「はりぼて」で知られる
富山のチューリップテレビを辞した五百旗頭が、新天地の石川テレビで制作した2本のドキュメンタリー番組「裸のムラ」「日本国男村」から生まれた本作。石川を舞台に、社会に偏在する家父長制(パターナリズム)の徴を笑いとともに抉り出していくポリティカルドキュメンタリーだ。谷本正憲、馳浩、森喜朗に加え、市井の生活者の姿がカメラに収められた。
メインビジュアルのデザインは、東海テレビドキュメンタリー劇場「ヤクザと憲法」「さよならテレビ」などのドキュメンタリー映画の宣伝美術を手がける渡辺純が担当。五百旗頭は「世の空気は政治や行政によって醸成され、市井の人々へと伝播する。今作は前作『はりぼて』のように明快に不正を暴くものでなく、この国のムラ社会を覆う空気を描いたものだ」とコメントしている。
五百旗頭幸男 コメント
世の空気は政治や行政によって醸成され、市井の人々へと伝播する。今作は前作「はりぼて」のように明快に不正を暴くものでなく、この国のムラ社会を覆う空気を描いたものだ。目に見えないが、人々は簡単に流され、染められていく。その様は滑稽で危うい。一昨年、17年勤めた地方局を離れた。社会の空気はテレビ局をも支配し、官僚機構同様、忖度がはびこり同調圧力が強まった。ドキュメンタリーは作り手の今も映し出す。地方局内に染み込んだ空気により傷を負った制作者として、その源を探り、見えない空気を映像化するのは宿命だった。
五百旗頭幸男の映画作品
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五百旗頭幸男によるポリティカルドキュメンタリー「裸のムラ」10月公開(写真16枚 / コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/U6wKqVzzAY