民衆の苦悩と困惑を詩的に描くペルー映画「マタインディオス、聖なる村」公開

ペルー映画「マタインディオス、聖なる村」が、6月18日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

アンデス山脈の先住民の慣習とカトリック信仰が入り混じった価値観を背景に、モノクロ風の映像で民衆の苦悩と困惑を詩的に描く本作。ペルーの山岳部で、4人の村人が守護聖人をたたえる祭礼を計画する。村人たちは聖人を喜ばせれば長年の喪を終わらせてくれると信じていた。しかし予期せぬ出来事によって、村人たちは自身の信仰と、聖人による庇護の力に疑問を抱く。

監督と脚本を担当したのは、本作が初長編作品となるオスカル・サンチェス・サルダニャとロベルト・フルカ・モッタ。撮影はサルダニャの故郷であるリマ県山岳部のワンガスカルで行われた。司祭役以外は、ワンガスカルで暮らす村人たちが演じている。監督たちは村人とともに過ごし、ときには亡くなった人の埋葬にも参加しながら信頼関係を築いていった。