オムニバス映画「
1992年製作の「パイナップル・ツアーズ」は第2次世界大戦で投下された不発弾が眠るという沖縄の架空の島・具良間島を舞台とした作品。原因不明の病で声が出ないオペラ歌手が主人公の「麗子おばさん」、島の娘と結婚することになった青年を捉えた「春子とヒデヨシ」、はぐれ者たちが不発弾に懸けられた懸賞金を狙う「爆弾小僧」の3編で構成された。
予告編では「90年代、ヤマトを熱狂させたウチナー文化満載の娯楽映画が──デジタルリマスター版で30年ぶりに大復活を遂げる!」というコピーとともに、3つのエピソードが紹介されていく。
このたび、監督の
「パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版」は5月7日より沖縄・桜坂劇場、5月14日からは東京のシアター・イメージフォーラムで上映。そのほか全国で順次公開される。
真喜屋力(「麗子おばさん」監督)コメント
この映画が作られた時代は、復帰闘争が一段落した後に成長した僕らのような世代が成人し、発言権を持ち始めた時代でした。それによって「沖縄ってこういうところだ」というウチナーンチュの心持ちの再定義が行われた時代でした。そんな時代の熱気みたいなものが、この映画には映り込んでいると思っています。その時から30年。今の観客にどういう風に観られることになるのか? 嬉しさと共に、興味が湧いてきます。
中江裕司(「春子とヒデヨシ」監督)コメント
「パイナップル・ツアーズ」という映画は、伊是名島(映画の中では具良間島)に撮らせていただきました。伊是名島の風土にお願いをし、沖縄の歌手や芸能人に頼って出来た映画です。照屋林助さんをはじめ、ウチナーンチュ(沖縄人)の先輩たちに、たくさんの大切なことを教えていただきました。私の頭の中よりも、実際の映画は面白くなることを知り「他力本願」を胆に刻みました。私は、今も生きて映画を作っています。島と皆さんへ、イッペーニフェーデービタン(本当にありがとうございました)。
當間早志(「爆弾小僧」監督)コメント
'80年代の若者の多くは、ウチナーグチを正しく話せない、三線できない、カチャーシー踊れない…そんな卑屈な感情から「沖縄」を避けたりダサく感じたりしていましたが、'89~'90年頃から自らの世代にも独特の文化があることに気づき、県内の若者から「沖縄ブーム」が起こりました。この映画はその勢いにのって作ることができたと思います。
ただし自分は、本土の方々が沖縄に抱く癒やしのイメージにちょっと違和感があり、沖縄を利用して一儲けを企む者、それに乗せられて浮かれるウチナーンチュ、敢えて乗っかってずる賢く立ち回るウチナーンチュらを揶揄するつもりで、“踊る阿呆に 見る阿呆”的なバカ映画として撮ったのが「爆弾小僧」です。
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オムニバス映画「パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版」の予告編が、YouTubeで解禁された。 / https://t.co/LlrKgrPKa7 / 「パイナップル・ツアーズ」デジタルリマスター版、ウチナー文化満載の予告編 - 映画ナタリー https://t.co/P8UVnUQPtP