堀田真由と小林薫が津軽塗シーン述懐、宮田俊哉は「ひと目惚れされる男って？」

映画「バカ塗りの娘」の完成披露舞台挨拶が本日8月9日に東京・グランドシネマサンシャインで行われ、キャストの堀田真由、小林薫、坂東龍汰、宮田俊哉（Kis-My-Ft2）、監督を務める鶴岡慧子が登壇した。

高森美由紀の小説を映画化した本作では、青森の伝統工芸である津軽塗、通称“バカ塗り”を通して、津軽塗職人を目指す娘と寡黙な父が、漆や家族と向き合う姿が描かれる。堀田が娘の美也子、小林が父の清史郎に扮した。

鶴岡とともに青森での完成披露上映会に参加した堀田は「とても緊張感がありましたが、劇場では観客との距離が近くて。皆さんがほほえんでいるのが伝わり、温かい雰囲気でした」と述懐。鶴岡は「今年は『バカ塗りの娘』のねぶたを作っていただき、堀田さんと引かせていただきました」と青森での滞在を振り返る。

小林は「津軽塗のシーンでは、黙々と塗っています。その間（美也子とも）セリフのやり取りはありませんが、お父さんの気持ちや不器用さが表現できているのかな」とコメント。美也子の兄・ユウ役の坂東は「初めて髪の毛を派手な色に染めました。堀田さんと薫さんは以前にもお会いしたことがあったので、現場に生まれるものを自然に演じられたらと思いました」と伝えた。

美也子にひと目惚れされる青年・尚人を演じた宮田。彼は「ひと目惚れされる男ってどんな人だろう？とまず考えましたね。そこから派生してキャラクターを組み立てていくのが楽しかったです」と話す。司会者から「ひと目惚れされることも多いのでは？」と尋ねられた宮田は「難しい質問ですね。まあ……NOじゃないですね」と回答し、会場を沸かせた。

堀田は小林との共演について「本当に勉強になりました。（清史郎は）不器用で堅物という言葉が近いと思う。工房でのシーンはセリフがないけど、同じ方向を向いて対話をしている感覚でした。セリフがなくても言葉が聞こえてきました」と語る。小林は堀田に関して「最近の若い人に共通して言えることですけど、演技が自然でうまいんですよ。印象としては、“佇まいがいい人”。僕も自然に、お父さんとして向き合えましたね」と述べた。

タイトルに込めた思いを尋ねられた鶴田は「映画を観ていただくと、さまざまな工程を経て1つのお椀ができあがるということがわかると思う。その愚直さを見習いたいと思ったので、ひたむきさを表す“バカ”、“バカ塗り”という言葉をタイトルにしました」と明かす。最後に堀田は「撮影させていただいた青森の風景や食、出演していただいた方の笑顔など、いろんな魅力がギュッと詰まった作品です。私たちもワンカット、ワンカット、ひたむきに取り組みました。観ていただく方には、津軽塗に興味を持ってほしいです」と呼びかけ、イベントを締めた。

「バカ塗りの娘」は8月25日に青森県で先行公開後、9月1日より全国で上映される。