアルな撮影現場を体験してもらいました。また私の方から撮影現場での行動、心構えなども色々と話した上で撮影に入りました。そのおかげでろう俳優もやりやすい環境で撮影に臨めたかなと思います。
ろう俳優の手話も十人十色で、個性的な手話表現も多く、手話指導としても、とても楽しかったです。それぞれ手話の「色」を尊重し、尚人役の草なぎさんも、ろう俳優の役柄に合わせて手話表現を変えていかないといけないので、自然な会話に見えるように調整しながら指導してきました。当初は大変だったと思いますが、撮影現場でろう俳優と絡んでいくうちに慣れてきて、きちんと使いこなせるようになりました。
手話指導するときは、自分の指導方法を形にはめて教えるのではなく、草なぎさんの覚えやすいやり方で、色々と試行錯誤しながらやってきました。草なぎさんに「ダンスの振り付けみたいだな」と言っていただいたのをきっかけに、手話の文法が壊れてしまわないよう、文脈に合わせて丁寧に指導しました。そこから草なぎさんも覚えやすくなってそのまま最後まで走ってくれました。
出演者のほかに裏方のスタッフさんとも私の方から積極的に交流して、ロケバスの運転手さんまで凄く仲良くなって(笑)ご飯も行ったり、通訳なしで2人で色んな会話をしたり、とても楽しい現場でした。
「デフ・ヴォイス」をぜひ多くの方々に見てもらいたいと思います。
坂部康二(制作統括)コメント
聞こえるひと、聞こえにくいひと、聞こえないひと。たくさんのひとにドラマを楽しんでいただきたいと考えました。総合とBSプレミアム4Kでは、「字幕」ボタンを押すことなく、“同じ”番組を一緒に楽しんでいただけます。またEテレでの放送では、ドラマに手話翻訳をつけて放送します。多様なひとを描くドラマだからこそ、多様なひとに楽しんでいただけるようにしたいと考えました。これによって、「エンターテインメント」としてこのドラマが持つ力が広く伝わったらうれしいです。普段、福祉番組を作っているチームによる、舞台裏を描いたドキュメンタリーも、ぜひご覧ください。
書店・出版・図書館ニュースbot @jpub_news
草なぎ剛が主演するドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」のティザー映像公開(スタッフコメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/WbPHOtz0Bh